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[明石昌夫]ベースの弦の話

明石さんはベース弦はフラットワウンズとラウンドワウンド、どちらの弦がお好きですか?また弦は頻繁に変える派ですか?もし弦が好みや太さやメーカーのこだわりなどがあれば、よろしくお願いいたします。

ベース弦の話ですよね。これまたクソジジイなんで、歴史の話をしたりしていいですか?私が一番最初にベースを買ったというか、ベース一番最初に買ったのは中学校2年生かな。テスコのベースでね、今だとビザールベースって言ってすごい人気なんですけども。実家で探そうとしてるんですけど、未だに探せてないんですけども。ラウンドワウンドって弦なかったんですよ、僕がベース始めた頃って。フラットワウンズしかなかったのでね。フラットワウンズとラウンドワウンドって、もともとベースってのはウッドベースから来てるから。でウッドベースっていうのはフラットワウンズだから、当然そこで作るわけですよ。そうやってフラットワウンズしかなくて、一番最初に買ったジャズベース、75年のフェンダーのジャズベースかな。大学1年か2年ぐらいの時、肉体労働のバイトして。この体で肉体労働したっていう。肉体労働って言っても工場で働いたりかな、そんな感じだったんですけども。その前かな、ディープ・パープルだったりイエスだったり、あとエマーソン・レイク・アンド・パーマー、グレッグ・レイク、クリス・スクワイアとか、ジョンジョンジョンジョンジョンジョンジョンジョンジョンっていうそういう、みんなピック弾きですよね。指弾きで弾くとフラットワウンズとラウンドワウンドっていうのはそれほどの差は出ない、全然違いますけど。当時の中高生の頃の僕からすると、そんなによくわかんないぐらいの違いなんですけども。

大学生ぐらいの頃かな、バンド組んでてそこの人にそこのキーボードのナンバくんっていうのがラウンドワウンド・ロトサウンドっていうのがあるんだと。それがあるから、ああいうクリス・スクワイアみたいな音が出るんだ、ジョンジョンジョンっていう音が出るんだっていう。その当時ってのは本当にもうインターネットもなかったから、そうやってイギリスとかアメリカのそういうトレンドと日本のトレンドってのは、本当にもう3年から5年ぐらいの差があったんで。当時は基本ラウンドワウンドの弦っていうのがなかったんだと思うんですよね。売ってなかったと思うんですよ。その大学生ぐらいの頃、20歳前ぐらいの頃に初めて日本で、大阪なんでね東京ではもうちょっと前からあったかもしれないですけども。ロトサウンド、今でもありますよね。ロトサウンドのベース弦っていうのが初めてラウンドワウンドで出たっていう。ヤマハとかフェンダーで出してる奴は全部フラットしかなかったんですよ。それはもしかしたらあったのかもしれないけども、代理店とかがそれを輸入してなかったっていう、そういうふうなことで。でそのロトサウンドっていうのがワンセット7千円したんですよ。むっちゃくちゃ高いじゃないですか。大学生の頃でおいそれと弦なんて変えれないんですよね。

でもフラットワウンズってへたるというか、へたっても弦がへたるっていうのは、基本的には錆びるっていう考え方と、あとは何回も弾いてるうちに、だんだん弾性が低くなって、弾性、その伸びたり縮んだりする力がだんだん弱くなってきて。それは当然弾いてるとだんだんこう音低くなる緩んでいくじゃん、それでちょっとずつ上げていくわけじゃないですか。それっていうのは結局その巻いてるところがだんだんこう締まっていくっていう考え方もあるんだけども、基本的には弦が伸びていくわけですよね。伸びていくっていうことは、その伸びて縮んでっていうところで音が出るわけなんで。それの伸びて縮むところのダイナミックレンジ、その幅っていうのがだんだんこう狭くなってくるっていうのが、俗に言う弦がへたるっていう感じなんですけども。なんですけどもそれがフラットワウンズとそんなにわかんないから、そんなに弦変えなくてもよかったし。ウッドベースの弦も弦変えたからって言って、全然すごい良くなったなっていう感じはちょっと聞いた感じではわからないんですよね。弾いた感じだと全然こう手の絡みとか、全然変わるとは思うんですけども。だんだん弦が古くなってくると、だんだん硬くなってくるんですよね、聞いてる時の感じが。弾力がなくなってくるみたいな、新しい奴は弾力があるぞみたいな。だけども例えばそのアコースティックギターが一番わかりやすいんですけども。弦張り替えた瞬間でむちゃくちゃ良い音するじゃないですか。めちゃくちゃハイ伸びてて、めちゃ明るいというかレンジ広いような音がするじゃないですか。あれはまず錆びてないっていう部分がある。そこがだんだん錆びてくると、そこの周りにそういう錆がいっぱいついてきたら手垢がついたり、そういうところで全部がその弦に対するミュートになってくる。そのミュートがあることによってだんだん音が暗くなってくるっていうのが理論的な理屈だと思うんですよね。

まずそもそもラウンドワウンドとフラットワウンズどっちが好きかと言われるとですね。そのロトサウンドの全然クリス・スクワイアのイエスとグレッグ・レイクとディープ・パープルの音が出るぜって、ガンガンガンガンガンって。ハイウェイ・スターのジョンジョンジョンジョンジョンジョンジョンって、ラウンドワウンドしか絶対出ないですから。っていうので、もうなかったところからあるっていうので、そっからずっとラウンドワウンドですね。たまに学生の方のフラットワウンズをやってみて、あこれはこれありだけどねってジャンル選ぶよねみたいな。基本的にはそのラウンドワウンドの方が倍音は多いんで、よく聞こえるって部分もあったりしますけどもね。そんな感じです。なんで好みというよりも基本は全部ラウンドワウンドですね。

弦の好みや太さやメーカーね。弦の好みメーカーのこだわり。昔B'zのツアー周ってた時に、もうあれぐらいの規模のツアーになってくると、アリーナツアーとか球場ツアーぐらいの頃なんですけども。ツアーの予算で弦も買っていただけるんですよね。ほんとありがたいことですよ。その時ギターテックのhakkaiくんがDRの弦をワンボックスで10個ですよね。それを買ってくれて。それを張り替えて自分で張り替えてたのかな。やって、でそれでこう弾いてみたんですけども、リハーサルでこうやってやったんだけど。ちょっとしっくりこないなってのがあって、ごめんちょっとダダ色だったんですけども。その当時その前に張ってたのがDRの弦なんですよね。なんで未だに僕はそのDRの弦を使っています。太さもなるべく太い方がいいんじゃないかって思って、わざわざいろんなバラ売りの太い弦に変えてみたり、そういうこともしたことあるんですけども。大して変わんないんで、なんでもとりあえずそこの楽器屋にあったやつとか、ネットで見つけたやつで、あんまり細すぎないやつ。あんまり太すぎないやつとか、太いと値段高かったりするから、もうそういうのやめたりっていう感じ。こだわんないっちゃこだわんない、太さはそんなこだわんないけども。メーカーはDRがとりあえず一番好きです。錆びない弦とかエリクサーだっけ、あれも昔は全然ダメだったんだけども。最近はそこそこいい感じになってるんだけど。

僕はそもそも弦錆びないんで。僕手に汗かかない。汗かかないというよりは、むしろむちゃくちゃ油がいっぱいある。どうなんだろう、油症ですねって言われたことはないけども。とりあえずこのスマホのガラスが、もう指紋だらけっていうかもうめちゃくちゃ指紋でいっぱいになるから。すごい手油がすごいみたい。なんで静電気でタッチするエレベーターのボタンって反応しないんですよ。油のコーティングがすごすぎて静電気がない、そういう状態。なんで逆に言うとこうバチってなりやすいパターンなんですけども。本当に手に汗かかないし、油でいっぱいで常に油でコーティングしてみたいなもので弦を。絶対錆びないの、本当に錆びない。なんでそれをいいことにっていうか、金使うの嫌いなんで。それが次の質問になるのかな。

弦は頻繁に変える派ですか。

弦って変えたら音良くなるのはわかるんですよね。レンジが広くなるのは。なんだけどもなんせ金使うの嫌いなんで。確かにそのアンソニー・ジャクソンっていう人はワンセッションごとに弦変えるって言って。ああいう人はスタジオミュージシャンの仕事だと1日で4セッションやるからね。そうするとね、1日4回変えたりして。当時だったらワンセット7千円だったしね。今でも2千円ぐらいなのかな、それぐらい。それでもワンセッションごとっていうか1日4、5回変えたとこで1万円だからね。ギャラがアンソニー・ジャクソンだと間違いなく1回10万円ずつぐらいもらえるから、50万円としてそれの1万円だから、いっちゃいいんだけどもね。それよりも高校生の頃とか、金のなかった時代に、変えてない弦をキャラにすればいいんだっていう考え方でほんと変えないです。2年も3年も全然変えないパターンです。でその分、でも倍音はちゃんと出したいから。なんでまずピッキングを斜めに当ててそれでそこで倍音を出すってやつ。あとは指弾きもすごいスピードと指の深さを深くして、もう本当にバチーンって感じで、上から叩くんじゃないですよ。こう置いてからガーって弾くだけなんですけどね。それで全体のビビリなんだよねきっとね。そういうところで倍音を出すっていう、そういう手を使ってそれをもう僕の音色のキャラにしています。でずっとそれでやってきてそんな感じですね。弦は全然変えない系です。

フレットレスベースや多弦ベースなどに関心はおありですか?個人的な意見で恐縮ですが、明石さんならフェンダーベースⅥも似合うと思いうのですがいかがですか?

フレットレスベースね。フレットレスベースは弾いてましたよ。ウッドベースも練習してた時期があるし、普通の方よりも耳いいというかピッチ感はいいんで、そこそこ弾けるんですけども。ソロやってたりってたこともありますよ。そういうの動画見たことないな。なんかのバラード、本当初期の頃。ヤマハのミディアムスケールのベースをエンドースで作っていただけたと。作ってはいないな、使わせていただけた時。その時にそのフレットレスベースでやってたりはしました。なんてジャコ・パストリアスとか、すごい好きだった時期があったんで。今でもリマーク・ユー・メイド、「※音楽※」。もともとビブラートっていうのが基本的にはこういうフレットのある楽器の場合は、こうやってもあんま変わらなくて、こっち向きにしてやるパターンが多いじゃないですか。なんだけどクソガキは4歳からバイオリンやってたんで。基本的にはビブラートってのはこっち向きに、弦に対してこっち向きにこうかけるもんだと。こうじゃなくてこうだって最初は思ってたから。なんでギターとかもベースとかも、ビブラートしたいなと思ったらこうやってやったんですけど。みんなみたら、こうやってやってるからそういう風にするようにしたんですけども。フレットレスベースの場合、これがこっち側でいいわけじゃないですか。でもそれもともとバイオリンやってたからっていうので、わりと簡単にできたりもいろいろして。前世でやってたんでしょうねきっとね。なんでフレットレスベースは今でも必要とあらば持ってないですけども、弾くことは全然できます。好きですよ。すっごい。こうグーンってこう独特のブリスの感じもできるしっていうので。たまにフレットレスの音が必要になったりすると、どっかから調達してきて弾くこともあるのかな。そんな感じです。

多弦ベースはですね。B'zの頃に初期はシンセベースだったんで、当時は4弦ベースだとローのEが一番下じゃないですか。それより下のベースの音っていうの。それがシンセベースだと出せるじゃないですか。そうするとその普通はベースで出せない音を出さないと、シンセベースだと損だっていう考え方があって僕の場合には。結局その今までにはないようなベースの音にした方が僕は好きだったりするんで。そうするとそうやって下の方を弾くわけですよね。それがライブでベースで弾かないといけないっていう局面になってきたりするわけなんですよね。でそうすると普通は5弦ベースにしたりするんですけども。これが弦ベースってまず僕手小さいから、ネック広くて弾くのすごい大変なんですよね。それと4弦ベースで何十年も弾いてるんで、ミュートができないんですよ。最近編み出しましたけど5弦ベースのミュートの仕方。何かの弦がフリーになって、こうやってポンってやったらブヨーンってなって。それミュートしてない弦があるとそれが他の音に共鳴して鳴っちゃうんですよね。そうすると音の輪郭がクソになるんで。基本的には多弦ベースは弾ければいいなぁと思うし、最近5弦ベースだとギリギリ弾けるようにはなってますけども。でもそういう多弦ベースはベースじゃねーやみたいなね。そういう風な感じでは当然ないですよね。そういうキャラじゃないですしね。関心はおわりですかというか、もう弾ければ弾くというかそんな感じです。

今のところローBですよね。ローBよりも下っていうのは、たまに使ってる音源あったりしますけどね。なかなか音程として認識しづらい部分もあるんでローBぐらいが限界なのかなとは思いますね。あと弦がブヨブヨなんで弾き方が本当難しいですよね。触るように弾かないと。アタックでガーンって歪ませるみたいなそういう風な考え方。元々その周波数低いんで、その分エネルギーが多くなるから歪みやすいって部分もあるから。そういうので色々音色の作り方とかそういうのあったりしますけども。

ビートルズのLet It Beっていう映画とか、あれを見るだけのためにディズニーチャンネルに入ってみたらやめましたけども。フェンダーベースⅥ、あれ本当にあれでコード弾いてますよね、面白いですよね。ああいうやり方もあるし、5年前ぐらいに6弦ベース、そのフェンダーベースⅥ、それがすごい流行った時期があって。なんだっけなオーロラかな、スウェーデンかフィンランドか、バンドっていうか女性ボーカルしてる人。それすげーかっこよくて、そこのベーシストの人がすごいフェンダーベースⅥをすごい上手く使ってて。その頃一時フェンダーⅥブームってのがあったりしたんですよね。新しいサウンドはすごいできるし、ギターじゃないベースでアルペジオ・イントロでそういうのすごいやるし。今でも本当に機会があればそんなことはやりたいなと思いますけど。そんな感じです。

いろんなフレットレス、多弦ベースに関してっていうのは結構いろいろやってたりはします。はいありがとうございます。

※「※音楽※」は文字化できないため省略

Akashi Masao Official
https://www.youtube.com/@akashimasaoofficial9707

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