[明石昌夫]曲を作ったのに一銭ももらえない話
曲は買取か印税収入のみかを選ばされるらしいのですが、
選ばされるというかね。基本的には会社によってあるんですけども。基本的にはその印税収入ってのが普通ですね。
作曲依頼の料金を払い、かつ印税収入ももらえるって選択肢はできないのですか?
できなくはないです。それはもう契約次第なんで。それは法律では決まってないんで。それはそれで音源を制作する会社が、それでOKすればそれはそれで全然できないということはないです。
印税収入のみだと、曲を発注する側は、最悪一銭も払わずに曲を発注できませんか?
それはその通りなんですよ。なんで曲を発注することはタダなんです。なんで逆に言うと作曲家ってのは採用されれば、製品になって収益を上げればお金がもらえるけども、ただ自分がその曲を作ったっていうことに対しての収益っていうのは基本的にはもらえないんですよね。その分アレンジャーってのは仕事をして、それがリリースされようがされまいが、一応お金はもらえる。その代わり印税がないっていう、そういう二択だったりはします。別にそれに対して理不尽な話だったり、そういうようなことを考えるのも自由なんですけども。とりあえずはそうやって現状そういう感じなんだと。で今の日本だとそういうふうな現状だから。じゃあそれに対して自分が何ができるかなって、何をやったら楽しいかなみたいな。いやだったらやめればいいわけですから。なんですよね。なんで選ばされるっていうのも選ばされるというよりは、最初から今回は買取でっていうことが言われるのかな。僕の場合はそういうの言われたことないんで。あんまり曲作ってないですから。
なんですけども最近は、曲の買取とか、僕は今ボーカルオーディションをしてる、そこのプロジェクトだとも完全に買取のパターンなんですけども。印税収入も発生させようかなとは思ってますけども。っていう感じなんで買取 + 印税収入みたいなのも全然ありだとは思います。とりあえずその一生懸命デモを作って曲作ったのに、一銭ももらえないってことは、めちゃくちゃいっぱいあります。歌詞もそうです。全部そうです。その辺基本的には日本の場合は音楽に関して、印税っていう人達っていうのはただ働きの可能性っていうのはめちゃくちゃ多くて。なんででもめちゃくちゃ売れた時はすごいお金が入るっていうところで、ハイリスク・ハイリターン。逆に言うとそれがアレンジャーだと、もう一曲いくらみたいなのでも決まってて、それが売れようが売れまいが一緒みたいな。それもアレンジャーの場合は僕が、avexでやっていただけた契約だと、一曲いくらっていう契約。しかもそこで印税が3%もらえたのかな。っていう風な契約を当時一緒に会社をやってた方がそういう話をとりまとめていただけたりして。そういう風なこともあります。だからアレンジに関して、買取 + プロデュース印税みたいな。そういうパターンもあるし、本当にもうケース・バイ・ケースなんですけど、大概は印税か買取か、基本的には印税ですね。その時は製品化されなかった収益を上げなければ一銭ももらえないっていう。そういう風なもので。
逆にそれがデモをそこの会社に出した時点では契約書は大概交わさないんで。オーディションだったりそういう風なことだと、そこで一銭も払わないけども、権利はこっちのもんだよ、みたいな風なことはもう結構多々あるんで。その辺もすごい気をつけた方がいいと思いますけども。分かんなかったらこれも縁なんで、僕に聞いてください。一瞬で分かるんで。そんな感じですよね。最悪一銭も払わずに曲を発注できませんかって、できるんですよ。そんな感じです。理不尽と思うか、それを理不尽かどうかってのは自分が考えることですからね。世の中そうなんだから。それに対して、それを変えようと思うっていうのはすごい大事だと思うし。そうじゃなくて、ただ理不尽だって怒ってるだけだったらね。ネガティブになるだけなんで。それよりはこういう世の中だし、こういうシステムなんだから、それに対して自分はどのようにしていくのが幸せになれるかな、みたいな発想をしたほうがいいのかな、って思ったりします。はい、ありがとうございます。