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2025.2.2 プロレスリング・ノア SUNNY VOYAGE 2025 東京・東京たま未来メッセ大会観戦記

1.1のOZAWAショックの「余波」を感じたく、ちょうど時間の都合が合い距離もそこまで遠くはなかったので、行ってきましたよ。たま未来メッセのノア興行!いやあ……引っ越して東京に住んでからというもの、プロレス観戦がすごく身近になったのをヒシヒシと感じますね。なんてことのない地方大会……と、言っても東京は地方というわけではないのですが、ビッグマッチではない首都圏興行に行くというのは元田舎住まいの身からするとかなりの贅沢な気はします。それ故の独特の熱量……それを抜きにしても今のノアの地方大会の出力と熱量は凄いわけですが、それを肌感覚で確かめてこそ団体の本質が伝わるというのもあるんですよね。さて、OZAWA「以後」と言っても過言ではない今のNOAHがどうだったのか? ざっくりとレポートしていきましょう。

今回はS席三列目。

たま未来メッセ、昨年の1月24日の観衆は476人、8月17日のN-1VICTORYは411人だったわけですが、今年は524人と着実に増えていたことにまずは安堵しました。観客も老若男女とバランス良く、それでいて子供や高校生といった若年層と多く、確実に「良い流れ」になってきたのを実感します。動画撮影OKに小中学生無料、高校生シート販売と、とにかく新規層の取り込みには貪欲で、その効果が如実に現れているのを実感しました。

会場はコンパクトではありつつもお客さんの歓声が響きやすく、初めての会場ではありましたが、全体的に綺麗で雰囲気も明るく、都会の洗練された空気感と地方大会の雰囲気と温かみが同居している会場でした。駅から近いのもいいですね。

◼️シングルマッチ
征矢学 vs オオワダサン

OZAWAに続く形で裏切り劇からTEAM2000X入りした大和田侑ことオオワダサン。今大会、生観戦して印象の変わった選手の一人です。ビッグマッチ以外でもこうしたシングル戦を入れてくるのがNOAHのいい所の一つですね。

ライダースがキャラのイメージにも合ってて
かっこいいですね

若手による下克上、デビューから最短でのGHCヘビー戴冠というのもあってかOZAWAショックのインパクトは絶大過ぎたわけですが、それに続く形となった大和田は同じ若手枠というのもあってか、やや「二匹目のドジョウ」感が拭えなかった部分もあり、ノアらしくないSNSでのアジテーションがTEAM2000Xの得意とする分野というのもあってか、どうしても第一印象はそれに引っ張られていたんですよね。平たく言えばOZAWAと比べるとどうにも格下になってしまったというか、インパクト不足……そう思っていたんですよ。見る前までは。

大言壮語と持ち前の身体ポテンシャルを活かした華麗な空中殺法のマリアージュがOZAWAの真骨頂であり、とにかく耳目を集めることに関してはOZAWAが凄いのは間違いないです。ではオオワダサンはどうするのか?というのが個人的な注目ポイントではあったのですが、観客や対戦相手を逆撫でする小馬鹿にした挑発と派手な技をガンガン仕掛けて見せ場を奪うOZAWAとは対象的に、オオワダサンは極端に技を絞っての挑発一辺倒で、OZAWAとは違った意味でのヒール像をしっかり確立しているんですよね。

押し込まれてもしっかりと前を見て
引くことなくオラつくオオワダサン

少しびっくりしたのは、オオワダサンって「チンピラ」なんですよ。高校生ヤンキー感が凄く強いというか。これって下手すると「小物感」が出ちゃうわけではあるのですが、そこにマイナスイメージを感じないどころか、それらを「いい意味」で評価できることに驚かされたんですよね。

征矢の薄毛を弄って煽るオオワダサン

一切マトモに戦う気がないのに、おちょくることは忘れない。普通、他者に対する「おちょくり」って相手の怒りを来る反撃を頭の片隅で想定しているせいか、やる側も多少「引き腰」になるのですが、オオワダサンにそれはほとんどなく、俗にいうヘタレムーブをやることもないんですよね。終始オラついたままであり、とにかく「反抗」し続ける。ヤンキーマインドがちゃんとあるんですよ。フィニッシュを逆さ押さえ込み一本に絞ってるのもあってか、そこには派手なOZAWAとは明確にスタイルを異にした強い信念を感じます。それでいて第一試合らしいコミカルさと盛り上げにも寄与している。シンプルな殴る蹴ると見せかけてフィニッシュは押さえ込み。撹乱戦術を得意とする特攻隊長とでもいうべき特異性。これは今までになかったタイプですよ。

スラッとして足が長く、スタイルの良さもいいですね。

なんというか、第一印象がいい意味で裏切られると同時に、ヤクザの組の「若い衆」のようなイキの良さをちゃんとキャラとして貫徹してる。ここにすっかり惚れてしまいました。オオワダサン、めちゃくちゃいいですよ。

最後は征矢のドラゴンスリーパーで一蹴!

そんなオオワダサンに頭髪込みで振り回された征矢でしたが、フィニッシュはドラゴンスリーパーで絞り上げて勝利!以前も書きましたが、ドラゴンスリーパーは藤波辰巳の使う飛龍殺法の中でも晩年のイメージが強いせいかドラゴンスープレックスと比べるとやや派手さに欠ける二番手イメージの技ではあるのですが、征矢がやるとかなりしっくりくる味わい深いサブミッションになるんですよね。パンプアップした上半身でガッチリ絞めているというのもありますが、しっかり上半身を反らせているのもポイントが高いです。今回は尻餅をつかせないスタンディング式だったというのもあって余計にキツそうでしたが、これもいいですね。征矢のこの技、かなり好きです。それにしてもオオワダサン、観客の応援する声も非常に多く、今のTEAM2000Xの勢いがよく伝わってきました。

◼️3WAYマッチ
タダスケ vs 近藤修司 vs ブラックめんそーれ

第一試合と並んでこの試合も分かりやすくファニーな一戦でした。特にブラックめんそーれはいいですね。これもまた今のノアになくてはならない存在というか、初心者からすると敷居が高いと思われがちなノアのイメージをほどよく下げてくれていると実感します。

シャー!一つで会場に一体感が。分かりやすく盛り上げてくれるいい選手ですよね。

この試合、ファニーでありながらその実結構テクニカルな試合であり、3way特有の2vs1の構図が目まぐるしく入れ替わるのが見てて面白かったです。コーナー突進から「ついつい」やってしまったスクールボーイをかぶせでやったのも分かりやすくてよかったですね。

守りたい、この笑顔

そんな中、漁夫の利を得て勝ったのはタダスケ。いやあ……ブラめんもそうですが、タダスケはこういう役回りをさせても上手いですよね。タダスケ勝利の意外な驚きもあり、面白い試合でした。

◼️タッグマッチ
藤田和之&杉浦貴 vs マサ北宮&モハメドヨネ

再三、このnoteでも語っている通り、90年代プロレスキッズだった自分にとってはやはり藤田和之の名前は特別な意味を持ちます。「あの」藤田和之が普通にNOAHの試合に出ているというこの状況を、当時の自分に教えてやりたいですね。プロレスは長く見れば見るほどいい、とはよく言われますが、自分が多感な時期に見ていたレスラーが中年に差し掛かっても普通にやっているというのは単純に嬉しいものがあり、プロレスとは擬似的なタイムマシーンなんだなとも思います。

赤まむし片手に練り歩く藤田和之。ド迫力!

この試合、見所はモハメドヨネでした。ヨネは昔と今とで自分の中ではガラリと評価の変わった選手であり、むしろ今はシングル戦をもっと見たいと思ってる選手の一人です。

持ち前のファンキーさと打撃の強さ

この試合でも杉浦や藤田和之と果敢に打ち合っており、その打撃音は生観戦だと本当にやばいですよ。「バシッ」という肉の表面を弾く音じゃなくて、身体の芯にズンと響き、骨がぶつかる「ゴスッ」という感じというか。アフロ込みで体格もそれなりにあるだけに、膂力であの藤田和之と打ち合えるだけでもそのポテンシャルの高さは伝わるんじゃないかなと思います。

わずかながら藤田とのシバキ合いは超刺激的!

個人的には2009年のDISOBEY入りしたときのドレッドヘアへのイメージチェンジが精悍でとても好きでしたね。もはや伝説化している三沢光晴の横殴りのエルボーの、その血が最も濃いのはヨネと言っても過言ではないかと。

杉浦の顔を歪ませるヨネの轟音エルボー。
マット界随一の破壊力!

最後はオリンピック予選スラムで杉浦の勝利。杉浦&藤田という重戦車タッグの強さを考えれば順当ではあるものの、それでも若干悔しささえ感じるのはそれだけヨネへの期待感がデカいのかもしれません。

◼️6人タッグマッチ
清宮海斗&拳王&カイ・フジムラ vs 丸藤正道&谷口周平&ゾザヤ

今大会で生観戦して評価が変わった選手、もといユニットになるのですが、何を隠そう、それはオール・レベリオンです。

ぶっちゃけて言うと今まで僕は清宮や拳王はレスラーとして好きでも、ユニットとしてのオール・レベリオンに関してはかなりの否定派だったというか、どうにもコンセプトが悪いなと思っていたのですよね。清宮と拳王、ライバルが組む展開は基本的には強大な敵が現れてからでないと組む必然性がないせいかイマイチ気持ちが乗らず、加えて当時の団体の頂点は清宮であり、玉座に座る人間が「革命」を口に出すというのも意味がわからないなとも。

まあこれに関して擁護するなら、マット界の二番手に甘んじており、集客でも苦戦している閉塞感のある現状の中、全てを打破し、反旗を翻す決意表明としての「革命」なのでしょうが、それなら他団体に打って出るべきで、序列を変える意味でも外への波及の意味でも自団体内で完結させるものではないだろうと。あとは単純に拳王が完全サポートに回っているというのも面白くないポイントで、かつて「金剛」という名ユニットを率いて団体の枠を超えて知名度を得たユニットよりも、今のオール・レベリオンがユニットとして上とは言えないのであれば、拳王がわざわざ組む意味はないだろうと。そういう意味でも気持ち的に全ベットする気には到底なれなかったんですよね。自己発信に欠ける清宮を敢えてユニットリーダーに据えることで、その弱点を補おうと思って作られた神輿。失礼ながらその程度のイメージでした。

並び立ったオール・レベリオン。こうして見るとコスチュームに統一感があっていいですね。

しかしながら、実際にカイ・フジムラを加えたユニットとしてのオール・レベリオンをこうして見てみると、最初に抱いた印象と違って意外としっくりきてるというか……。これにはやはり「コスチュームの統一感」の効果が大きいのではないかと思います。赤と銀のコスチュームに金髪。これも当初は没個性的だなと思っていたのですが、むしろここまで統一させていると逆に「制服」としての印象が強くなるせいか、逆にこれはこれでアリだなとあっさり宗旨替えしてしまいました。

なんというか、実際見てみるとこの「制服」感によって戦隊ヒーローというか特撮感が強くなったせいでしょうかね。赤と銀を基調としたカラーリングのベビー感の強さってつまりはウルトラマンのそれですし、そう思うとこのオール・レベリオンも科特隊というかウルトラ警備隊みたいな感じというか、ようは統一されたコスチュームが怪物等の異常事態に抵抗する地球防衛軍のように素直に受け取れたからでしょう。

当初は微妙に思えた拳王のNo.2ポジションも、戦隊モノとしてみると清宮が赤なら兄貴分しての青であり、清宮の拳王との関係性も、元々歳の離れた兄貴としての役回りはむしろ今のほうがしっくりきている気もします。

こう思えるようになったのも、恐らくはOZAWAが戴冠して玉座を明け渡したことにより、本来のユニットコンセプトであったレベリオン=反逆としての抵抗勢力の意味合いがより強まったというのもあるのですが、対角線にようやく戦うべき巨悪が現れたというのも大きいですね。そして裏で糸を引くヨシタツが悪の科学者っぽい立ち位置といでたちというのも、オール・レベリオンの「特撮感」が際立っているのではないかと思います。あとオール・レベリオンに足りないのは司令官=マネージャーと巨大ロボットじゃないですかね(笑)

あとはやはり掌返しした理由としては今回の試合内容でしょうかね。僕も単純な性格のせいかしっかり「声を出す」ことを存外高く評価しちゃうというか、とにかく叫び、躍動するオール・レベリオンの熱量に圧倒されっぱなしでした。試合はゾザヤの脅威の空中戦に冷静に対処する清宮、拳王のハードな蹴りという見所もあり、とにかく盛り上がりましたね。

清宮のシャイニング弾から拳王のP.F.Sという
ユニット連携によるフィニッシャー!

その熱に呼応する形で谷口も奮戦しましたが、最後は清宮のシャイニング・ウィザードからの拳王のP.F.Sという黄金パターンでの勝利。二人の代名詞技の連携というのもシンプルでありながら爽快感がありますね。見終わった今はすっかりオール・レベリオンのファンになっていましたよ。自分の価値観や思考が一瞬で塗り変えられてしまうこと。これこそがプロレスの魅力の一つだなとも思います。

試合後は拳王がマイク。KENTA戦への意気込みを語ると同時に、清宮もマイクを握ったのですが「KENTAさんKENTAさんって五月蝿い!海斗さんはどうしたんですか!」とジェラシー。これには笑いました。てか、やっぱり清宮はマイク下手じゃないんですよ。そして指名に応える形で拳王&KENTA組との対戦受諾。同じユニットでも互いの競争心は消えてないからこそ、こうして不自然でない形で戦えるのもこうしたベビーユニットならではの魅力かもしれませんね。

拳王と清宮の握手

◼️8人タッグマッチ
HAYATA&YO-HEY&Eita小田嶋大樹 vs 小峠篤司&大原はじめ&AMAKUSA&宮脇純太

貴重な同郷の選手。宮脇純太

宮脇純太、イチオシです。同じ故郷のよしみというのもあるのですが、僕は才能があると思いますよ。あとHAYATAとYO-HEYの金髪夫婦の人気はやばいですね。この試合、8人タッグとしての練度が素晴らしく、前のめりで見入ってしまったせいか試合の写真があまりありません。それだけレベルが高かったことの証左です。

特に目を引いたのは小田嶋の奮戦と頑張りであり、あれは素晴らしいものですよ。最後はAMAKUSAの開国でやられましたが、生で見てるとひょっとすると!ひょっとして!って思わされました。若手として100点満点だと思います。

◼️タッグマッチ
OZAWA&遠藤哲哉 vs ガレノ&アレハンドロ

今大会に足を運んだ最大の理由の一つである「OZAWAアフター」だったわけですが、流石に入場時は空気がピリッと変わったのを肌感覚で感じましたね。ベルトを巻いているというのもあってか、否応無しに団体の中心として見ざるを得ない求心力。ヒールに対する遠慮がちな歓声と、その鬱憤を全てぶつけるかのようなヨシ・タツへの大ブーイングに笑いました。語弊を恐れずに言えばヨシ・タツって常に「舐められている」感じがあり、それを逆手にとっての介入やアジテーションは実に業腹だなと思います。「残念だったな俺だよ」といい、ファンの耳に残るフレーズをポンと作り出すのもセンスがありますし、スポークスマンとしてあまりにも優秀すぎますね。

OZAWAの色気がヤバすぎる!

立場から人を変える……というのは確実にあるなと思いますが、何よりも自分のやったことがピタリとハマったときの爽快感に身を委ねてる感じが今のOZAWAにはあり、清宮に放ったワンステップ式のフェニックススプラッシュと、薄氷を踏むような暴露キャラから真価を問われた王座戦で一気にマクった際に露わになったポテンシャルの高さ。それらも今の成功の要因として確実にあるのですが、今日彼に感じたのは溢れ出るほどの「自信」でした。

かつてNOAHにあったであろう「品格」に最大限ケンカを売ると同時に、レスリングの強さを全面に押し出さない派手な空中殺法と過度なアジテーション。長らく存在しなかった生え抜きの大ヒールというスペシャリティ。それでいながら伝説のハヤブサの再来とまで言われるオールドファン垂涎の物語性も彼にはある。いやあ……凄いですね。本当に。こうして並べると突然変異というより来るべきして来た救世主のような趣きもありますね。

ミサイルキック一つ取っても
この美しいフォームと跳躍力!

今までのNOAHの最大の弱点の一つってヒール不在も囁かれていましたが、本当の所は「第一線の入れ替わりの激しさ」にあると思ってて、たとえば一年前の今大会を見てみるとその顔ぶれの様変わりに驚かれると思います。個人的な観測範囲の話にはなりますが、僕の周りの人にNOAHを薦めたときに、興味を持った選手が次見たときにいなくなってて、次の視聴のモチベが繋がらない……みたいな不満を結構耳にすることが多く、近年だとたとえば引退を控えていた武藤は仕方ないとしても、ニンジャとかジェイクとか、外に届き、話を回す上でのトレンドが常に外様頼りかつ参戦が期間限定だったのはかなりのネックだったんですよ。そうした短スパンかつサイクルの速さはマンネリ感がないという意味では良かったわけですが「外」に向けての話題性を考えたとき、トップ戦線に絡んでいて定着してるのは、ベテランを除けば安心して見れるのは清宮と拳王ぐらいのもので、わりと入れ替わりが激しかったんですよね。

そうした中でNOAHという団体が自前でトレンディかつ今最もアツい、話題性抜群の最先端のヒールを生み出せたという事実は非常に大きく、OZAWAショックの1番のポイントはここなんだなと思います。これから先、最低でも2〜3年はOZAWAという大ヒールの活躍と成長を堪能できる。あと一歩。本当にもうあと一歩。プロレス村の外へとOZAWAの名前が広がれば、よりデカい怪物的な存在へと化けてしまうかもしれません。このキャラクターは好き嫌いが分かれるとは思いますが、そのスペックと実力は誰も疑う余地がなく、OZAWA現象の「解析」を語ることこそプヲタの喜びかもしれませんね。

さて、肝心の試合内容なわけですが、遠藤哲哉と組んだ時にやはり気になるのはOZAWAと並んでの「格」の高さであり、それを思うと敵としては強大ですね。エンテツのNOAHへの恨みは実に虚実皮膜であり、勝彦は今はもういないにせよ、プロレスに「絶対」はない以上、復讐劇として勝彦参戦の線を残しているというのも面白いですね。それでいてTEAM2000Xの実力者ポジというおいしい立ち位置にハマっているのも大きいです。

この試合で目を引いたのはサマーソルトのようにコーナーを蹴り飛ばして反動で跳んだワンステップのムーンサルトですね。見慣れた技でもちょっとしたアレンジで違う技に見える好例で、たとえばブレイクダンスも往年のファンにはスピンルーニーを彷彿とさせますが、あれとはまた違った印象で映るのがいいですね。それぐらいキャラが濃いんですよ。

OZAWAのビッグベンエッジ

最後はOZAWAがアレハンドロをビッグベンエッジ葬。キン肉マンⅡ世を読んでた身としてはテンションの上がる大技であると同時に、これって鈴木鼓太郎が2002年のクリスマス興行でケビンマスクに扮しての一発と、2020年の覇王戦で解禁した一撃でもあり、なんだかんだでNOAHにルーツのある技でもあるのですよ。それでいて技としても原作では超人オリンピック決勝で万太郎の優勝を阻んだ大番狂わせの一発であり、使用者であるケビンマスクというキャラ自体が主人公を差し置いて人気投票ランキングで脅威の1位4連覇を果たしており、それを踏まえてもヒールが主人公として支配する主役簒奪の今のNOAHの現状に最も相応しい技であるとも言えるのです。

ガレノのマスクを剥いでのOZAWAの勝ち名乗り

試合後はガレノのマスクを剥いで被るという暴挙。ちょっと驚いたのはOZAWAが勝った瞬間に客席が若干静まりかえっていたことで、清宮戦こそ声援の逆転現象が起きたものの、行われていたのはやはり悪逆非道であり、しっかりと「後味が悪かった」ことに安堵してしまいました。この空気感……これこそヒールですよ。いやはや、素晴らしい。ガレノ戦、楽しみですね。





たまにはビッグマッチ以外の観戦記録を書くのも楽しみものですね。プロレスブログを長年読んできた人には分かると思いますが、こうした地方興行の観戦記録こそ当時の空気感を知る上では最適であり、これも十数年後に資料的価値が出たら嬉しいなとも。まあそれは大袈裟ですが、今回は個人的にもかなり肩の力を抜いた感じで書けたのでとても楽しかったです。ではでは、今日はここまで。

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