映画糸の漣君の一途な愛を演じる菅田君
漣君は人にも物にも一途で、素朴で周りの人達を大事にしながら、自分の仕事にも熱心に取り組み、前向きで諦めずに常に前進している人。菅田君にも通じるところではありますが、映画を観ているうちに、漣君と菅田君の区別がつかなくなるくらい融合して感じました。その人物を研究して成りきる、とかいうより、その人物を肌で感じて溶け込んでしまう、っていうのかな、難しいけど、そんな感覚なのかもしれません。
私の感性が低いのでしょうけど、映画は数回観ないと、私の中にスッキリと入ってこないので、「糸」も何回も観ました。回を追うごとに様々な表現が見えて来ました。ちょっとした場面でも、仕草から発する言葉まで、全て漣でした。ずっと漣の人生を見つめている、私も一緒に漣の人生を生きているような感覚になっていました。
印象的な場面は、空港で葵を目で追い「さよなら、葵ちゃん」と言った時の眼差しに、深い愛情と優しさを感じ、切なかったです。
不確かですが、この映画は舞台「カリギュラ 」を終えてすぐの収録だったと思います。
カリギュラと漣という真逆の様なキャラを演じながらも、どちらにもある心の寂しさが表現されていて、菅田君の奥深さに驚愕しました。
最後に思うのは、考えの幅が狭い私が、菅田君の演技を観ていると、世界が360度広がる感覚になり、生きることも仕事をする事も楽しくなってくるんです。菅田君が生きていてくれている、存在していてくれている、それだけでとても感謝しています。