[長崎県 高校アントレプレナーシップゼミ] 壱岐の海洋ゴミを使い、ビジネスプランにする高校生3人


壱岐の海洋ゴミ問題でビジネスプランを考案した3人の高校生。学校も学年が違い、多種多様な考え方を持った3人から、アントレプレナーシップゼミに参加した率直な感想や考え、今後どの様な学生生活を送り、将来は何がしたいのかに迫ります。

江口航輝:まずは自己紹介をお願いします。
永田さん(諫早高校):
諫早高校の2年生の永田彩音です。出身は雲仙市です。部活は小学校からバレーボールをしていて、1回吹奏楽部に入って、コンクールに出て、またバレーに戻りました。趣味はピアノを弾くことで、音楽を聞いたりして、心を落ち着かせることがすごい好きで、好きな食べ物はあんことか和菓子が好きです。

山﨑さん(松浦高校):僕の名前は山﨑康樹です。出身は松浦市です。趣味は漫画とかアニメで、最近は呪術廻戦の漫画を見始めた感じですね。食べ物はお寿司と、あとはあまい系のスイーツとか、チョコレートとかが大好きです。

井手さん(壱岐高校):井手晶雅です。出身は壱岐市で壱岐高校に通っています。部活は吹奏楽部に入っていて、トランペットを吹いています。趣味は最近だとクラシック音楽を聞いていたりとか、漫画の影響で新しい楽器を始めて、今ここにベースがあって、最近始めたばっかで全然できないんですけど、最近ちょっと暇な時に引いてたりしますね。好きな食べ物はお茶漬けです。

江口航輝 :まずこのチームがどんな課題に取り組んでどんなチームを組んだかを教えていただけますか?

井手さん(壱岐高校):僕たちのチームは、長崎県は海洋ゴミが多いという地域課題があって、その海洋ゴミを何とかして減らせないかというところから始まって、アントレプレナーシップゼミで7月に最初集まったときに、何か長崎県の海洋ゴミの問題について何かしたいって言ったら、この2人がついてきてくれて、それで結成したっていう感じですね。

江口航輝 :井手さん以外への質問になるのですが、壱岐のことだったのに島外の2人っていうのは第三者としてどんな問題を感じていたのかが気になったのですが教えてもらえますか?

永田さん(諫早高校):私の親の地元が対馬で、夏休みとかに行ったりしてたんですけど、短期間しか行かないのに、海に行ったらゴミがいっぱい落ちてたりとか、災害とか台風とかが来たら更に流れ着いてるっていうのが、見に行っただけでもあったので、普通に日常生活を送ってる人とかだったらもっと感じてるんじゃないかなって、思って何かできないかなって思って参加しました。

江口航輝 :山崎さんはどうですか。

山﨑さん(松浦高校):海流的に僕の住んでいる松浦市も海洋ゴミが結構あったりするので、僕の地域にも関わることなので参加させてもらいました。

山﨑さん(松浦高校):楽しかったことは、集合研修のときに起業家の方のお話を聞かせてもらったことですね。個人的に1番勉強になりました。苦労したことはビジネスプランを作るときのお金の部分とかをどうすればいいんだろうなみたいなところですね。

江口航輝 :永田さんにもお願いしてもいいですか?

永田さん(諫早高校):楽しかったことは、企業家の方のお話を聞いたりとか、個人的にはここに参加した理由が、他の高校生と何か交流する場に参加したいっていうのがあったので、他の高校生がどういうビジネスプランを考えてるのかとか、どういう目線で長崎を見てるのかっていうのが知れてすごい楽しかったです。苦労したことが、B2チームは全員住んでる地域が全然違ったから、集合研修以外で集まることをしづらかったので、コミュニケーションとか、話し合うのも全部オンラインだったので、最初は苦労しましたね。
でも、段々ビジネスプランを考えていくにつれて、意見を言い合いながらコミュニケーションを取れていけたので良かったなと思ってます。

江口航輝 :皆さんが実際にプランをするとなった時に、高校生3人じゃできることって限られてくるじゃないですか。その時に、大人にどんなことをして欲しかったなとかって永田さんはありましたか?

永田さん(諫早高校):プランを売り込みに行かないといけないじゃないですか?旅行会社の人に売り込みに行かないといけないってなった時に、高校生だけで売り込みに行くのって、なんとなく怖いというか、そういう気持ちがあるので、その時は大人の人も一緒にって思いましたよね。

江口航輝:山崎さんは何かありますか?

山﨑さん(松浦高校):僕もこのプランを旅行代理店とかの人に売り込む方向で計画していたんで、やっぱり何かプレゼンって言うか、売り込みに行くとかは高校生だけじゃ心細いから大人の力が必要だなと思いました。

江口航輝:井手さん、どうですか?

井手さん(壱岐高校):さっき2人も言った通り、実際、自分たちが企画する段階だと、高校生でもできると思うんですけど、いざ実行するってなると売り込みに行くときだったりとか、地元の漁協の人たちみたいな人に何かお願いしに行くってなると高校生だけだとちょっと心許ないっていうか、何か一緒に頼みに行ってくれる大人がいてくれたらいいなとは思ってましたね。

江口航輝 :山﨑さんは参加するにあたって不安とかはなかったですか?

山﨑さん(松浦高校):参加しようって思ったときは、社長の話とかが聞けるよって言われて、なんかちょっと面白そうだなって思って行ったんですけど、1年生が1人だけみたいな感じで、あんまり年上の人と関わったことがなかったので、うまくやっていけるのかなみたいな不安はすごくありましたね。

江口航輝 :他の学年だったり全然違う地域の人と絡んでいくっていうのはいろいろ成長できる点はありますよね。
永田さん、参加するにあたって成長したなっていう思う点を教えてもらいたいと思いますか?


永田さん(諫早高校): これまで、いいアイディア思いついても、これ駄目かもって思うものが結構多くて、否定されることをまず前提として考えてしまって。その意見そのものは駄目ではなくて、ちょっと違うけどその答えの一部のことだったら、ここの部分は何かいいよねみたいな、ここから話が広がったりもしたので、何か自分の意見を外に伝える何か障害みたいな、気持ち的な部分で何かあんまり奥さず言えるようになったのかなと思います。あと、自分は面倒くさがりで、参加しても何かやり出しても途中でやめちゃうことも多々あって。でも、これは他の人と一緒にやってるので、気持ち的にはやらなきゃみたいな感じもあったりして、やらなきゃっていう思いでやってたけど、なんか段々自分で進んでやりたいみたいになってたので、全体的には気持ちの面で考え方が若干プラス思考になったのかなって。

江口航輝 :そうですよね、学生って本当忙しいし、何かやるにしても忙しくなっちゃって、考えが薄れていったりして、せっかくのアイディアが台無しになっちゃうこともあるんで、その点こういったところに顔を出すと、同じ意志を持った仲間がいるから自分も頑張らなきゃと思いますよね。

井手さん(壱岐高校):自分としては、オンラインで会議するときに、最初は話す内容がそんなにわからないので、誰も喋らない時が結構あったんですよ。なんで自分はその瞬間をできるだけ作らないようにしましたね。自分も喋るのが苦手なところもあったんですけど、できるだけ話し合いの時間を有効に使おうっていう工夫はしてましたね。

江口航輝:次は山崎さんに聞きたいと思います。

山﨑さん(松浦高校):僕が大切にしていたことっていうのはやっぱり、2人が結構アイディアとかもたくさん出してくれて、すごかったんですよ。それで、足を引っ張らないように自分ができることはしていこうとしていましたね。
パワーポイントを作ったり、できることをちゃんとして少しでも貢献しようっていうのを大切にしながら活動に参加していました。

江口航輝:続いて、永田さんにお願いしたいと思います。
 
永田さん(諫早高校):部活の関係で、なかなか序盤の会議に参加できないこととかがあって、その間にプランが若干進んでて、知らないところが出てくるから、まず2人の話しているのを聞きながら、そこを理解して、何か決まっていく中でちょっと足りなさそうなところとか、プランの中でワークショップの内容とかがあったりして、アイディアが足りなさそうだなって思ったところを重点的に考えて、まとめてから伝えるとか、第三者の目線で関わることもしていました。

江口航輝:それぞれの役割とかはあったんですか。

井手さん(壱岐高校):リーダーとか、特に何か決めてなくて、みんなが平等にやろうみたいな感じだったんですよね。


井手さん(壱岐高校):まずスタディツーリズムに行くところの前の話になるんですけど、僕たちの班って、やろうっていうことが結構二転三転したりして、最初の方だと、拾った海洋ゴミを使って、何かそれをリサイクルして製品を開発して売ろうみたいな感じで考えてたんですけど、それを開発するっていうのはちょっと難しくて、拾ったゴミを素材として会社に売ろうみたいな感じに、ここで1回変わって、その後、いろんな企業家の方たちからのアドバイスもあって変えたんですけど、開発するんじゃなくて、素材として、企業に売ろうというふうにまた変わって、ゴミ拾いをビジネスに変えることができる、SDGsのスタディツーリズムを検討してみはどうかっていうことで、スタディーツーリズムにしようという風になったって感じですね。

江口航輝 :一番重視しているポイントはあるんですか?

井手さん(壱岐高校):やっぱり海岸を綺麗にするってとこですかね。

永田さん(諫早高校):学びを通してSDGsに取り組んでもらうっていうのがすごく面白くて、私は好きだなと思いながらやってました。

江口航輝:山崎さんはこのプランに納得していますか?

山﨑さん(松浦高校):はい、納得してますね。最初は物を作るビジネスでやっていこうとしてたんですけど、それで何を作るかっていうのが具体的に決まっていなかったし、どう集めるのかとか誰が集めるのかとか、決まってなくて、なかなかアイディアが行き詰まってた感じだったんですけど、studyツーリズムにしたら、考えやすくて、結構実現しやすそうなところまで進んだ形になったので、結構楽しくなっていって、納得してます。

井手さん(壱岐高校):僕たち3人、住んでる場所が全然違うんですけど、実際に会うってことがなかなかなかったんで、その集合研修のときに実際会って、いろいろ話をしたりすることができたのが、何より嬉しかったですね。

江口航輝:続いて山崎さん、お願いします。

山﨑さん(松浦高校):僕が嬉しかったことは、最終発表の前日から集まってたんですけど、その時にすごい仲良くなれたなと思って。すぐに井手さんをいじるぐらいにはなれたのでよかったなって思います。

江口航輝:最後に永田さんお願いします。

永田さん(諫早高校):私もこの3人で、最後らへんで打ち解けられてすごく楽しく最後までやることができたのがすごい嬉しかったのと、あと、終わった後にいろんな人にYouTubeとかで見てくださった人たちから、見たよとか、感想とかを結構もらえて見てもらえてたんだなと思って嬉しくなりました。

江口航輝: このプロジェクトを取り組む中で、やっぱ3人いるわけですから、一人一人こだわった点とかってあるんですか?永田さんからまたお願いします。

永田さん(諫早高校):こだわった点とか、プランの内容のワークショップの部分はすごい気にしてて、自分が諫早高校の方でグローバル講演会っていうワークショップとか講演会を高校生でつくるものがあるんですよね。ゲストに依頼文を送ったりとか、いろんなことをして高校生が作る講演会っていうのがあって、その企画チームに参加してるんですけど、そういうのでワークショップとかの知識が少しあったりして、高校生とか中学生がどうやったら楽しみながら海洋ゴミについて考えられるかっていうのをメインに考えてました。

江口航輝:次は山崎さんにお願いしたいと思います。
 
山﨑さん(松浦高校):僕はお金のことや、社長とかの話が聞けるって思ってたから、社長って言ったらやっぱお金持ちっていうイメージがあって、学校でお金のこととかあまり習わなかったり、お金のことって人に教えたりっていうのはなかなかないじゃないですか。せっかく何かいい機会だから、お金のことに関することは学べたらいいなと思って、積極的に関わろうと思いました。

江口航輝:続いて井手さん、お願いしてもいいですか?

井手さん(壱岐高校):自分はプランの実現性の高さにこだわってやりましたね。スタディツーリズムのプランに変わってからなんですけど。スタディツーリズムでSDGsの未来都市の学校から壱岐に来るっていうのが1年2年じゃなくて、その5年10年と続いていくような、そういう中でビジョンが見えるというのも思ってて。


江口航輝:井手さんは自分の地元のことじゃないですか?2人は壱岐出身ではないわけですし、地元のことを、2人が考えてくれるっていうことはやっぱり嬉しかったんですか?

井手さん(壱岐高校):自分の地元に関するプランで一緒にやってくれたのは、本当に心強かったですね。


永田さん(諫早高校):参加する前は、将来は官僚とかになるって思ってたんですけど、参加してみて、今回の様なことを学べる場とか、体験ができる場があれば、もっといいなって思いましたね。そういう場を提供する仕事とかに興味が出てきたので、調べてもう1回進路を見つめ直そうかなって思いました。

江口航輝:続いて、山崎さんお願いします。

山﨑さん(松浦高校):松浦高校ではマツナビっていう活動がもう少ししたら本格的に始まるんですけど、そのマツナビというのは地域の課題を解決する活動をやっていくもので、アントレでの活動とかも参考にしながら、学校の取り組みにも生かして頑張っていけたらいいなって思っています。

江口航輝:こういった活動って、地域の人の協力も必要だと思うんですけど、地域の人と協力してやっていきたいなという思いは強いんですか?

山﨑さん(松浦高校):やっぱり、地域の方に協力してもらった方がその地域の魅力とかを伝えたりもできるのかなって思っているので、いろんなところに協力してもらいながら頑張っていこうと思っています。

江口航輝:最後に井手さん、お願いします。

井手さん(壱岐高校):自分は今、大学進学を目指していて、大学を卒業した後は、今のところは国家公務員になろうかなとは考えているんですけど、現段階から高校を卒業するまでに、これだって思えるような何か面白そうなこととがあったら何かしたいという気持ちがあります。例えば、今回みたいな感じで、学校の掲示板でチラシを見たのがきっかけだったんですけど、こういうのに挑戦していきたいです。最初は起業とか、全然1ミリも考えたことがなかったんですけど、少し考えるようになりましたね。長崎の地域課題について、普通じゃあんまり考えられないような、新しいものの見方で、解決していこうという考えで、それがすごい面白そうだなって思って。大学に行ってからも自分の好きなことや、なにか楽しいこと、思ったことを何かやり遂げられる、そんな大学生になりたいなと思っています。

江口航輝:3人とも、貴重なお話をありがとうございました。