誰もがデータを扱える、新しいツールを。それを可能にする2つのテクノロジー
私たちは「データを日常の道具にする」というビジョンを達成するために、新しいデータマネジメントツールMorphを開発しています。
Morphは「All-in-one Data Studio」というコンセプトのプロダクトで、エンジニアだけでなくマーケティング、営業、カスタマーサポート、バックオフィス、経営者を含む全ての人がデータを簡単に、そして強力に活用することをサポートします。
私たちが向き合う課題 — データはもっと簡単であるべき
私たちは、2016年に会社を創業してから7年間、様々な企業様向けに業務用ソフトウェアやエンドユーザー向けソフトウェアなどの構築を行ってきました。その中には機械学習やブロックチェーンのプロジェクトなど複雑なデータの扱いをするプロジェクトも多く含まれていました。
その中で、データを扱う全てのビジネスパーソンが直面している大きな課題に気づき、それを解決しようとしています。
1. エンジニアが必須であること
ひとつめは、管理上の理由などでデータは非常に扱いが難しいため、知識のあるエンジニアに抽出や専用システムの構築を依頼するしかない状況に置かれているということです。
読者の方々の中にも「〇〇のデータを活用したいのでCSVで出力してもらえませんか?」と言う依頼をしたり、または依頼をされたことがある方も多くいらっしゃるかと思います。
さらにこの課題は、ビジネスにおいて活用可能なデータの量が増えるに従って悪化をしていきます。
2. データベース技術が進化する一方、データベースクライアントは全く進化していない
一方で、データを活用するためのデータベース技術の開発は世界中で進められてきており、たくさんの技術革新が生まれています。
ExcelやGoogleスプレッドシートでは処理できないような大きなデータや複雑な集計もデータベースを使えば簡単に処理できます。ただし、そのような技術を使うためには高度な技術や知識が要求されるため、データベースの活用は現在エンジニアにしかできない状況です。
つまり、データベース技術は凄まじい勢いで進化しているのに、クライアントツールは全然進化していないのです。データベースの新規作成、既存データベースへの接続、データの抽出 / 保存、API作成や可視化などの処理を一箇所でできるクライアントツールは存在していません。
3. データベースの導入コストが大きすぎる
さらには、社内でそれなりの大きさのデータを管理しようとするとデータベースが必要になります。データベースは利用コストが大きい一方で、選定や構築には高度な知識が必要になります。そのため、多くの場合は利用部署のみでは完結がされず、社内外のエンジニアに相談をしてデータベースの選定・構築を依頼することになります。
前述のようにエンジニア向け以外のクライアントツールが存在していないため、データベースを利用するためのインターフェースも開発をする必要が出てきます。これは、ベンダーロックインにも繋がります。
このように、データベースを導入するコストが大きいことによりデータベース活用のハードルが一層上がってしまっているのです。
なぜ、今なら解決可能なのか — 2つのテクノロジー
1. Serverless RDB (サーバーレス・リレーショナルデータベース)
近年データベース技術はスケーラビリティだけではなく、そのホスティング方法にもイノベーションが起こっています。我々は、NeonというオープンソースのServerless Postgresのシステムを活用して、Morphを開発しています。
Neonでは、通常高額なデータベースインスタンスを利用時のみスタンバイ状態にして、利用しない時は停止状態にするという処理を自動で行うことによって利用者のデータベース利用コストを大きく削減しています。また、利用時に立ち上げる際のスペックなどを動的に調整することもできるため、ユーザーは本当に必要な分だけのリソースを使ってデータベースを活用することができます。
さらに、データベースを立ち上げる際の作業を全て自動化してくれるという特徴を持ち合わせています。そのため、通常AWS, Azure, GCPのようなクラウドプラットフォームにログインをして多くの設定をした後にようやく構築できるデータベースを、ワンクリックで手に入れることが可能になります。
先日発表されたVercel PostgresにもNeonの技術が採用されており、この分野におけるNeonの技術の信頼性を見ることもできます。
2. 自然言語インターフェース (LLM・ChatGPT)
ChatGPTをはじめとするLLMも新しいデータツールを可能にするためのピースとして重要な役割を担っています。
これまで、データベースを操作をするためにはSQLやPythonなどのプログラミング言語を習得しなければなりませんでした。これらの知識は、普段プログラミング言語を利用しない人にとってデータベースを扱う上で非常に大きなハードルでした。
私たちは、ChatGPTがその解決になるのではないかと考え、実験を繰り返していく中で、ChatGPTがプログラミング言語を出力することに非常に長けているという事実を発見しました。
私たちは、ChatGPTをMorphに統合しました。
現時点のバージョンでも、自然言語での指示によって
データ抽出 (SQLの自動生成, 実行)
可視化や複雑なデータ分析 (Pythonの自動生成, 実行)
非構造データをDB内のテーブル構造に合わせて構造化
などの、従来では高い技術力が必要だった処理を高い精度で実行させられるようにしました。
さらに、ChatGPTだけでなく、StarCoderなどのコードに特化したLLMも登場しており、この分野は引き続き発展をしていくことが期待されます。
我々としても、マルチモーダル対応や専用LLMの開発などを通してよりデータベースを使用するために必要な知識を0に近づけていくことを目指しています。
Morphはどんなツール?
Morphは、データ管理のためのノーコードツールです。
プログラミングの知識なしで、次のようなことが可能です。
新規のデータベースの作成
既存のデータベースの取り込み (MySQL, PostgresSQL)
CSV・エクセルファイル等のインポート
レコードの表示・管理・共同編集
データベースを操作するAPIの作成 (詳細はAPI Documentをご覧ください)
データの集計・分析・可視化
お願い
Morphはデータ業務のためのツールですが、データの加工や集計は業務によって用途が大きく異なり、期待されるものが多岐にわたります。
しかし、社内のドッグフーディングや、テック企業・製造業・コールセンター・医療など多岐にわたる業種における先行ユーザーの方々にご利用頂く中でそれらの処理は本質的に非常に似ていることもわかってきました。
あらゆるデータ業務を一つのシンプルなインターフェース上で完結させる、というビジョンを達成するには、さまざまな業界・バックグラウンドを持つ方々からのフィードバックやご意見を必要としています。
以下のリンクから、ぜひ私たちの旅路にご参加いただけないでしょうか。
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