個人情報の対価とベーシックインカム
ベーシックインカムについて思うところがあり、noteにまとめてみます。
個人情報を対価として「販売」することで、販売した個人が利益を得るという形での疑似ベーシックインカムならありうるのではないか、と思っています。
ベーシックインカムについて
ベーシックインカムとは、既存のややこしい社会保障の仕組みを一旦まっさらにして全国民に一律数万円/月のお金を配布するという社会保障の考え方であり、昨今様々な国・地域で実験が行われています。
なぜ、このような考え方が着目されているかに関する私の解釈は、「もはや『普通の人』の『普通の努力』による労働では、価値を生み出せなくなってきている」からだと考えています。
つまり、インターネットの普及などによって、一部の極めて専門性の高い人が極めて高い価値を生み出す一方で、一般労働者が生み出せる価値が相対的に低下し、
式① 一般労働者が生み出せる価値<労働者の賃金
となる領域が拡大している、または拡大する懸念があるということが背景にあるように思います。
式①が成り立ってしまうと、その人は企業に採用されないため、何かしらの訓練が必要ですが、訓練を受けてもなお①が成り立ち続ける人が一定割合いる場合(※1)、その人達は労働以外の手段で生活する必要があります。自給自足でない場合、犯罪により生きるしかなくなり社会不安が増大する恐れがあります。
※1 ある人について、[単位時間あたりの生み出せる価値の訓練による増大量]<[訓練によって得た技能価値の時間経過による低下量(陳腐化)] となると、その人は何をやっても労働により価値をもたらすことができなくなります。
個人情報を自ら制御し販売する可能性
レシートを1枚10円、月300枚まで買い取るとうたったサービスが最近話題になりました。結局の所ユーザーが殺到して内容は変更されたようですが、お金のためなら個人情報を提供することを厭わない人がかなりの数いることを示唆しています。
現在、個人の購買データは、主に企業が保有しています(Amazon、楽天、クレジットカード会社、ポイントカード提供会社など)。しかし、本来これらは個人が自分で制御できてしかるべきものであろうと思います。
仮に、個人の購買データの全てを容易に(願わくは意識にも上らないレベルで)加工、記録し外販するツールがあれば、売る人はたくさんいると思われます。
そして、そのような個人全購買データは、社会保障の最適化にも役立つ情報となると思われます。
つまり、個人情報を自ら提供することで、
その個人は、一定の収入を得、
企業は、サービスを最適化し、
行政は、社会保障を改善する
ことができるようになるように思われます。
現在は、個人情報は、
個人 → 企業 (個人に対価なし)
ですが、これを一部の個人については、
個人 → 国(行政) → 企業
とし、対価は逆向きとすることの選択肢を考えても良いのではないかと思っています。
まとめ
・個人情報を売って社会をスマート化する選択肢も議論の余地ありでは
・ベーシックインカムは情報を対価とした疑似的なものなら実現できるのでは
・どうやって個人情報を簡単にまとめるのかが鍵