壊れるのを待つだけ
今見た夢は、
ロボットが壊れている。
人型の、人型にしてはやや小さなロボットが、イオンモールのトイレ前の壁に向かってただ歩いている。
機械音を立てながら無感情に壁に向かって歩き、ロボットの足からはウィーンやグーンなど情けない音が鳴っている。
「トイレに入りたいの?」喋る、考える機能のないロボットに声をかけてみる。
当然、返事はないし触れてみると機会特有の無理に動かしつづけた熱さがあり少し不安になる。
イオンのインフォメーションセンターにそのロボットと手を繋いで行ってみた。
私はもしかしたら良い事をしたと少し自惚れていたのかもしれない。
「あのねぇ!困るんですよ!」インフォメーションセンターの中から老人が出て来て私を叱責する。
「たまにいるんだ!あんたみたいな人!このロボットはもう治せないし壊せもしない!」
私はやっと何とか状況がわかった。老人は生き次ぐ暇もなく唾を飛ばして話す。
「壊すにはお金がかかる。治すにも、もちろん。しかも旧型過ぎて治したとしてもバッテリーが高すぎる、1日一万円だ!」
老人は私を真っ直ぐとした目で見る。「で!?君は助けたんだからこの子の責任を取るんだよね?」
っていう夢。