2021.11.24 中書島にて~駅舎めぐりと名水めぐり~
ぶらり途中下車の旅、今月は京都府京都市伏見区の中書島(ちゅうしょじま)駅。京都市内の駅は初めてかな。
この辺りは京阪本線・近鉄・JR奈良線の3つの路線が集まっている。駅舎めぐりでもしようかなと思った。
地下鉄の駅だったら徒労になるかもしれないけど。乗車した出町柳駅は地下鉄の駅だった。ただ途中から地上の路線に出た。
出町柳のホームに行くと、同じ方面に向かう電車が2つあった。片方は特急、もう片方は準急。
アプリの経路案内では特急に乗るって出たけど、特急って追加料金とかかかるんじゃなかったっけ?とか、予約して席を取らないといけないんじゃないの?とか迷った。
特急はサンダーバード ※1 みたいに、速い代わりに運賃が高いイメージ。俺が乗った号車なんて2階建てだったんだよ。
やっぱ違うよなぁ、乗っちゃいけんよなぁと思って、準急の電車に乗り換えた。特急ほどじゃないけど準急も速いだろと思ってたら、中書島までは各駅停車だった。遅いのなんの。
中書島駅の北口を出たら、渋い飲み屋街が広がってた。スナックにバー、年期の入った銭湯もあった。
これは駅舎めぐりなんてふざけたことしてる場合じゃねぇぞと思った。変わったことしてないで中書島をストレートに味わえよと。いい感じの川も流れてるし、酒造も立ち並んでる。そういう街なんだよ。
そんなことを考えながら次の駅に向かった。結局駅舎めぐりを続けた。
伏見桃山駅。ここはホームを1枚パシャリ。
桃山御陵前駅。高架下の駅だけどなかなかに渋さがある。
コンクリートの風化とか、色あせた緑色とか。たまたま撮った画角が、直線が沢山入り混じる写真になった。
桃山御陵前駅の近くには大きなアーケード街があった。そこを通った時、ある記憶がフラッシュバックした。ここ、来たことある場所だ。
落研に入ってた頃「京都市の落研の集い」みたいな会のチラシ配りをさせられた場所だ。市内のいろんな大学の落研が集まって寄席を開く、それにうちの先輩も出るってことで、チラシ配りをしたんだ。
懐かしい、心が折れながら ※2 チラシを配ってた。落研で唯一嫌だった活動がチラシ配りだった。結局手元のチラシを全部捌くことはできなかった。
よくよく考えればチラシ配りのために電車に乗って遠出するっておかしくない? 大学構内でやればよくない? 伏見区ってかなり遠いんだよ。
桃山御陵前駅には「伏見名水めぐり」という地図があった。ますます駅舎めぐりなんかしてる暇ないぞ。名水めぐり、いいじゃない。
次の駅は近鉄丹波橋駅。結局まだまだ駅舎めぐりをする。
素朴な出で立ちだな。クリーム色の外壁が、どこか家っぽさを感じさせる。
そして京阪丹波橋駅。駅舎というよりかは通路。「舎」を楽しみにしてただけに少し残念。
そこからそこそこ離れた桃山駅へ。これこそ家っぽさが強い。クリーム色もそうだし、三角の屋根も。
駐輪場がいい。コンクリに白線を引いただけの、無料の駐輪場。都市の駅の駐輪場はお金を取ってばかりだ、田舎生まれとしてはカルチャーショックだった。だから桃山駅には懐かしさを感じる。もうエモいくらい。
ぐるーっと回って観月橋駅へ。月を観る橋と書いて「観月橋」、エモい名前の駅だな。
駅舎らしい駅舎は無い、こじんまりとした簡素な駅。でもそういうのも好きよ。高架が空を覆うように通ってるのもまたいい。観月橋駅の辺りは橋だの高架だの、道好きとしてはたまらん空間だった。
そこから川沿いを歩いて、中書島駅に戻ってきた。駅前でご飯を食べようと思ったが、飲み屋街だけあってやってる店が無い。そうかスナックとかバーぐらいしかないんだ。
降り立った時は風情のある街と思ってたが、空腹の焦りからかちょっとこの街にイラっときた。ご飯が食べられなかったら、風情なんて何の意味もない。
地図アプリで探したら、つけ麺ぐらいしかなかった。実は今までつけ麺を食べたことが無かった。ハードルが高くてなんか敬遠してた。このタイミングで初体験なの? どういうタイミング? とは思ったものの、それくらいしか食べることろがないんだもの、仕方ない。
人気店だったらしく、外で10分ぐらい並んでた。その時間に急いで「つけ麺 スープ 飲む」で検索してた。スープ割りというのをするらしい。
店に入ると、テーブルに「つけ麺6か条」みたいな指南書があった。初心者にも優しい店でありがたい限りだ。
食べた感想 ※3 としては、ラーメンよりも「食べている」という感覚が強かった。ラーメンは細麺とかシャバシャバなスープだから「喉に流し込んでいる」という感じ。
しかしつけ麺は太麺にどろどろのスープ。しっかり咀嚼しないと飲みこめない。麺料理特有の「もう無くなっちゃったの!?」が無かった。「俺は今、食べてるぞ!」という気持ちだった。ちゃんとスープ割りをして飲み干して、店を出た。
そこからちゃんと伏見名水めぐりをしようと思って歩いてたが、酒造の施設の中にあるやつとか、午前中に既に見かけたやつだったとか、感染対策で水が出てないやつばっかだった。
1度通った道を何回もグルグルして疲れたから帰った。昨日は結果的に2万歩も歩いてたらしい。
※1 大阪と金沢を結ぶ特急。
※2 チラシを渡そうとしてもみんなから無視されることの悲しさよ。
※3 日記には書いてなかったけど、ちゃんと美味かった。食べ応えうんぬんよりもまず「美味かった」って書けよ。
駅舎めぐりなんてトンチキなことを書いているが、旅の行き先を決める手段としては、こういう何気ないことに注目するのもいいと思う。
地図をボーっと眺めてたらたまたま駅がいっぱいあるエリアを見つけた、駅舎を目当てにここで降りてみよう。そしたらビックリ、駅前には渋い風景が広がるし、川では渡し船が通ってる。偶然見えた景色だからより感動する。中書島にはこんな景色もあったのかと。
もしも飲み屋街目当てで降り立ったとしたら、駅前の景色を見ただけですぐ満足してしまうのではないか。3分で「よし、目的達成だ!」となってしまいそう。
今度はどうやって行き先を決めようか。高速道路のインターチェンジの付近で降りようか。