2022.07.27 桃山御陵前-向島にて~やってる分にはたまったもんじゃない~
7月のぶらり途中下車の旅、京都府京都市伏見区の桃山御陵前駅で降りて、そこから向島駅方面に向かって歩いた。向島駅で降りればいいのだが、桃山御陵前駅に寄る用事があったのだ。
駅前の御香宮神社の境内に「伏見の御香水」という湧き水があり、それが日本名水百選に選ばれている ※1。先月から日本名水百選を制覇してみようと思い立ち、時間やサイフと相談しながらめぐっているのだ ※2。
電車で行ける範囲のとこだったから、まずここに向かった。本当なら去年の11月に中書島駅 ※3 で降りてそこ辺りをめぐっているはずなんだけどね。写真を見返しても寄ってなかったようだ。
「香水」という名前ではあるが香りが感じられるわけではなく、むしろ飲み水にもできるくらいにキレイだった。肝心の味は、少し苦みが残った。舌の奥に苦みが残り続けたから、持参した水道水で味を洗い流した。名水とは言うものの、やっぱ水道水の方が飲用に適しているんだよね。
そこから南下して観月橋駅を通り、向島駅に向かった。観月橋駅はやはりロケーションがいい。ダイナミックな効果や橋、川に囲まれて、それでいて「観月橋」と言うからには月も見えるのだろう。
向島駅に着いて、駅前の森林公園を歩いた。
自転車乗り入れ禁止なのに自転車に乗ってるオッサンに、タバコを吸ってる全白髪のおばあちゃんが強めに注意してるのを見た時は、なかなかの戦慄が走るのを感じた。森林公園でタバコなんか吸う?
そろそろ11時になるから地図で探して、少し遠くにある中華料理店に行くことにした。しかし本日休業だったので、すぐ近くのこじんまりとした喫茶・レストランに入った。
そこがなんとまぁ雰囲気のいい店だったか。老夫婦が個人経営している店で、純喫茶のようでありつつ、でもおじいちゃん家の感覚もあった。70代くらいのおばあちゃんと50代くらいのおじさんが待ち合せてたようで、隣同士に座って祇園祭の話をしてた。
マンガのチョイスもなかなか時代を感じさせるもので「オレンジロード」※4 というマンガは1984~1987年にかけて連載されていたようだ。昭和のマンガかぁ。
メニューにハヤシライスがあったから即決した。ハヤシライス、なんか無性に食べたくなる時があるけど、でも食べられる店が少ない。町の洋食屋って全然ないんだよなぁ。
この店の近辺に住んでる人は、ハヤシライスが身近にあって幸せだと思う。牛丼よりも上品に、なおかつリーズナブルに牛肉を食べられて嬉しかった。ハヤシライスに福神漬けがついてきたのだけ謎だったけど。
昼ご飯を食べたら川沿いに向かって歩いた。土手の階段を上がると野球のグラウンドが広がってて、日曜だけど少年野球の練習が行われていた。
夏、日曜の少年野球。見てる分にはいい景色だけど、やってる側からしたらたまったもんじゃないんだろうな。結構暑い日だったから、かなり危険だったと思う。
そういや別のもう3か所くらいでも少年野球の練習をやってたな。練習試合から筋トレまで。筋トレをやってた少年達は6人くらいしかいなかったな。人が集まらなかったから試合ができなかったのかな。
駅に戻る時に田んぼのど真ん中の道を歩いた。向島という地域はとにかく田んぼが広がっている。
田舎の生まれだから。ビル群よりも畦道の方が自分に合っていると思った。だってそういう生活だったんだもの、しょうがないじゃんか。たまにはこういう景色を取り入れたいものだ、そう思いながら家に帰った。
※1 昔、猿回しをしていた芸人がこの地に立ち寄り、疲労困憊の猿がこの水を飲むとたちまち元気になったという伝説がある。
※2 富山県の瓜破清水や黒部川湧水群などをめぐっている。
※3
※4 『きまぐれオレンジ☆ロード』という名前。超能力とラブコメを掛け合わせた内容。
トップの写真には「種智院大学」という大学が写っている。左側のレンガ調の建物である。
田んぼのど真ん中に大学があるという景色が、個人的には印象に残った。大学というともっと町中にあるものじゃないんだろうか。
種智院大学に通う大学生は一体どこに住んでいるのだろうか。学生街ならばもっとアパートが沢山あると思うんだけど、駅の向かい側に団地があるだけだった。大学生で団地住み…?
学生ならもっと遊び場がある地域に住みたいだろうに。向島を回ってもそれらしき施設は無かった。カラオケもボウリングもスーパー銭湯も。
だからといって市外や府外から通うとなるとそれはめんどくさいよ。たまに聞くのよ、滋賀県から京都の大学に通ってる人の話。1時間目の授業なんて朝早くて本当に大変だろうに。自転車圏内が一番いいよ。
春学期が終わる時期だったり日曜日だったりして、大学はもぬけの殻だった。それでいて田舎で人気(ひとけ)も無いから、ある種ゴーストタウンみたいだった。
でも野球少年達は頑張ってた。ゴーストタウンなんて例えは間違ってたな。