見出し画像

2022.02.28 就活の記憶は甘ったるい香りの中に

就活がやっぱり不安だ。精神がすり減っている感覚がある。最近、バイトをしていると息切れが起こる。今まで通りの仕事をしているはずなのにゼーハーする。疲れやすくなったというよりかは気苦労をしているのかな。

ちょっとした刺激にも敏感になっている。別のクルーが皿のチェックをしている時のガチャガチャした音にも心臓がバクバクしている。

あとこれはどうなのかな。1年くらい一緒に働いてるIさん ※ という女性がいるのだが、ここ1ヶ月くらいでその人の香水のニオイがキツくなってきてるような気がする。

鼻が敏感になっているのか、それとも本当にIさんの香水の量が増えているのか。でも突然香水マシマシにするのってのも意味が分かんないけどね。

近場で作業するとか、すれ違うとか控室で2人っきりとか、今まで幾度となくあったはずなんだけど、こんなにキツくなかったんだよなぁ。本当にむせ返るほどの甘ったるいニオイがする。オエってなる。

香害という言葉もあるけど、面と向かっては言えないよなぁ。俺が気が立ってるだけかな。俺の神経がすり減ってるだけかな。


※ おそらくアラフォーくらいのパートさん。同じ主婦クルーと子供の話とかをよくしていたのを覚えている。早朝勤務の俺と日中勤務のⅠさんは少しシフト時間が重なっていたから、比較的顔見知りの方だった。


この香水問題が結局どうなったのかというと、内々定をもらって就活を終了したタイミングでまたいつものように気にならない程度のささやかな香りに戻ったため、俺のストレスが故に体が過敏になっていただけだった。ストレス反応は動悸とか頭痛だけじゃなくて、鼻にも来るんだね。

だとしたらこういうタイミングでどこかしらの花畑に行って、いつもはなんとなくでしか感じてないような花の香りを思いっきり吸い込めば、いい気分転換になったのかもしれない。日頃は花と触れ合う機会なんて無いし、道端に咲いてる花くらいじゃ香りまでは満喫できないからな。冬だけど。

ないしは海に行くとか。冬の海、日本海。寂れた潮の香りを肺一杯に吸い込む。五感が鋭利になっているのなら波打つ音も、いつもよりノスタルジアに聞こえるはず。逆に寂寥感でいっぱいになって押し潰される可能性もあるけど。

こういう時こそどこかに行って気分転換する必要があったのだろうな、でもどこかへ行けるほど元気だったらこんなにも精神すり減ってないんだけどね。

こういう状況になった時はいつも、不安な一大イベントが過ぎ去るのを待って、ご褒美としていつかどこかへ出かけようと思うから、気分転換ができないんだよね。カラオケにでも行ったらよかったんだけど、内々定をもらえたら目一杯遊ぼうとか考えて、後回し後回しにしてたんだよ。

あんまりよくなかったのかな、でもそうするしかなかったんだよな。心の中で何かに縋りついて、大雨が止むのを必死で待ってるしかなかったんだよ。

今はもう香水の香りに触れる機会なんてないんだけど、いつしか恋愛の中でカノジョの香水が鼻腔をくすぐる度に、あの就活の日々を思い出して暗い顔になっちゃうのかな。五感と記憶は密接に結びついてるからね。

というかしゃぶ葉の勤務で香水なんか辞めようぜ。飲食店で働いてる人が香水とか良くないって。豚バラ肉や国産牛に、むせかえるほどの甘ったるい香りが移ったらどうすんのさ。

Iさんだって困るだろうに。朝は香水なんか振りかけていい香りで出勤するのに、帰ってくる頃には香水と生肉とカレーのにおいがぶつかり合う状態になるんだから。清掃やってたから分かるけど、飲食店のキッチンなんて決して心地よい香りではないんだからさ。