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モロッコのパン文化:日常に根付いた多彩なパンの世界

モロッコではパン(ホブス / Khobz)が食文化の中心にあり、ほぼすべての食事にパンが登場します。フランスの影響を受けたバゲットもありますが、モロッコならではの伝統的なパンの種類が豊富で、家庭やパン屋、ストリートマーケットなど、どこでも焼きたてのパンを楽しむことができます。

モロッコの代表的なパンの種類

ホブス(Khobz)

  • モロッコの基本的なパンで、どんな料理にも合う主食。

  • 丸くて平たい形をしており、オーブンやタジン鍋で焼かれる。

  • セモリナ粉や全粒粉を使用することが多く、表面は香ばしく、中はもっちり。

  • スープ(ハリラ)やタジン料理と一緒に食べることが一般的。

ホブス(Khobz)

バトボト(Batbout)

  • モロッコ版のピタパンで、フライパンで焼くのが特徴。

  • 焼くと内部にポケットのような空洞ができるため、具材を詰めてサンドイッチにすることが多い。

  • 朝食や軽食にピッタリで、オリーブ、チーズ、ハリッサ(辛味ペースト)と一緒に食べる。

バトボト(Batbout)

メラウィ(Msemen)

  • モロッコ版のクレープのようなパン

  • バターとセモリナ粉を使い、何層にも折りたたみながら焼くため、サクサクした食感。

  • はちみつをかけて食べるとスイーツ風に、チーズやスパイスを挟んで食べると軽食に。

メラウィ(Msemen)

ハルシャ(Harcha)

  • セモリナ粉を使ったパンケーキ風のパン

  • 鉄板で焼くため、表面がカリカリで香ばしい。

  • はちみつやバターを塗って朝食やおやつに食べることが多い。

ハルシャ(Harcha)

バグリール(Baghrir)

  • モロッコの伝統的な「千の穴パンケーキ」。

  • クレープのように薄く焼くが、表面に小さな穴がたくさん開くのが特徴

  • はちみつとバターをたっぷりかけて食べるのが一般的。

バグリール(Baghrir)

モロッコのパンの食べ方

手でちぎって食べる

  • モロッコでは、フォークやスプーンを使わずに、パンをちぎって料理をすくうのが一般的

  • タジンやスープ(ハリラ)を食べるときは、パンがスプーン代わりになる。

屋台やパン屋で買う

  • 街角のパン屋や市場では、焼きたてのパンが売られている。

  • 1つ1~2ディルハム(約10~30円)と安く、地元の人々にとって欠かせない食料。

  • 朝食用のパンを朝早く買いに行く習慣がある。

自家製のパン

  • 田舎では自家製のパンを焼く家庭も多い

  • 薪のかまどやタジン鍋を使って伝統的な方法で焼かれる。

  • 特別な日にはスパイスやナッツを混ぜた甘いパンも作られる。

モロッコのパン文化とライフスタイル

パンは社会のつながりを生む

  • パンは単なる食べ物ではなく、家族や友人とのコミュニケーションの場を作る重要な存在。

  • カフェや屋台では、パンをシェアしながら会話を楽しむ光景が日常的に見られる。

パンと宗教

  • ラマダン(断食月)の期間中、日没後の食事(イフタール)には必ずハルシャやバグリールが登場する。

  • パンを無駄にするのはタブーとされ、落ちたパンも拾って食べるのが礼儀とされている。

パンとフランス文化の融合

  • モロッコはフランスの影響を受け、バゲットやクロワッサンも人気。

  • 伝統的なモロッコパンとフランス風パンが共存しているのが特徴。

モロッコの朝ごはん。手作りジャムを目当てに蜂がよって来た。

モロッコのパン文化は、単なる食事ではなく、人々の暮らしと密接に結びついた大切な存在です。

モロッコのパンを食べることで、現地の人々の暮らしや文化をより深く理解できるでしょう。


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