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その文、したくなる文ですか? 『人を操る禁断の文章術』 を実践してみた

「この本、役に立つの?」

そんな思いを持った方の少しでも力になれれば、と思い始めた文章ノウハウ本実践シリーズ。3回目となる今回は、『人を操る禁断の文章術』をご紹介します。帯にもあるように、LINEやTwitterなど、100~200文字くらいの短い文章に効果的なノウハウが、ぎゅっ!と詰まっていました。長い文章を上手に書けるようになりたいという方にとっては、他の書籍が参考になると思います。しかし例えばブログなど、長い文章を書いたあとにタイトルやキャッチコピーなども同時に考えるとなると、話は別です。活用できるノウハウが必ず見つかるはず!

第三弾は『人を操る禁断の文章術』

著者はメンタリストのDaiGoさん。『自分を操る超集中力』や『最短の時間で最大の成果を手に入れる超効率勉強法』などたくさん書籍を出していて、そのほとんどがベストセラー。すでに他の本を読んでいる方も大勢いらっしゃるかと思います。

そんなDaiGoさんの文章ノウハウ本では、人に「伝わる」よりも人が「行動したくなる」文章法が多数載っています。今回はその文章法を読んだライター初心者がどのように文章(それなりに短い)を作っていくのか、本書にある課題に対して答えながらノウハウを紹介できればと思っています。(課題はいくつかあるので二つピックアップします)

課題1 クリスマス前に「おひとり様」を集めるひと言が思いつきますか?

結婚相談所の宣伝担当になったつもりで考えてみてください。今はクリスマスシーズンを3ヶ月後に控えた秋、会員を増やす絶好のタイミングです。そこで電車の中吊り広告を出すことにしました。あなたならどんなコピーを書きますか?

本書の設問を上にざっくり書きました。この課題では一章で紹介された「あれこれ書かない」「きれいに書かない」「自分で書かない」の三原則を意識する必要がありそうです。どんな言葉が良いでしょうか。色々アウトプットしていきましょう。

「孫の顔が見たいわ」とせかされていませんか?

こちらはどうでしょうか。
「あれこれ書かない」は守れていそうです。「見たいわ」とあるのでお母さんから言われたのだろう、と推測できます。この一文に ”お母さんから” という言葉が添えられていたら、おそらく「あれこれ書かない」という原則に引っかかりそうです。
「きれいに書かない」も守れていそうです。こちらの原則は、簡単にいうと時候の挨拶やサービスの紹介は含んではいけない、ということです。
「自分で書かない」は微妙ですね。書くべきことは相手の中にある、という約束事が守れていません。結婚相談所に駆けつける人は、みんながみんな子供のことを考えるだけではありません。また、クリスマスという季節も活かせてないことがわかると思います。

「恋人が欲しい」とサンタさんにおねだりする前に

先ほどより良くなった気がします。結婚相談所に駆けつける人の思いと季節を組み合わせることができました。

このように一つ一つ原則を守れているか、チェック作業を行うことでより良いコピーに近づきます。終わりがないので、この課題はこの辺で終わりましょう。最後にDaiGoさんが考えたコピーを紹介します。

まだ、間に合います

クリスマスのイメージを添えたら、完璧ですね、、さすがDaiGoさん。このたった9文字がぐさっと刺さる人も多いのではないでしょうか!

課題2 職場の50代の上司、30代の同期、20代の若手に対して、感謝を伝えるメールを送る場合。それぞれの世代には、どんな言葉が刺さるでしょうか。

上記の課題には、三章で紹介されている感情を揺さぶるトリガーと四章で出てくるテクニックを掛け合わせて回答を作成してみました!

50代の上司
トリガー:あなただけ
テクニック:書き出しはポジティブに

佐藤課長、この度は本当にありがとうございました!!今回のプロジェクトリーダーが課長で本当に良かったです。
私は社会人になってから10年ほど経ちます。また一緒に働きたいと思った人は今まで何人もいましたが、ずっと一緒に働きたいと思った人は佐藤課長が初めてでした。
この度はプロジェクトを通してたくさんのことを学ばせていただきありがとうございます。この経験をもとに、今後も成長していきたいと思います。またご一緒できる日を楽しみにしています。


あなただけ

と限定することによって相手の感情を揺さぶります。「これまだ誰にも教えていないんだけど」みたいに、情報を限定した人にしか教えないときはさらに効果的です。内緒話は人と人の距離を詰めると言いますが、この

あなただけ

の効果がありそうですね。

30代の同期
トリガー:認められたい
テクニック:書き出しはポジティブに&なんども繰り返す&追伸をつける

お疲れ様、山田に今回のプレゼン頼んで良かった。
噂には聞いていたけど、あんなにも聴衆を惹きつけるスピーチは初めてだよ。言葉は単純明快で、聞き取りやすいスピード、かつストーリーをイメージさせる話し方、もうびっくり。手強い強豪たくさんいたのに今回の案件取れたのは山田のおかげだわ。ありがとう。
今度プレゼンの秘訣教えてくれよな!

ps. 新婚生活はどう?今度その話も聞かせてくれよ

人は認められたいという欲を持っています。その欲を利用してみました。今回のメールでいうと、「噂には聞いていたけど」で周囲からも認められている、と暗に意味したフレーズを持ってくることで、認められたい欲を刺激しています。
テクニックでは、スピーチがとにかく上手だったことを、言葉を変えてなんども繰り返すことで、相手の印象に残します。印象に残すことで認められたい欲の刺激と、次回もまたお願いしやすいような関係性を保つことができます。
ただ、そのままでは仕事で利用したいと思われているんだなとなる可能性があるかなと感じました。そこで追伸をつけプライベートに踏み込むことで、一人の人間として興味持ってくれているんだなと思わせる作戦でした。
皆さんもこの追伸があるのとないのとで、どれだけ印象が変わるか、考えてみてください!


20代の若手
トリガー:ホンネとタテマエ
テクニック:書き出しはポジティブに&上げて、下げて、また上げる

こないだは仕事手伝ってくれてありがとう!
きっと早く帰りたいと思っていただろうけど、そこをグッとこらえて資料作成やってくれたおかげで、なんとか会議に間に合いそうだよ。
正直、最初鈴木がうちの部署に来た時は、無愛想で少し不安に思ってた。けど仕事には真面目に取り組んだり、周囲のサポートも積極的にしてくれたり、わからないことはなんでも吸収しようとしたりする姿を見て、鈴木が来てくれて本当に良かったと思うよ。
これからも一緒にこの海外事業部を盛り上げていこう!

本音と建前は日本人特有です。そしてそれらは感情を揺さぶる際に利用できるのです。
このトリガーは、本音にも触れつつ建前を認めることが重要。本音だけズバズバ言い当てられるのって気分良くないですよね。逆に建前の部分にしか気づいてこない人に、本音を話すのははばかられます。だから、本音と建前両方に触れるのが大事なんです。しっかりとみてくれているという安心感から心を許すのだそうです。
テクニックとして使用している “上げて、下げて、また上げる” は小説や映画など、物語にもよく使われる手法です。平坦なただ速いだけのジェットコースターと、起伏があってスピードの緩急があるジェットコースター、どちらがよりスリリングか、いうまでもないですよね。文章もそれと同じです。感情を揺さぶるために、ジェットコースターを意識して文章を書いてみましょう!

コピーライティングやSNS、メールでこの禁断の文章術を

本書にあった文章術は、Twitterでのつぶやきやブログのタイトル、メールなど比較的短文に向いているかなと感じました。テクニックで紹介した “上げて、下げて、また上げる” は短文長文関係なく大事なことだと思ったので、文章を書くときは意識してみてください!

今回の記事を読んで、『人を操る禁断の文章術』が気になった方はこちら↓


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