あなたの文章が伝わらない理由、判明します。『短くても伝わる文章のコツ』を実践してみた
「この本、役に立つの?」
そんな思いを持った方の少しでも力になれればと思い、始めた文章ノウハウ本実践シリーズ。4回目の今回は『短くても伝わる文章のコツ』を実践してみました。率直な感想を言うと、文章を書くにあたって一番大事なことを学べました!まだ4冊目ですが。今まで僕が書いた文章を読み返しても、その大事なことを意識して書けている書けていないかで、面白いか面白くないか、はっきりと分かれていました。あまり評判になっていませんが、かなりの良書です。
第四弾は『短くても伝わる文章のコツ』
著者は博報堂のスピーチライターであるひきたよしあきさん。日本ではあまり知られていないスピーチライターという職業、簡単に言うとスピーチを喋る人の代わりに書く人のことです。実は政治の世界でも活躍していて、選挙の候補者による演説は、実はスピーチライターが書いていたりすることもあります。
ひきたよしあきさんは中でも引っ張りだこなスピーチライター。そんな人の文章術や文章トレーニング法が本書では紹介されています。実践シリーズなので
・不要不急だけど読んでほしいツイート
・書籍のPOPなどに添える短めの紹介文
・少し長めの紹介文
をテーマに本書にある文章術を紹介していきます。
不要不急だけど読んでほしいツイート
ここで大事なのは相手をイメージすること。Twitterって大勢に向けて発信しているけど、特定の誰かを意識することで、より読まれる文章になります。修正前のツイート例を表示します。
とにかく大変だった。
わからないことの連続で、学んでも学んでも終わりが来ない。進歩している気がしない。
しかし、4ヶ月経ち、私はエンジニアになれた。学び続けたからであり、これからも学び続けるからだろう。
文を削る
文章が書けたら、削っていきましょう。削る時のポイントは接続詞と主語です。
まずは接続詞。余計な接続詞はつけません。削れる接続詞を削ることで読者の興味をそそることがあります。例文を見てみましょう。
接続詞あり)
山崎さんは夜遅くまでバレーボールの練習をした。しかし、一回戦で敗退した。
接続詞なし)
山崎さんは夜遅くまでバレーボールの練習をした。一回戦で敗退した。
どちらがより興味をそそる文かは人によります。ただ、接続詞がないとどんな内容が次に続くのかが予想できない分、読み手にインパクトを与えることができると考えました。今回の文では「しかし」を4ヶ月経ち〜の前から削除しました。
次にいらない主語も無くしましょう。エンジニアになれたのは「私」ですが、ここで省いても問題なさそうです。主語がなくても伝わる言語。書きすぎると煩わしくなる時があります。編集後のツイートはこちらです。
とにかく大変だった。
わからないことの連続で、学んでも学んでも終わりが来ない。進歩している気がしない。
4ヶ月経ち、エンジニアになれた。学び続けたからであり、これからも学び続けるからだろう。
これはエンジニアになろうと意気込んで勉強はしているけど、なかなか進歩している実感がない人を意識して書きました。正直「エンジニア」の部分はエンジニアでなくても構いません!私のTwitterアカウントの問題です。
面白いことに、大勢に読んでもらおうと文を考えても大勢に読まれません。特定の誰かに読んでもらおうと考えることで大勢に読んでもらえます。
またいくつか本書で紹介されたテクニックを使っています。
「とにかく大変だった」で始める
SNSなど私的な緊急度と優先度の低い文章は読まれる可能性が低いです。読んでもらうためには、興味をそそる工夫が必要です。その時に利用できるのが「とにかく大変だった」。ただ呟くだけよりかは、読み手に何があった?と思ってもらうことができそうです。
肉体語で書く
当然ですが、自身が経験したことを言葉にした方が重みが強いです。肉体を通すという意味で肉体語と本書では紹介しています。
書籍のPOPなどに添える短めの紹介文
ここで意識したのは、自分のことは書かずに相手が何を得するか、です。今まで読んだ本でも言われてきたことです。本書のPOPを作成する場面を想像してみましょう!
ダメな例)
ものすごく時間をかけてたくさんの人の手を借りて書いた文章のコツを紹介する本です!!
確かに頑張っているのはわかるし、それをみんなに知ってもらいたいというのもわかる。わかるんだけど、グッとこらえましょう。このダメな例はものすごく極端に書いたので、「自分の文章はこんな酷くない」と思うでしょう!ただ、あなたの文章のどこかに自分の頑張りや特徴を書いてしまっているかもしれません。それを頑張って見つけて、隠してあげてください。相手のメリットを考えるとこうなりそうです。
良い例)
あなたの文章が伝わらない理由、判明します。
タイトルに “伝わる文章のコツ” とあるので、伝わる文章が書けない!と悩む人に刺さる言葉を考えてみました。 ”短くても” の部分をフックにするのも良さそうです。自分なりにいくつか考えるトレーニングをしてみてください。
商品の少し長めなPR文
「サンドウィッチ文」と言う技法を紹介します。簡単に言うと文頭と文末を先に決めて、本文を後から書く文章法です。企業紹介や商品のPR文に活用できます。
今回は僕が大好きな山崎実業のtowerシリーズをPRしたみたいと思います。
痒いところに手が届く家具、聞いたことがありますか?
机の上になんとなく置かれたテレビのリモコンや腕時計、特別気にはならないけど少し散らかった印象があります。
お風呂場にシャンプーを置いてしばらくすると、シャンプーボトルの底がヌメッとしてきます。洗えば良い話ですが、洗わないで済むならその方が良いですよね。
キッチンが狭いといろんな悩みがあります。調味料の置き場に困ったり、調理したり洗い物を乾かしたりする場所をなんとか捻出したりしなければいけません。料理初心者であれば、レシピ本を見ながら調理したいけど、キッチンに置き場がなくてなかなか料理に踏み出せない、なんてことも考えられます。
シューズケースがない間取りだとどうでしょう。たくさん靴を持っていたら玄関が散らばっていて、とても人を呼んだりできません。
洗濯機周りの収納スペースがないと洗剤や柔軟剤の置き場に困ります。洗濯機の上の空間をなんとか活用したいがDIYするのは億劫です。
これらの悩みって必ず解決しなければいけない訳ではないけど、解決できたら日々の小さなストレスから解放されます。快適な生活が始まります。家が好きになります。そんな家具が実は存在します。
それが山崎実業のtowerシリーズです。
サンドウィッチ文は少し難しかったです。統一感を与えることができ、読後感をよくすることができる方法ですが、どうでしょうか?
サンドウィッチ文は文頭と文末を先に考えます。効果を存分に発揮させるためには、文頭と文末の文章を考える訓練が必要だと感じました。
ただ、使いこなせるとPRにはもってこいな技法です。PRってどうしても厚かましくなってしまいがちですが、良い読後感を与えるサンドウィッチ文を使いこなせればば、商品購入や顧客獲得に繋がります。
では、どうやって文頭や文末の文章を考える訓練をすればいいのでしょうか?実は、誰でも今すぐ始められる文章のトレーニング法が本書では紹介されています。実践シリーズなので今回は紹介しませんが、気になる方はぜひ購入してみてください!!
様々な種類の文章に合ったライティング術が載っています!!
本書では
・SNSのつぶやき
・POPなどの短いPR文
・企業のPR文
・就活のエントリーシート
・ブログ
など不要不急な短い文章から、大勢の人に訴えかけたい長い文章までありとあらゆる文章にあったライティング術が紹介されています!!また、トレーニング法も本書には載っているので、文章力を鍛えたい人は必読かと思います!!思考のトレーニングでもあるので、別に文章力は鍛えなくていいけど、思考する力を鍛えたい人にもおすすめです。
今回の記事を読んで、『短くても伝わる文章のコツ』が気になった方はこちら↓