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寺院修繕もやってます

みなさん お久しぶりです!
なんだかんだ バタバタした毎日を過ごし 気づけば 前回の投稿から 半年以上も経ってしまってました。
そして いつの間にか 2022年が スタートしてしまっていた今日この頃です😅

さて 今回は 寺院の修繕についてまとめてみました。
ぜひ ご覧ください。

・寺院修繕とは??

普段は 工場内で仏壇 寺院品の作成や修繕を行なっているが 年に1, 2回ほど 現場(寺院内)の修繕工事を行なっている。
主に 建物の  や 長押(なげし) 鴨居(かもい)虹梁(こうりょう)舛組(ますぐみ)木鼻(きばな)など。
これらに漆を塗ったり 金箔を貼ったりと...

・部分・部品の名称紹介

先程 修繕する部分を紹介したなかで 業界用語がいくつか出てきたと思うが ここでは そんな部分・部品の名称を説明したいと思う

・内陣(ないじん)と 外陣(げじん)

まず大まかに 内陣と外陣にわかれる
簡単に説明すると 内陣は 寺院のメインになる場所
空殿(くうでん)や 須弥段(しゅみだん)があり 仏様がいる場所である
そして 外陣は その他の場所で みなさんが よくお参りする際に入る場所である

本堂を上から描いた図
内陣からの様子
外陣からの様子

・長押(なげし)

長押(なげし)は 柱を水平方向に繋ぐものである

・鴨居 (かもい)

鴨居(かもい)は 長押に似ているが 違いは 襖(ふすま)や 障子などが滑る 溝がある


・虹梁(こうりょう)

虹梁(こうりょう)は 梁(はり)の一種で 唐草模様(からくさもよう)などの彫りが施されている


・桝組(ますぐみ)

桝組(ますぐみ)は 屋根の荷重を柱に集約する役目があるといわれる

彩色バージョンの桝組

・木鼻(きばな)

木鼻(きばな)は 柱などから出ている 造形品で 象や獅子 龍などもある


・どんな作業をしているのか??

寺院の大きさや 修繕する範囲で変わるが おおよそ 1ヶ月〜3ヶ月くらいかけ修繕していく
(まだ 3ヶ月を超える大規模な改修工事は 行なったことがない😅)

年数が経っていたりで 虫食いや割れが発生していることがある それを まず 埋めたり形を整えたり...
そして 割れが発生しないように 寒冷紗のような 布のようなものを貼る

その後は 下地 → 研磨を繰り返し 中塗り → 上塗り → 金箔を貼ったりと 仕上げる

漆 上塗りの様子

・工場内との違い

現場での作業は 普段の工場内での作業とほとんど変わらないが 難しいことだれけである

・規模が大きいため かなりの体力勝負である
・気温 湿度の調整ができないため 変化を感じ取りながら 考えながらの作業となる
・上塗りの際は ゴミや埃などに気をつけなくてはいけない
・金箔を使う際は 風で飛ばされないように うまくコントロールしながら...

などなど 神経を使うことが増えるのだ
そんな日々が 1ヶ月 2ヶ月と 続くのだから メンタル勝負でもある

そんな中で 1番の難題は 漆の調合だ

・漆の調合について

現場は 空調設備がないので その日の 天気気温湿度を見ながら その日に合う 漆を作らなくてはいけないのだ
漆には 早く乾く漆と 乾燥を遅くしている漆がある

乾きが早いと 表面だけが先に乾き 中身が乾かず 縮み と言う現象が起こる↓↓↓


逆に 乾きが遅いと 乾燥時間がかかり ゴミや埃などが付いてしまい 仕上がりが汚くなる

その中間を調合しながら 上塗りの 2〜3日前から 試験塗りをして 決めていくのだ

ちなみに 上の写真でいくと 
・上段の初日の① ③は 早すぎて ④は やや遅かった
・下段は次の日 ④を少し調整して ③は早すぎて ①は 遅かった そして②は成功だった

上の試験から 当日は ②の漆を 上塗りで 使ったのだ

「漆は天然樹脂  漆は生き物」
「現場は己との戦い」

少し長かったが...
現場作業は こんな感じの事をやっているのだよ って事を分かってもらえただろうか?


まだまだ現場は 未熟者 
たくさん勉強をして しっかりと技術を身につけていきたいものだ


また次回もお楽しみに

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