[OKINAWA GRIT 主催 ライターコミュニティ インタビュー企画] ライター市岡光子さんの働き方とは?

  今回は、「OKINAWA GRIT」が主催するライターコミュニティのメンバーであり、先輩の市岡光子さんにインタビューをさせていただきました。子育てをしながら、ライターとして活躍する光子さんに、これまでのキャリア、そしてフリーランスライターとしてのお仕事について、お話を伺いました。

市岡光子さん
取材ライター・ブックライター。
東京都在住、上智大学卒。大学職員として広報の仕事を経験後、PR会社 、ベンチャーを経て、2021年4月に独立。想いやコアな人間性をひきだす取材を得意とし、大手メディアや企業で取材記事やブックライティングなどを中心に執筆中。若者・女性支援を目指してキャリコン勉強中。3歳児のママ。星野源さんとハロプロ、音楽とマンガ、読書をこよなく愛する人。
Twitter:@ichika674128

1これまでのキャリアについて

玉那覇:始めに、光子さんの歩んできたキャリアについて、お聞きしたいのですが、大学卒業後はどのようなキャリアビジョンを思い描いていたのでしょうか?

市岡さん:大学時代は、社会学や統計分析を学んでいました。そこで、漠然と広告業界に興味をもち、就職活動していたのですが、あまり明確なことは考えていませんでしたね。
 父親は銀行員、母親は専業主婦という家庭で育ち、両親ともに昔気質な性格でした。私自身も専業主婦になるものだと思っていたので、働くことに対して後ろ向きだったというのが正直なところです。そんなこんなで、中堅規模の大学で大学職員として働き始めて、6年間はそのまま働いていました。


玉那覇:そうだったんですね。では、いつ頃から転職を考え始めたのですか?

市岡さん:1年目から、もやもや感はありましたね。このまま、この仕事を続けていくのかと。そこで、ターニングポイントとなったのが、娘を出産した際に取得した1年間の産休でした。当時、大学職員として、広報のお仕事をしていたのですが、産休後に元の職場に復帰すると、別の部署へ異動になったんです。広報として、しっかり仕事で実績も出していたと思うので、広報で仕事が続けられなかったことがとても残念でした。結局、広報での仕事が頭から離れず、その時期から本格的に転職を意識するようになりました。方向転換するいいタイミングかなと。


玉那覇:産休がとれても、その後の復帰は難しい問題がありますね。ですが、本格的にフリーランスとして働くのは、なかなか勇気のいることだと思います。安定志向の両親のもとで育ち、仕事に対する後ろ向きな気持ちがあったとお話がありましたが、どのような心境の変化があったのでしょうか?

市岡さん:そうですね。実際に広報で働いて社会経験を積んだり、周りの環境変化もあって、チャレンジ志向になったと思います。転職やフリーランスに踏み出せたのは、結婚、実際に働いたことでマインドが変化したこと、そして娘の存在が大きかったかもしれません。結婚したことで、主人と2人で稼げばよくなりましたから、経済的に安定したことがまず一つ、大きな要因としてあると思います。それから、実際に社会人として働いたことで、仕事の「イメージ」が大学時代に思い描いていたものから大きく変わりましたね。安定よりも、挑戦を選ぶ思考になりました。もともと、心配性ということもあるので、それが逆に「網を張る」ということにもつながっているのかもしれません。

そして何より、娘が生まれたことも大きかったです。子育てをしていく中で、娘が親の姿を見て成長していくという意識がものすごく大きくなりました。母親となり、娘が私の姿を見て育つのだったら、私の挑戦し続ける姿をみて、自立してほしいと思ってます。だからこそ、ブレーキをかけずにいろいろ挑戦してやってみようとも思えました。やってみると、意外とできるものですよ。
 
玉那覇:なるほど~。子育てで忙しくなると、どうしても安定を求めるような考えになると思うんですが。そういう、思考の変化もあるんですね。光子さんにとって娘さんの存在が、原動力になっているのですね。すごく、深いお話です。

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2今の働き方について

玉那覇:では、フリーランスの中でも、なぜライターになりたいと思ったのですか?

市岡さん:もともと、広告会社に勤めていたときから、フリーランスという仕事に関心はありました。これまでの広報やPR会社で務めていた経験を生かしたいと思い、ライターの活動を始めましたね。ちょうど、去年の秋頃です。


玉那覇:え、光子さんって、ライター歴1年目なんですね。経験豊富なので、もっと歴が長いのかと思っていました。ライターの活動をはじめて、何から取り組みましたか?

市岡さん:まずは、クラウドワークスで、1文字数円の仕事をやったりだとか、とにかく実績を作ろうと思って、仕事を探してました。その時は、「とりあえず」やってみようという思いで始めたので、今思うと、金額的に考えられない仕事も引き受けてやってましたね。

 クラウドワークスで実績作りをしながら、「ぶんしょう舎」主催のライター講座を受講しているときに、同じく「ぶんしょう舎」の講座を受講していたみやねえさん( @miya_nee )の存在を知って、みやねえさんのWebライター育成講座を受講することに決めました。駆け出しライターだったから、ライターとしての基礎体力を身につけたいと思ったんですね。あと、みやねえさん主催のライター講座には当時沖縄の美味しいおやつとか飲み物もおまけでついてきたのですが、それも欲しくて申し込みました。笑


玉那覇:え~!すごい話ですね。みやねえさんとは、そんな出会いだったんですか!ぶんしょう舎さんのライター講座も気になります。身を投じる「チャレンジ精神」はライターにとって、大事な素養なんですね。その他に、ライターとして意識していることはありますか?

市岡さん:特に意識しているのは「やりたいことを、発信すること」です。Twitterやnoteで、挑戦してみたいことや好きなことを発信するようにしています。それが、思いもよらない仕事の依頼につながったこともありますね。
実は私、星野源さんが大好きなのですが、新曲が出た時にとても感動して、アツい想いをnoteに書いたことがありました。それをたまたま、マイナビウーマンの方が読んでくださって、星野源さんのラブソングについてコラムを書くというお仕事の依頼が舞い込んできたことがあって。星野源さんのファンとして、ものすごく嬉しいお仕事でしたし、貴重な経験でした。


玉那覇:ものすごい話です。引き寄せの法則を体現していますね。ほんと、発信って大事ですね。では、子育てしながら、フリーランスをしていく中で、時間管理やタスク管理で気をつけていることはありますか?

市岡さん:そうですね。これは、ほんと大事なことです。時間に関しては、できるだけお仕事の時間を増やせるように、とにかく家事の時間を削減するようにしています。例えば、仕事が忙しいときは、料理代行サービスを利用したりしています。栄養バランスも考えられていて、ほんとすごく助かっていますよ。
 

玉那覇:え、そういうサービスがあるんですか!うまく使えるサービスを利用しながら、スケジュール管理もしてるんですね。では、お仕事を選ぶなかで気を付けていることはありますか? 

市岡さん:これも、悩ましい問題です。まずは、「心からやりたいことか」ということを大事にしています。ライターといっても、仕事は多岐にわたり、いろんな依頼があります。その中で、自分が心からこの仕事をやりたいという素直な気持ちをくみ取って、仕事を選ぶようにしています。それから、実績につながるかどうかですね。この仕事が今後の方向性につながるか、拡散力のある媒体なのかといったことを考えながら、仕事を引き受けています。 

玉那覇:興味深い話で、とても勉強になります。「心からやりたいこと」かどうか、ものすごく大事な指針ですね。「今後の方向性」につながるという視点も、見極めるセンスが必要になってきます。様々なお仕事に挑戦した経験のある光子さんのように、今後の方向性や実績につながるかどうかを見極められるようには、挑戦の場数を増やすことが大事になってくるのですね。

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3今後の展望

玉那覇:ライター1年目で数々のお仕事を経験されてきた光子さんですが、今後挑戦してみたいことや、ライターとしてのビジョンはありますか?

市岡さん:今後は、ブックライターとキャリアコンサルタントの仕事に挑戦してみたいです。ブックライターとは、編集とは違い、著者に長時間にわたるインタビューを行って、本の執筆のお手伝いをするお仕事です。あと、これまでの経験を活かしながらキャリアコンサルタントのお仕事にもチャレンジしてみたいです。そのために、今は勉強中です。先日、やっと、国家試験を終えたところですね。


玉那覇:多忙ながら、いろんなことに挑戦してらっしゃるのですね。ものすごいバイタリティを感じます。試験もお疲れ様でした。ブックライターというお仕事があるというのも、初めて知りました。これもまた、文章力や実績が求められるお仕事ですね。

市岡さん:ありがとうございます。そうなんです。ブックライターには、「信頼感」もなければいけません。本を書くには、15万字が必要であると言われ、著者との信頼関係が重要になってきます。私は普段からどのようなお仕事でも、信頼関係を保つ為に、できるだけ早く返信を返したり、期限を守ることは徹底しています。

玉那覇:なるほど~。ブックライターとして求められることを日頃から意識して、お仕事に向き合っているのですね。「信頼関係」はどんな仕事にも求められると思うので、私も日頃から意識して取り組んでいきます。光子さんの携わる本が出版される日を、楽しみにしています。


感想 光子さんにインタビューをさせていただく中で、「心からやりたいこと」というぶれない軸をもって、お仕事に向き合っている点が印象に残っています。ライター業では、どんなお仕事に出会えるかわからない、不確実要素があるからこそ、この軸は大事な素養であると感じました。
 また、子育てや様々なお仕事をしていく中で、「安定思考→チャレンジ思考」の変化があったという興味深いお話も聞けました。視野を広げて、いろんなお仕事をやってみる。その経験があるからこそ、現在のようなキャリアを築けたのかと感じました。私自身、今後のキャリアを考えていくうえで、光子さんにお話を伺えて、ものすごく勉強になり、貴重な経験となりました。インタビューを受けてくださった、光子さん、心から感謝申しあげます。

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