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【家庭教師】英文法とエピソード①マリナの場合

私は家庭教師時代、一応、数学教師をしていたが、見ていた生徒は、勉強が嫌いで勉強が苦手で、家庭学習ができない子が多かった。だから、数学を皮切りに、ほかの教科の勉強法や理解の仕方を教えることも大いにあった。

「英語教えて〜」「英語わかんなーい」と言ってくる生徒さんもよくいた。「わかんなーい」のレベルは、大概、教科書の本文を全く日本語訳できないレベル。難関高受験するような子は、私なんかよりももっと偏差値が高い先生が教えるため、私レベルの教師につく生徒はその程度なことが多い。私は英語を文法的側面から教えるようにしている。
そして生徒らに、「大事なことが3つある」と伝える。

①主語
※誰が(何が)主語にあたるのか、単数か複数か
→主語にはピンクのアンダーライン
②動詞
※原則、一文の中には動詞は1個しかない
※主語と時制にあった動詞になっているか
→一般動詞を緑色で四角く囲む。be動詞を緑色で丸く囲む。
③時制
※いつの話なのか
※時制にあった動詞になっているか


教科書の英文にまず、主語(ピンク)と動詞(緑)の色をつける。

誰が(何が)どうしたか、を捉える。

それ以外の単語の意味から日本語訳する。
(単語の意味がわからなければ、その場で覚える)


だいたいそんな流れで教える。
これがいいとか悪いとか、相応しいかどうかは、目を瞑っていただきたい🙏
なにせ、本人らは英語が苦手で嫌いでできない、と思い込んでいる。だからまず「できる!嬉しい!」の感覚をつけるために、この指導法はある程度有効だった。


ここで、過去に指導していた中学2年性マリナ(仮名)の話をします。(事実を元にしたフィクションです)

マリナはとにかく勉強が苦手だった。いつも苦しそうに勉強するし、暗記は大の苦手。知識をインプットすることがそもそも苦手なようで、上記の説明をしても「“しゅご”って何、、?」と、“主語の意味”がもうわからない。そんな子だった。

そこで私は、マリナの指導前準備期間に単語帳を買ってきて、【英単語カード】を作った。
英作文を作る時によく主語になりうる名詞【 I 】【She】などを書き、ピンクに塗る。動詞を書き、緑で塗る。もちろんbe動詞は丸で囲む。次に目的語とか補助とか冠詞とかも単語帳に書いておく。色はつけない。三単現のとき用に動詞の後ろにつく【s】【es】のカードも作る。

そして【英単語カード】を持ってマリナのオタクへ行く。
マリナの前に【 I 】【You】【like】【play】【soccer】【tennis】【 . 】【?】のカードを並べ

「『私はテニスが好きです』の文章作ってみて」

というと、マリナは張り切って

「私、パズル得意!!」

と言い、一生懸命並べて始めた。(そこ!?ww)
『私はテニスが好きです』なら、マリナも学校の授業で得た、なんとなくの知識で並べられる。並べたらベタ褒めする。ここで大事なのは「できた!」の達成感を得ること。

マリナの「パズルが得意」という自信。英作文を作る上では関係ない。でも、関係ないことでもそうやって「自分はできるんだ!」の感覚を養えるならそれでいい。


『1文の中に動詞は1つしかない』と言い続けていると、効いてくるのは『現在進行形』だ。「動詞は0でもダメ、2個でもダメ、必ず1個」と延々言い続けるため、

l playing tennis now.
l am play tennis now.

という文章を作らなくなる。(動詞にingがつくと動詞ではなくなる、とも教えている。だからplayingは動詞ではない。)

さらにこれが分かれば、疑問文も否定文も作れるようになるし、三単現、助動詞、未来形、過去形など、汎用性が高い。


とはいえ、この汎用性には限度がある。
そもそも英単語、熟語を覚えないと英語はわからない上、文法から逸脱したイレギュラーもいる。
だからあくまで導入として使う教え方。
それに私は元はといえば数学教師。揺るがない公式がある方が、私も教えやすいのだ。


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