#002 -the creatorsを振り返る
TAKAHIRO MORIYAMA
"MADE IN HEPBURN/BOAT"
BOATという福岡は中央区天神から少し離れたベイエリアに僕らが日夜過ごしているパブリックなスタジオ的スペースがある。
この街のミュージシャンやラッパー、DJやデザイナー、
カメラマンにクリエイターにアーティスト…
それぞれ肩書きこそ違うところはあるが
概ね似たようなビジョンや気持ちを抱きつつ、
ノリと雰囲気で集い合い形成されたコミュニティがBOATと自称し出し、後にそんなコミュニティの集いの場として設けられたのがBOATである。(きっと諸説はある)
僕はそんなスペースをよく出入りするコミュニティメンバーのひとりである。
そんなBOATはこれまでにもライブをやってきた訳だが、今年の10月に出演した
"the creators"というイベントでのライブがすごく自分達にとってターニングなものになった。
そもそもイベント出演が決定したのはいつだったんだろうか、開催日から半年ほど前くらいだったかな?あまり覚えてないけれど、ちゃんとメンバー達とリハーサルやゲネプロに辿り着くのは出演日から数えた方が早いくらいにマイペースだった。
BOATにはそれぞれMADE IN HEPBURN はもとより、yohluやOsamu Fukuzawa、DJ YOSUKE …映像系で言えばヤンタオさんも、個々としての活動もコミュニティの中で続けているので、
"BOAT"としてイベントに出演するということがそもそもどんなものを意味し、どんな意識をオーディエンスに植え付けることが出来るんだろうかと考えることが多かった。(このモアベターな結論には僕個人としてまだ実は辿り着いてはいない…)
結果として14人でステージに立ち、各々自分達がクリエイトした楽曲をみんなで演奏したりしてパフォーマンスする!というものになった訳だが
このメンバー各々の立ち回りが凄く良い働きを呼んだ気が今もしている。
演奏する楽曲のセットリストも一つのバンドでライブする訳じゃない分、かなり意図して考えたし立ち位置や衣装、曲の繋ぎと繋ぎも舞台監督みたいな気持ちで考えた。
今回は楽曲によってそれぞれディレクションを請け負うメンバーが変わったのが非常に良かった。
例えばMADE IN HEPBURNの曲を演奏する場合はgoe君が取り持って演奏に参加するメンバーに意思を伝えたり、Yohluの楽曲はBokehさんが楽曲のディレクションを考案し、それからセットリストの中にどうやって馴染ませていくかをまた改めて考えていく。
みんなの意思と表現の可能性をクロスオーバーさせていく様は、ひとりのミュージシャンだけでは、まして一つのバンドだけでは成り立たない感じのエンターテイメントだった。
持ち時間の関係上、凝縮を感じさせる形を意識したセットリストで挑んだ訳だけど自分達の感情もポジティブに向き出しになって起承転結がステージの中でしっかりと進んで非常に満足だった。
楽曲に新しいテイストが加わってみたり、原曲と少し違うフォーカスで演奏したりとBOATのメンバー達それぞれに意識を感じたし、なにより
"音楽で産まれる笑顔"感を
メンバー達が瞬間瞬間で体験していて、これは三度この形態でパフォーマンスしていくのは面白い、可能性があるなと思った。
パフォーマンスの模様はアップされているので
少しは温度感が伝わると思う、見て欲しい。
この日の後にメンバー編成が減少した形で宮崎でのライブに出演するのだが、それもそれでステージに立たなかったメンバーを補うかのごとく良いライブになったなあと今思う。(この日なにより自分のパフォーマンスが良かった)
そんな可能性を勝手に感じてしまったBOATは
まもなく正式にアナウンスされるであろうネクストのイベントについても自分たちの意識のままに動こうとしている。
その来る日のパフォーマンスへ向けての準備は先日みんなで集まったミーティングからはじまった。
今回のセットリストや諸々はどうやろうか?という議題で2、3時間は話したと思う。
みんな発言していたし、少なからず意思の衝突もありながらまとまっていった。
このまとまって行ってる感がすごく僕は良かったと思った。
みんなから伝わるアツイ気持ち!的なの、味わいながら過ごせてるな〜っていう実感があった。
こんな気持ちになっている以上、素晴らしいパフォーマンスをする自分達が未来に居る可能性は非常に高いだろうな、と。
これからパフォーマンスを仕上げていくことになるので、きちんとこの事がアナウンスされた時、改めて注目してもらえると嬉しい。
そんなミーティングの折りでYohluのZMIさんの持込楽曲をヤンタオさんがなんやら纏めていて、GOiTOとtoddy(185)が早速ラップを入れて来た。
ミーティングの後に早速仮RECがBOATで始まっていく。
今回の曲は自分もBOATならでは的なコンセプト重視みたいな楽曲にしたうえで自分も歌で参加したかったので、このタイミングでのスピード感はとてもモチベーションが上がった。
いそいそと自分のバースを入れていくラッパー2人に感化されて、コンセプトを意識してないと自分から放たれてこなかったニュアンスの言葉を2人にして負けじと自分も書き上げた。
アレコレ〜良いよね!ダサいかな?
みたいな形で色々やれる環境があることがいいなあとしみじみ思える1日だった。
そうやって自分も、きっとBOATのメンバーも思い思いに進んだり戻ったりをしていっている…のかも知れない。
自分の出来ることを惜しみなくやれる時間がある事がラヴい。
ラヴい。