企業のDXは人から始まる――メンター育成が生む変革の波
株式会社セラピア 代表 田中圭さん
合同会社Libra近江 代表 澤田晃仁さん/石田恵里さん
株式会社セラピアは、中小企業のDX推進、現場に対するIT教育を支援する会社です。ノーコード技術を用いて基幹システムのリプレイスも実施。
全国各地で、地域内でメンターとなる地域支援企業を育成。
メンター企業が他の中小企業に教える事例を構築し、定期的なフォローアップや中小企業同士の積極的なマッチングを経てDXエコシステムの拡充を目指しています。
守山市の中小企業DX推進に取り組みたいと考えたこと、合同会社Libra近江の澤田さんと以前から知り合いかつ「一緒に何かやりたいね」という話をしていたことから、実証実験に応募。
合同会社Libra近江の事業内容は、滋賀県内にある中小企業の経営支援。事業再生や新規事業の立ち上げやDX化の支援など、中小企業の困りごとを伴走的にサポートしています。
実証実験の内容は、次の通りです。
メンター育成プログラムの実施
地域の中小企業の社員を対象に、ノーコード技術を活用した業務改善方法を指導。
次世代のメンターを育成。中小企業の業務効率化支援
育成したメンターが、地域の中小企業のDX化を支援。
地元企業の業務フローを最適化するノーコードツールの導入をサポート。
2024年8月から約2ヶ月間、石田さんはメンター育成プログラムを受講。
講師のトレーニングも終え、11月から守山商工会議所の受講者3名に対し、DX教育を実施しています。
さらに商工会議所からの紹介で、スターエンジニアリング株式会社の従業員さんの受講が決定しました。
実際に取り組んで感じた課題
別のノーコードツールの使用経験と他の業務での講師経験がある石田さん。
しかし、ノーコードツールや業務改善DXを教えるのは、初めての経験です。
受講者のITリテラシーのバラつきが、業務改善に使うためのアプリ作りにも大きく影響することに戸惑いも。
石田さん「ただ、業務改善やアプリを作ることなど、人によって得意分野はさまざまです。組織の中で、個々の能力を発揮し力を合わせることの大事さを感じています」
「現場を変えなければ、業務改善DXはできない」
これは石田さんにとって特に印象に残っている、受講者の方の言葉です。
当時は、現場の作業が混沌としている状態でした。
無理にアプリを導入しようとしても、アプリが複雑化する一方です。
石田さんは、一度、アプリを横に置き、業務整理をするように薦めました。
その結果。
「仕事は言われたことをやるだけじゃなく、変えることもできる。そして、変えたことにデジタルを入れるんだ」
業務に興味を持ち、受講者さんの中で、何かが変わった瞬間でした。
石田さん「気づいていただけて何よりです。DX化は、仕事に対する意欲を高めるきっかけにもなっています。今後さらにDX化が広がり、守山市全体、ひいては滋賀県全域に良い影響が波及するよう、引き続き尽力してまいります」
田中さん「石田さんは、商工会議所様の仕上げと、スターエンジニアリング様のご指導を、とても熱心に取り組んでくださっています」
最終成果発表までに行いたい内容
「商工会議所主催セミナー」を開催し、商工会議所とスターエンジニアリング株式会社の受講者さんたちの成果物を公開・発表する場を想定しています。
田中さん「一人ひとりにスポットを当て、成果発表の機会を作るイメージを描いています」
そして、その先にしっかり繋げられるよう、他の支援者さん、金融機関やテレビ局などにもアプローチし、支援の輪が広がる体制づくりを目指します。
澤田さん「第二、第三の石田さんのような方が生まれていくためにも、ぜひ石田さんに焦点を当ててください」
田中さん「澤田さん、石田さんのご協力あってのことですが、守山市を拠点とし、滋賀県内の周辺地域や他自治体へのノウハウの共有と支援ネットワークの拡大を進める計画です」
一方的に「教える」ではなく、一緒に学び、成長するスタンスを大切にしている石田さん。
石田さん「私も、8月から学び始めたところです。みなさんとは業種や職種は異なりますが、意見を交わしながら共に成長し合える関係だと感じています。ご興味をお持ちの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください」
2025年3月8日、最終成果発表を行います
今回の事業を通して行ったこと、行った結果について3月8日守山市役所にて最終成果発表を行います。
採択された7事業者による挑戦の過程と結果。
官民連携に関心がある方は、ぜひご参加ください！
イベント名：co.shiga.5-官民連携-
日程：2025年3月8日 13時から17時頃
場所：守山市役所
Webサイト・申込みフォーム：https://co-shiga.jp/5/