チガワンという営業

チガワンとはJaaたけやさんが茅ヶ崎市役所で主催するお笑いライブ。

たけやさんはSMA所属の芸人でエンタの神様やあらびき団などに出演し「気まずいことがダメなんだ」という歌でプチブレイクしたもののお笑いを一時引退し、茅ヶ崎市役所に勤務して今は芸人と公務員の二足の草鞋を履く一風変わった芸人だ。

付き合いはもう10年以上になる。

そんなたけやさんに誘われて今日はチガワンに出演してきた。

お客さんは超満員だしギャラも高いしめちゃくちゃ最高のライブだ。

ただ一点不思議なのは客層とライブのシステムがあまりマッチしていないというところだ。

お客さんは普段お笑いを観に来るタイプの方達ではなく茅ヶ崎に住むご近所さんや役所の方。(だと思う。)

だから普段出ている地下ライブというよりは営業に近い。そしてたいていそういうライブに出る場合はみな営業向きのネタをやる。

がっつりしたコントやフリップネタをやっても受けづらい。それよりも客いじりを交えた漫談や漫才の方がよっぽどウケる。

それゆえ僕はこういう場においては必ずと言っていいほど【リズム貴乃花】という貴乃花のモノマネとリズムを交えた漫談を選択する。

そして爆笑をかっさらう。芸術点はいらない。それで良い。

しかしこのライブの不思議なところはチガワンと言っているように茅ヶ崎ナンバーワンを決める投票制のライブなのだ。

あまりこう言ったライブでお客さんに投票させることがないのでとても不思議で新鮮。

それは芸人にとってもお客さんにとっても。

今日は8組芸人が出ていたが3組が「べっぴんさん、べっぴんさん、一つ飛ばして」のパターンをやっていた。

そして客いじりはもちろんネタ中にお客さんに声出しをさせる芸人も複数いた。

僕は気づいた。これはもはや「営業-1グランプリ」だと。

営業能力を競う大会!そう考えるととても面白い大会のような気がした。

(最初に出たうたマンさんと2番手のサンフラワーさんはあまり面識がないので割愛させてもらう。)

三番手のメルヘン総長はいつものノリで歌いながらアコーディオンを奏でる。子供からお年寄りまでハートは完璧にキャッチしていた。特にチューリップの歌からの財津和夫のチューリップに移行した辺りは普段のライブでは見られない圧巻の「お年寄り寄せ」だった。若い客はまず笑わない。

四番手のチバタネヒデさんは美脚を使った脚モノマネ。こちらも子供からお年寄りまで理解できるネタだしなんならフリップはイラストだから外国人でも理解できる。そして圧巻は「こういうのがあと6個続きます!」という営業パワーワードの乱発。「親はこのことを知りません!」や「こう見えて大学中退しています!」など毎回ネタとネタの間に挟む辺りにチバタネヒデの芸歴を垣間見た。

五番手は箸休めサトシさん。この方は普段からツナコメというライブで綱島住民を笑わせているのでこういうライブはお手の物。声出しはもちろん子供いじりも完璧。そして圧巻は舞台から降りての客席まわり!賞レースや事務所ライブなら「汚れが!」とも言われかねない飛び道具。凄かった。

そしてMORIYAMAからのふあん★がーるさん。ふあん★がーるさんは地下歴は長いが割とセンス系なのできちんとフリップで勝負していて素晴らしかった。

順位は1位メルヘン総長、2位箸休めサトシ、3位MORIYAMA、ふあん★がーる。

チバさんは楽屋で「あんだけうけて何でだよ!」と文句を言っていた。

その一言が聞けただけで僕は満足だった。これぞ地下芸人だ。

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