戦士の指輪の謎
はいどうも、守屋日和です。
今回はドラクエ1に登場する戦士の指輪についての考察です。
身に着けても何の効果もない、あの指輪です。
例によって、ロト三部作のネタバレ要素を含むのでお気をつけ下さい。
ロトの盾の考察の時に詳しく触れなかったロトの鎧についても併せて考察していきます。
まずは戦士の指輪
ドラクエ1には装備カテゴリとしての兜が存在せず、武器、鎧、盾と、その他に装飾品がいくつか登場します。
ラダトームの町ではりゅうのうろこが安価で購入出来て、これは特に序盤で頼りになる装備品ですね。
死の首飾りや呪いのベルトは呪いの装備。
自力では外せず、城に入れて貰えなくなります。
うっかり装備してしまったらラダトームの町へ行きましょう。
そして、岩山の洞窟の奥に隠されているのが戦士の指輪です。
特に装備効果は存在せず、リムルダールの町の宿屋近くにいる戦士から「指輪は戦士のたしなみ」とか言われるのに、身に着けて話しかけると「男のくせに指輪をして恥ずかしい奴だ」などと言ってバカにされます。
解せぬ。
ガイドブックの説明によると、勇者ロトの仲間の戦士が身に着けていたものとあるのですが…3を遊んだ人はちょっと疑問に思ってしまう説明ですよね?
何しろ勇者の仲間に戦士が居るかどうかはプレイヤー次第ですからね。
勇者ロトの伝承
1の時代に伝わる勇者ロトについての伝承には、大魔王が現れた時一人の男がアレフガルドの地に降り立ったと言うものが有りますが、これも少々疑問です。
大魔王が現れてから主人公がアレフガルドに辿り着くまでには結構な時間が経過しています。
プレイヤー次第ではありますが、縛りプレイでもなかれば仲間と一緒でしょうし女の子の可能性もあります。
この話、実はオルテガの事なのではないかと。
オルテガならアレフガルドに辿り着いたのはかなり前ですし、火山に落ちた時点で仲間とは離れ離れ。
性別も男で間違いないわけですよ。
勇者ロトの伝承にはオルテガに関する物も含まれており、勇者ロトの話と混同されている可能性もある、と考えて良さそうですね。
仲間の戦士の正体
オルテガに関する話も共に伝わっているとすれば、仲間の戦士と言うのもオルテガの話が変形している可能性が出てきます。
1で戦士の指輪の会話イベントがあるのはリムルダールの町ですが、3でオルテガが命の指輪を預けた戦士が居るのもまたリムルダールの町。
そして指輪は、宿屋に隠されています。
単なるオマージュとも採れますけど、400年の時間経過の中で伝承が変形して仲間の戦士と言う事になってしまったとも考えられます。
3に登場する指輪と言えば祈りの指輪と命の指輪ですが、前者はMP回復効果の使用アイテム。
HP回復効果があるアクセサリーで必然的に前衛職に持たせる事が多いだろう事からしても、戦士の指輪の第一候補は命の指輪の方でしょう。
勇者オルテガの軌跡
アリアハンを旅立った勇者オルテガは世界各地を巡り、もう一人の勇者サイモンと合流して魔王バラモスに挑む事になりました。
サイモンはサマンオサ王に化けたボストロールの陰謀で嘆きの牢獄に幽閉されてしまいます。
一方待ち合わせの場所であったネクロゴンドの火山では、バラモス配下の魔物に襲われたオルテガは火山に落下してしまいます。
勇者オルテガが火山に落ちて亡くなったと言う知らせがアリアハンに届いた頃、当のオルテガは闇の世界アレフガルドに辿り着いていました。
この時、魔物との戦闘と火山への落下が重なった為に重傷を負い、しばらくは療養に専念する必要があったようです。
活動可能になった後もアリアハンに帰還しなかった事からすると、オルテガはルーラが使えなかったと考えられますね。
愛する妻子の元へと帰るには、もう大魔王ゾーマを撃破してルビスを解放するしかない、と考えた事でしょう。
ゾーマ討伐を急ぐオルテガは、妻子に会いたい一心で泳いで魔の島へと渡る決意を固めた様ですね。
主人公が虹の橋を架けるよりも前に魔の島に渡っていると言う事は、泳いで渡ったとしか考えられません。
重たい鎧兜や盾などは手放し、泳ぐのに邪魔にならない最低限の装備をおそらくはマントに包んで体に括り付け、パンツ一丁で泳いだことでしょう。
そうして残された装備は手袋とブーツと斧とマント、この内マントを兜代わりに頭から被って、完成したのがあのカンダタスタイルのオルテガと言う事になります。
泳いで渡るにあたってうっかり失くしてしまわない様に、たとえ戦いが不利になってしまうとしても指輪を預ける事にしたと考えると、オルテガにとってあの指輪は相当大切なものだったと推察されますね。
男のくせに指輪などをつけて、等と言われる様な時代のゲームですし、特にオシャレと言う訳でもなさそうなオルテガさんです。
おそらくは結婚指輪等の思い出の品であり、ぜったいに失くせないものだったのでしょうね。
そんな大事な大事な指輪は、主人公が勝手に受け継ぐわけですけど。
オルテガの最期
善戦むなしくキングヒドラに敗れたオルテガは、目の前にいるのが自分の子供だとは気づかないまま最期を迎えます。
ゾーマ撃破後は城が崩れてしまいますし、遺体は回収されないままと考えるべきでしょうね。
リメイクで追加されたオルテガの兜は一旦置いておくとして、形見の品は命の指輪のみ。
ゾーマ城の地下深くで亡くなったオルテガの供養の為に、近い位置にある岩山の洞窟の地下に形見の指輪を安置した、と言う解釈も出来ますよね。
ピラミッドの探索の折に、地下に墓を設けたり大事なものを安置したりすることは鮮烈な印象を残したでしょうしね。
さて、残る問題は指輪のヒーリング効果は一体全体どこに行ってしまったのでしょうか、と言う点です。
光の鎧のお話
ヒーリング効果と言えば光の鎧ですね。
後のロトの鎧とされる、ラダトームに伝わる伝説の装備の一つです。
ロトの鎧と同様にヒーリング効果のある鎧ですが、何故かこの時点ではダメージ床無効の効果はありません。
この効果は3から1までの400年の時間経過の中で付加された事になるわけですけど…
10やヒーローズのアクセサリー合成の様に命の指輪の力を光の鎧に移植し、ヒーリング効果が重複してダメージ床無効効果に変換された…あると思います。
力を失った指輪本体は形見として岩山の洞窟に、新たな力を付加された光の鎧は近くのドムドーラの町に。
いつしかロトの鎧と呼ばれる様になり、巡り巡ってゆきのふの手に渡ったと、そう言う事ではないのでしょうか。
ロトの石板にメッセージを残した点だけを見ても、勇者ロトは後の世に現れるかも知れない新たな脅威を警戒し、それに立ち向かうであろう己が子孫の身を案じていた事は明白です。
上の世界とは切り離されルイーダの酒場の存在しないアレフガルドです。
自分の時よりも厳しい条件になるかも知れないと考え、どうにか子孫の力になろうとして、光の鎧の強化を考えたのでしょう。
以前の考察を含めて考えると、勇者の盾は北の洞窟に自分の遺体と共に埋葬する事にしており、王者の剣は竜の王子に預けているので、必然的に直接子孫に残す装備は光の鎧のみと言う事にもなりますから、その辺りにも合致していますね。
謎はすべて解けました。
まとめます
勇者オルテガは、一刻も早くゾーマを倒してルビスを解放し、元の世界へと帰ろうとした。
その為に魔の島へは泳いで渡る決断をし、失くしてしまわない様に命の指輪=大切な結婚指輪をリムルダールに預け、それを勇者ロトが受け継いだ。
父オルテガを看取った勇者ロトは遠い子孫の為に様々な準備をし、その一環として指輪の力を光の鎧に移す事で強化しようとして、結果的にダメージ床無効効果が付加された。
力を失った命の指輪はオルテガの形見として、供養の為にゾーマ城近くの岩山の洞窟に安置された。
勇者ロトとその父オルテガにまつわる伝承が400年の時間経過の中で変形して行き、命の指輪はロトの仲間の戦士が身に着けていたもの、として伝わる事になった。
こんな感じでどうでしょうか。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
またのお越しをお待ちしております。
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