#ブラボ考察 工房の歴史
ゲールマンの工房、医療教会の工房、そしてオト工房と火薬庫の歴史について整理します。
特に目新しい話はないですが、ネタバレを嫌う方はご注意ください。
まずはゲールマンの工房から。
ゲールマンの工房
(ゲールマンの狩装束)
最初の狩人、ゲールマンの狩装束
まだ工房はなく、日常の衣服を調整したものであるが
これが後の狩装束の原型になっていった
狩人が、速さを重視し、狩装束はごく軽いものとする傾向は
ゲールマンと、彼の戦闘スタイルが源流にあるのだろう
ゲールマンは最初の狩人です。
彼が日常の衣服を調整して狩装束とした時点ではまだ工房は存在しなかった。
狩人として活動する様になった後に工房を立ち上げ、武器や狩装束を彼に師事する後輩狩人たちに提供するようになっていった、と言う事ですね。
(狩人の装束)
工房の用意する、標準的な狩装束の1つ
血を払う短いマントのついたもの
優れた狩装束であり、ヤーナムを蠢く人ならぬ獣に対するとき
安定した防御効果を発揮するだろう
夜に紛れ密かに獣を狩る、そのための装束である
ゲールマンの時代の狩りは夜に紛れ密かに行うものであり、彼が用意する装束も動きやすさを重視した物の様です。
(葬送の刃)
最初の狩人、ゲールマンが用いた「仕掛け武器」
すべての工房武器の原点となるマスターピースであり
その刃には、星に由来する希少な隕鉄が用いられている
ゲールマンは狩りを、弔いになぞらえていたのだろう
せめて安らかに眠り、二度と辛い悪夢に目覚めぬように
(慈悲の刃)
狩人狩りに代々受け継がれる、特別な「仕掛け武器」
最も古い工房の武器の1つ
仕掛けにより2枚に分かれる、その歪んだ刃には
星に由来する希少な隕鉄が用いられ
ステップなど、高速にのった攻撃で真価を発揮する
ゲールマンの手になる最古の工房武器2つには、星に由来する希少な隕鉄が用いられているとあります。
葬送の刃が工房の仕掛け武器の原典と言うのは、その機構を継承したらしい武器が存在する点からも分かりやすいですね。
慈悲の刃にはそうした説明は有りませんが、2枚に分かれる点は落葉に由来するのかも知れません。
(落葉)
時計塔の女狩人、マリアの狩武器
カインハーストの「千景」と同邦となる仕込み刀であるが
血の力ではなく、高い技量をこそ要求する名刀である
マリアもまた、「落葉」のそうした性質を好み
女王の傍系でありながら、血刃を厭ったという
だが彼女は、ある時、愛する「落葉」を捨てた
暗い井戸に、ただ心弱きが故に
形状は全く異なり文章での説明もありませんが、落葉もまた2本に分離して二刀流になる武器です。
機構やデザインはともかく、発想のルーツとなっている可能性はありますね。
(小アメンの腕)
アメンドーズと呼ばれる上位者たち
その中でも小型な個体の、腕の一本
厳密には「仕掛け武器」でも何でもないが
異常者の中には、これを武器として振るう者がいる
通常は骨の塊、硬く大きな鈍器のようだが
これを伸ばし振るうとき
先端は、未だ生きているように蠢くという
(扁桃石)
網目の張った歪んだ石
網目の張った歪んだ石。あるいは隕石の類だろうか
無意味なようで、だがこれを手放せぬ、不思議な引力がある
あの、おかしな男は言っていた
大聖堂の右方、隠された古教会を訪れたまえ
…それは神秘、きっと狩りの力になる
扁桃石は蜘蛛のパッチによってもたらされるキーアイテム。
悪夢の辺境へと至りアメンドーズと対峙するのに用います。
ヤハグルを攻略すれば教室棟2階に行けるので、厳密には扁桃石がなくとも教室棟1階を通り悪夢の辺境へ進む事は可能ですけどね。
扁桃石はアメンドーズの頭を模していて、その素材は隕石の類だそうです。
もしかしたら小アメンの腕が仕掛け武器の原点、葬送の刃のそのまた原点であり、そしてまた素材となった希少な隕鉄そのものと言う可能性も考えられます。
ただしこの解釈だと、小アメンの腕が教会武器に分類されている事に説明がつかない事が問題ですが。
(獣狩りの曲刀)
古い狩人の用いた「仕掛け武器」
曲がった刀身の内側にも、追加の刃が仕込まれ
変形前は、長柄の曲刀として縦横に振るう事ができる
また変形により刃を畳み、短い連撃を叩き込む
柔軟な戦術を可能とする「仕掛け武器」であったが
やがてノコギリなど、より獣向けの武器に取って代わられた
ノコギリが一般化する以前の古い工房武器には、ゲールマンの葬送の刃の変形前を連想させる獣狩りの曲刀があります。
後のノコギリ鉈やノコギリ槍に通じるシンプルな折り畳み型の機構なので、それらのルーツと考えて間違いないでしょう。
葬送の刃の変形後の鎌状態に用いる、折り畳み式の柄の部分とも似通っていますね。
(ノコギリ鉈)
狩人が獣狩りに用いる、工房の「仕掛け武器」の1つ
変形前は人ならぬ獣の皮肉を裂くノコギリとして
変形後は遠心力を利用した長柄の鉈として、それぞれ機能する
刃を並べ血を削るノコギリは、特に獣狩りを象徴する武器であり
酷い獣化者にこそ有効であるとされていた
(ノコギリ槍)
狩人が獣狩りに用いる、工房の「仕掛け武器」の1つ
変形前は人ならぬ獣の皮肉を裂くノコギリとして
変形後は距離をとって戦う槍として、それぞれ機能する
刃を並べ血を削るノコギリは、特に獣狩りを象徴する武器であり
酷い獣化者にこそ有効であるとされていた
葬送の刃→獣狩りの曲刀→ノコギリ鉈→ノコギリ槍と言う流れと考えるとしっくり来ます。
ノコギリ槍まで来ると、変形の前後共通でノコギリ特性があったり、デザイン的にも洗練されて来ています。
ゲールマンの工房の主要な武器としては、大体この辺りが最終到達点と言えるでしょうか。
次は医療教会の工房についてです。
医療教会の工房
医療教会の工房に関しては、医療教会の狩人についても合わせて考える必要があります。
そして、そこへ至るのに必要なオドン教会の扉の開き方についても合わせて確認して行きましょう。
(助言者ゲールマン)
今宵は月も近い。獣狩りは、長い夜になるだろう
もし獣が君の手にあまり、大きく恐ろしいのならば、聖杯を求めるとよい
かつて多くの狩人がそうしたものだ
聖杯は神の墓を暴き、その血は狩人の糧になる
…聖体を拝領するのだ…
聖杯の多くは、神の墓そのものにあり…
地上に持ち帰られた聖杯は、ごく少ない
その行方も分からないものばかりだが…
懐かしい狩人たちの話が、今もそのままであれば
聖杯の1つは、谷あいの市街に祀られているはずだ
だが、今やそこは…
獣の病が蔓延し、棄てられ焼かれた廃墟、獣の街であると聞く
…狩人に相応しい場所じゃあないかね
聖杯の1つは、谷あいの市街に祀られているはずだ
獣の街…狩人に相応しい場所じゃあないかね
ここで語られる谷あいの市街とは、医療教会によって焼き払われ見捨てられたヤーナム旧市街の事です。
その最奥、聖杯教会のボスである血に渇いた獣を倒す事で、1つ目の聖杯であるトゥメルの聖杯が手に入ります。
(トゥメルの聖杯)
聖杯教会に安置されていた儀式聖杯
狩人の夢、墓の祭壇で儀式を行えば
地下遺跡の封印は解けるだろう
聖杯は神の墓を暴き、その血は狩人の糧になる
…聖体を拝領するのだ…
ストーリー上、最初に挑む事が出来る聖杯ダンジョンですね。
聖杯教会を攻略した後で狩人の夢に帰ると、ゲールマンから新たな助言が得られます。
(助言者ゲールマン)
医療教会、今やそう呼ばれる血の医療者たちは
古い狩人、ルドウイーク以来、狩人の庇護者でもあり
独自の工房を持ち、武器を作った
…彼らの多くは、もはや狩人を忘れているようだが
それでも、それは狩人の役に立つものだ
だから君にも、先人たちの遺言を伝えておこう
「オドン教会を上りたまえ」
「オドン教会を上りたまえ」
…その先に、教会の工房があるはずだ
オドン教会の閉ざされた扉は開かれ、上ったその先には医療教会の工房があります。
その医療教会の工房の最上階には剣の狩人証があります。
(剣の狩人証)
剣の狩人証。銀の剣は、教会の狩人の象徴でもある
かつて医療教会の工房が発行した、狩人証の1つ
銀の剣は、教会の狩人の象徴でもある
ルドウイークを端とする医療教会の狩人は
また聖職者であることも多かった
そして、聖職者こそがもっとも恐ろしい獣になる
剣の狩人証手に入れる事で購入できる様になるのが、ルドウイークの聖剣です。
(ルドウイークの聖剣)
特に医療教会の狩人が用いる「仕掛け武器」
教会の最初の狩人、ルドウイークが用いたことで知られ
銀の剣は、仕掛けにより重い鞘を伴い、大剣となる
ルドウイークを端とする医療教会の工房は
狩人に、老ゲールマンとは別の流れを生み出した
より恐ろしい獣、あるいは怪異を狩るために
ルドウイークに関してゲールマンの口から古い狩人などと言われると少し混乱しますが、あくまでも現在で言う古狩人のカテゴリを指しているものと解釈します。
医療教会の工房が狩人に老ゲールマンとは別の流れを生み出した、とある事からゲールマンの現役時代よりも大分後であると考えるべきでしょう。
聖職者こそがもっとも恐ろしい獣になり、それに対抗する為の武器を提供していたのが医療教会の工房です。
そして、そこに所属する狩人が医療教会の庇護を受け教会の狩人と呼ばれる組織となった。
それがルドウイークを端とする医療教会の工房、および狩人と言う言い回しの意味する所でしょう。
(ヤーナムの狩装束)
医療教会の最初の狩人、ルドウイークは
かつてヤーナム民の中に狩人を募った
これはそのための狩装束であり、単純な防御力に優れる
尤も、常人が獣に挑むとすれば、気休め程度のものであろうが
ゲールマンの直弟子かは不明ですが、少なくとも古狩人の1人であったらしいルドウイーク。
彼が何らかの経緯で医療教会に所属する事となり、工房を立ち上げ管理を任されるに当たって、ヤーナム市民の中から新しい世代の狩人を募る事となった。
常人である彼らが着た場合を想定して、動きやすさよりも防御力を重視したものがこのヤーナムの狩装束である、と言えるでしょう。
さて、ゲールマンの工房と医療教会の工房、この2つの工房は地理的には隣接しています。
医療教会の工房の下部に広がる崩れかけた縦穴を下りて行くと、棄てられた古工房に辿り着きます。
狩人の夢とそっくりな、と言うよりは狩人の夢がこの古工房にそっくりなんですけど、残された品々からここがゲールマンの工房である事が分かりますね。
医療教会の活動に武器や人手を提供していたのがゲールマンの率いる古狩人と古工房の関係者で、医療教会内に独自の工房を立ち上げる際にも、そのまま技術や資材を提供し引き継いだものと考えられます。
初期は、2つの工房が同時に機能していた事でしょう。
ルドウイークがどういった経緯で医療教会の重要ポジションに着いたのかは、明確に説明した文章は見つけられませんでした。
ただし、DLC狩人の悪夢で戦うことが出来る醜い獣ルドウイーク・聖剣のルドウイークの姿から推察する事が出来ます。
重要視したいのは、ルドウイークの纏っている衣装のデザインが処刑隊の装束に似通っている点です。
と言う事で、次は処刑隊に関して。
処刑隊
(処刑隊の装束)
かつて殉教者ローゲリウスが率いた処刑隊の装束
後の教会装束の基礎であり、聖布も厚く垂らされている
殉教者ローゲリウスは言った
「善悪と賢愚は、何の関係もありません
だから我々だけは、ただ善くあるべきなのです」
アルフレート君が着ている、あの処刑隊の装束です。
処刑隊の衣装が教会装束の基礎であり、処刑隊に所属していたと思しきルドウイークは医療教会の狩人や工房の組織化に貢献した人物です。
カインハーストの地で浄化が行われ、それに伴い多くの知識や技術が持ち帰られ、その働きや功績もあって要職に就いたと考えられます。
処刑隊とルドウイークの繋がりを感じさせるアイテムは、他にもいくつか存在します。
(ローゲリウスの車輪)
かつて殉教者ローゲリウスが率いた処刑隊の武器
カインハーストの穢れた血族を叩き潰し
夥しい彼らの血に塗れ、いまやその怨念を色濃く纏っている
車輪仕掛けの起動により、怨念を解放すれば
その素晴らしい本性が露わになるに違いない
(車輪の狩人証)
車輪の狩人証。教会の秘密工房のもの
殉教者ローゲリウスが率いた処刑隊
その専用工房が発行した証。車輪は正しい運命である
それは狂的な信仰と神秘主義に彩られた秘密の場であり
処刑隊の正義を支える力となった
処刑隊の専用工房であったと言う教会の秘密工房に関しては、他に語られていないので謎だらけです。
ただし、処刑隊が結成された時点では影の存在であった工房が、ルドウイークの英雄化に伴って表立った組織へと変化していった、とも考えられますね。
(ルドウイークの長銃)
特に医療教会の狩人が用いる長銃
教会の最初の狩人、ルドウイークが用いたことで知られ
長く重い砲身は、速射性を犠牲に射程距離を高めるものである
ルドウイークを端とする医療教会の工房は
狩人に、老ゲールマンとは別の流れを生み出した
より恐ろしい獣、あるいは怪異を狩るために
ルドウイークの用いたと言う長銃に見られる車輪モチーフは、他のいくつか教会銃にも共通のデザインですね。
(教会の連装銃)
特に医療教会の狩人が用いる連装銃
ほぼ金属製で、複雑な機構を有するこの銃は
一射撃で二発を発射し、水銀弾の消費も早い
工房の銃よりも慎重な、切り札的な運用が必要になるだろう
(教会砲)
医療教会の用いる大型銃。大砲の一種
曲射と、着弾における爆発が特徴となる
元々、脳の麻痺した大男たちの使用を想定したものであり
尋常な人の狩人では扱うことは困難である
だが結局大男たちも、火器を扱う知性を持たず
この武器は呆気なく死蔵されたという
教会砲なんかは大砲やガトリング銃にも繋がるかも知れませんが、デザイン自体は処刑隊を連想させる見た目をしてますよね。
処刑隊専用と言う秘密工房に関しては判断材料が少ないのでなんとも言えませんね。
次はとオト工房、カインハーストとの繋がりや火薬庫への流れについて。
オト工房と火薬庫
(時限爆発瓶)
時限式で爆発する仕掛け火炎瓶。特殊な狩道具
古い一会派、オト工房の手になる特殊な狩道具
地面に投げ刺し、時限式で爆発する仕掛け火炎瓶
複雑な機構を使い捨てる、およそ非効率な狩道具であるが
ごく一部、搦め手の狩人が好んだという
それは、後の「火薬庫」に繋がる萌芽であろう
(撃鉄の狩人証)
撃鉄の狩人証。古い一会派、オト工房が発行したもの
工房の異端「火薬庫」の前身となる一会派
オト工房の発行した狩人証
独自の発想と、複雑な機構。そして奇妙な武器
「火薬庫」の哲学は、この頃既に息づいていた
(貫通銃)
工房の異端「火薬庫」の前身となる一会派
オト工房の手になる長銃
狭く細い街路での狩りを想定し
銃弾の貫通性能に特化した調整がなされており
一方で迎撃などには適さない
古い一会派と言う言い方からして、医療教会内にオト工房と言う組織が存在していた事になります。
その後医療教会の工房が正式に立ち上がった際に吸収され、火薬庫と言う異端者の集まりに落ち着いた、とも考えられるんですが…
火薬庫の武器はアイテム分類的には教会ではなく工房、つまりはゲールマンの工房の方に分類されているんですよね。
医療教会の工房とは方向性が合わずに独立し、ゲールマンの工房側に移って活動を続けたと言うのが正確かも知れません。
貫通銃の説明文を見ると、あるいは旧市街での戦いで使用されたものかもしれませんね。
撃鉄の狩人証のデザインは、所謂フリントロック式と呼ばれるタイプの銃の撃鉄のもので、エヴェリンがこれに当て嵌まります。
(エヴェリン)
カインハーストの騎士たちが用いた独特の銃
水銀の弾丸を用いることでは工房の銃と変わらないが
カインハーストのそれは、より血質を重視する傾向がある
女性名を冠されたこの銃は、意匠にも凝った逸品であり
騎士たちによく愛されたという
エヴェリンはカインハーストの騎士が用いた銃です。
そして、カインハーストの騎士が用いた剣にはレイテルパラッシュがあります。
(レイテルパラッシュ)
カインハーストの騎士たちが用いた武器
大型の騎士剣と、彼ら独特の銃を組み合わせたもの
古くから血を嗜んだ貴族たちは、故に血の病の隣人であり
獣の処理は、彼らの従僕たちの密かな役目であった
従僕を騎士と呼び習わせば、せめて名誉があるものだろうか
レイテルパラッシュは大型ではありますが所謂レイピアの様な刺突剣で、変形すると銃としても使える変わり種の右手武器です。
これと似た銃に変形する刺突武器がもう1つ、銃槍と言う武器があります。
(銃槍)
工房の異端「火薬庫」の手になる「仕掛け武器」
簡易な銃と、槍を組み合わせた試作品であり
失われたカインハーストの武器を見真似たものとも言われている
単体として特筆すべき性能を持つ武器ではないが
銃にもなる「仕掛け武器」は、他にはない特別なものだ
(火薬の狩人証)
火薬の狩人証。工房の異端「火薬庫」が発行したもの
工房の異端として知られる「火薬庫」が発行した狩人証
複雑な機構構造と、爆発的な威力にこそ魅力を見た彼らは
それまでの工房とは一線を画す、奇妙な武器を生み出した
今は亡き「火薬庫」は嘯いたものだ
「つまらないものは、それだけでよい武器ではあり得ない」
レイテルパラッシュの方の説明文では仕掛け武器とは言ってないので、確かに銃にもなる仕掛け武器は銃槍が唯一ですね。
レイテルパラッシュを見真似て銃槍を作ったのが火薬庫で、それはオト工房の後継組織です。
それまでの工房とは一線を画す言う表現からして、あくまでも比較対象はゲールマンの工房の流れを指している様に思えます。
今は亡き、嘯いたと言う表現からすると、組織として火薬庫が存在したと同時にその二つ名で呼ばれた、一個人としての火薬庫が存在したのでしょう。
そして失われたカインハーストと言う文言から、処刑隊が編まれカインハーストに乗り込み浄化を行ったのより後の事である事は明白です。
今回は工房メインの考察なので、ローゲリウスやアルフレートに関しては別記事を設ける事として、火薬庫関係をもう少し深堀りして行きましょう。
(パイルハンマー)
工房の異端「火薬庫」の手になる異形の「仕掛け武器」
古い狩人デュラの愛用武器としても知られる
複雑怪奇な機構により、ごく太い杭を叩きつけるように打ち出す
一撃必殺の武器であり、隙も大きく、使用難度は高い
もっとも、その使い難さこそが「火薬庫」の所以であるようだ
複雑怪奇な機構と言う部分に関しては、レイテルパラッシュや銃槍の変形機構を元に、それを攻撃に活かす方向に発展させた方向の完成形と言えそうですね。
古狩人のデュラさんにも注目です。
(爆発金槌)
古い狩人の用いた「仕掛け武器」
工房の異端「火薬庫」の手になるもの
小炉付きの巨大な金槌であり、撃鉄を起こした後の一撃は
火を巻き、着弾時に激しい爆発を起こす
獣を叩き潰し、焼き尽くす
その端的な攻撃性は、獣を憎む狩人たちに好まれたという
エヴェリンの様な純粋な銃や、レイテルパラッシュや銃槍の様な撃鉄や火薬を用いた機構を、射撃ではなく本体を燃やして爆発的な破壊力を得る方向に進化した物。
(回転ノコギリ)
工房の異端「火薬庫」の手になる異形の「仕掛け武器」
古い狩人、獣喰らいのヴァルトールの得物としても知られている
通常は、獣を殴り倒す槌鉾の類であるが
その真価は追加部の回転ノコギリにある
辺縁にノコギリの刃を配した円盤を、複数重ねたそれは
機構により高速で回転し、獣皮と肉を細切れに削り取っていく
変形前はメイス状態で爆発金槌に近い運用ですが、変形後はチェーンソーを思わせる強力な回転ノコギリになる、大変強力な武器ですね。
回転機構は、車輪を連想させるものです。
(ガトリング銃)
古狩人デュラが旧市街で用いた設置型機関砲
これを手持ちできるよう無理矢理に改造したものであり
デュラの三人の仲間、最も若い一人が用いたという
極めて高い連射性能を持つが
ごく重く、また水銀弾を急激に消費する
扱いの難しい武器と言えるだろう
ガトリング銃に関しては火薬庫作とは語られていませんが、火薬庫と交わりのあったデュラとその仲間の用いた武器と言う事で、無関係ではないものと思います。
ガトリング銃を装備した狩人は狩人の悪夢に登場して、その銃撃で苦しめてきます。
〇して奪い取りましょう。
(大砲)
かつて医療教会の工房が試作した大型銃
設置型の大砲を、そのまま手持ち銃としたような代物であり
バカげた重さ、反動、また水銀弾の消費量により
当時、実用化されるはるか前に廃棄されてしまったもの
だが、絶望的な大敵に対するならば…
大砲に関しては医療教会の工房の作と語られているにも関わらず、教会武器ではなく工房武器に分類されています。
設置型の大砲を手持ち銃としたと言う辺りにガトリング銃との発想の類似性が感じられます。
教会砲の流れを汲んでいるともとれますね。
実用化される前に廃棄されてしまったとありますが、この武器がオト工房作であるなら、この件がきっかけでゲールマンの工房に移り火薬庫を結成する事になったとも考えられますね。
と言う事で、ゲールマンの工房から医療教会の工房への流れと、処刑隊の秘密工房やオト工房から火薬庫の流れが絡み合って訳が分からない感じでしたが、一応の整理が付きましたかね?
オマケとして、医療教会の変人アーチボルトの話を。
アーチボルト
(雷光の狩人証)
教会工房の変人、アーチボルドの仲間の証
医療教会の工房で変人として知られた
アーチボルドの仲間の証。彼が勝手に発行したもの
黒獣が纏うという青い雷光に魅入られた彼は
生涯をその人工的再現に捧げた
ある意味それは、極めてビルゲンワース的であったろう
アーチボルトと言えば黒獣です。
黒獣は青い雷光を纏うと言う実に神秘的な獣で、その探求に明け暮れたと言うアーチボルトはビルゲンワース的、と言うからには直接ビルゲンワースの学徒と言う訳ではなかったのだろうと思われます。
(トニトルス)
医療教会の工房で変人として知られた
アーチボルドの手になる独特の「仕掛け武器」
この奇妙な鉄球の槌は、マッチのように擦ることで
黒獣が纏うとされる青い雷光を人工的に再現する
ただし当時の狩人には、あまり好まれなかったようだ……
このトニトルス、説明文の内容に反して教会武器ではなく工房武器に分類されています。
大砲と同じパターンですね。
あるいは変人過ぎて教会の工房を追い出されて、ゲールマンの工房に拾われた後に完成させたと言う事かも知れませんが。
(小さなトニトルス)
地面に突き刺し、青い雷光を発する
医療教会の工房で変人として知られた
アーチボルドの手になる独特の「仕掛け武器」トニトルス
これは、その奇妙な鉄球槌の同型であり、水銀弾を触媒とするもの
地面に突き刺し、黒獣が纏うという青い雷光を人工的に再現する
触媒の効果は高く、雷光は強い
アーチボルドの傑作とされる所以である
こちらはアイテム仕様で雷をだす、分類的には秘儀になるものです。
見た目はそっくりですが、右手武器のトニトルスとは違って壊れない代わりに水銀弾を必要とします。
こちらは傑作とされている様なので、やはり壊れやすいのが嫌われたんですかね、トニトルスの方は。
(雷光ヤスリ)
武器に雷光を纏わせる特製のヤスリ
これを擦ることで、武器に雷光を纏わせる特製のヤスリ
医療教会の工房で変人として知られたアーチボルドの発明品であり
黒獣が纏うとされる青い雷光を人工的に再現する
彼の手になる奇妙な武器とは違い、こちらは好む狩人もいたという
特に、一度でも黒獣に見えた者であれば
雷光ヤスリは擦る事で雷光を纏わせる点はトニトルスと同じで、これ自体が消耗品です。
これも好む狩人がいたそうです。
壊れやすいのが問題と言うよりも愛用の武器を手放しなくない、それを強化出来るなら万々歳、と言った感じかも知れませんね。
(発火ヤスリ)
武器に炎を纏わせる特製のヤスリ
これを擦ることで、武器に炎を纏わせる特製のヤスリ
医療教会の工房による狩道具の1つ
かつての旧市街の悲劇でそうであったように
病の浄化の偏見もあり、獣狩りに炎はつきものである
だからだろうか、ある種の獣は病的に炎を恐れるという
こちらはアーチボルト作とは言っていません。
ただし擦る事で炎を纏わせる点では、使用法が雷光ヤスリと共通していて見た目も酷似しています。
アーチボルトが出て行った後に、その技術を応用してより実用的、獣狩りに適した炎バージョンのヤスリを作成した、と言った事情かも知れませんね。
(獣の爪)
背教者イジーの用いた獣の武器
忌まわしい不死の黒獣、その長骨を奪い、削り
縛り付けたこの武器は
いまだ生き、解放により使用者を一時の獣性に導く
獣性は攻撃により、傷つき裂ける肉と返り血により高まり
それを続けることで、更なる力と快楽を、使用者にもたらすだろう
黒獣と言えばこれも忘れてはいけませんね。
まあ、こちらはアーチボルトは関係なさそうですし、特に雷光を纏ったりとかもないですけど。
ここでは不死の黒獣と言われていて、まるで上位者の様な言い回しなのですが。
黒獣は神秘の雷光を纏っているあまり血の匂いのしない獣なので、上位者やその眷属に近しい存在であるのかも知れません。
獣の爪と獣の抱擁のカレルの組み合わせの件もありますし、獣の抱擁を持っているローレンスは神秘の炎を纏った神秘的な獣ですしね。
と言う事で工房の歴史についてのまとめはこんな所で。
後で読み返したら気になる所もありそうですが、何かあればツッコミの方を宜しくお願いします。
次はローレンスメインの記事を上げられたら良いのですが…と言うか工房やルドウイーク関連の話題を分ける為にこれを先に書いておくことにしたんですけどね。
短い文章の中にも情報量が多い多い。
考察しがいがあってマジェスティックですね。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
次回のnoteもよろしくお願いします。