2月20日

2月20日。

まだ洗い物が残っている。洗い物担当。洗い物が楽しみ。貯めに貯めてから洗いたい。寒波は今日がピークという噂もある。みなさん風邪ひかないで。風邪ひきそうなったら葛根湯とか飲んで温かくして寝ましょう。

1、今日の大きな出来事。
2、今日の小さな出来事。
3、あれば今日の特別な事。

1、今日の大きな出来事。

クリーン。初めての現場、初めてのドライバー、初めての作業員。完全、初対面の面子。トラックに乗り初めまして守谷です。よろしくお願いします。優しそうなドライバーさんだ。もう1人の作業員が来る前に挨拶を済ます。

ドライバーさんが自分の小さめのノートを開いて何か見ている。中身をチラッと横目て見る。手帳のようなカレンダーを自作で書いている。そこに毎日名前が書かれている。何月何日に誰と仕事をしたか全て書いているようだ。

噂で聞いたことがあった。全てノートに書く人がいると。作業員の仕事態度とか特徴とか書いているそうだ。内容まではさすがに見れなかった。

今日のもう1人の作業員さんは〇〇さんです。と教えてくれる。そしてノートを開きペラペラとページを戻っている。

何ヶ月前の〇月〇日にこのトラック乗ってます。とノートを指差し証拠を見せてくれる。何回目ですね。こんな感じの作業でした。と仕事態度や動きを説明してくれる。もう1人の作業員さんと自分の関係を説明してくれる。そしてもう1人の作業員さんがトラックに乗り込んできた。

全く違う人だった。

間違えてるよ。とか自分が間違えてたのかなとか全く無しででは出発します。

んえ?聞かなくてええの?あなたが思っていた人と全く違う人だよ。経緯に触れる事もなく出発します。

車の移動中に違う人じゃないんですか、大丈夫ですか?とドライバーさんに聞いてみる。間違えて出発してたら他のトラックに迷惑かかる。元々乗る予定だった人が急遽来れなくなって代わりに来たのかもとか、大丈夫かなという心配の思いで聞いた。

ゆっくりなんとなく言いづらそうにドライバーさんは返答してきた。

守谷さんがこの車乗るのは聞いてませんでした。
後から来た作業員さんは乗るの聞いていた。

俺が違うかったんかい!

ここ乗るように指示されましたよ。

たぶん元々来る人が来れなくなったのかもですね。

俺が代わりかい!

ほな最初乗り込んで挨拶した時に言わないと!聞かないと!ここ乗るように指示受けましたか?と。

ノート見せてもう1人の情報を教えてる場合やあらへんで。

という事で僕は望まれた子ではなかったが作業が始まった。もう1人の作業員さんは前回と違う人だがまたしてもいかつ目の人だった。だが作業が始まると真面目でテキパキ動く。また見た目で判断していた。最近の若者は見た目と中身が全然違う。

自分の経験上、見た目いかつ目の人はふんわり仕事は手を抜く人が多かった。偏見ではなく経験上そうだったが、現代はそれが違う事を理解した。いかつ目やけどええ人や。20代前半。一生懸命寒い中動いてくれる。しゃがんで背中をこっちに向け一生懸命作業している。ズボンからシャツがめくれ肌が出て尻がちょっと見えている。

この寒い中、肌に直接風が当たり絶対その隙間は寒いはず。だがそこも気にせず働いている。いかつ目の見た目なのにちょっと尻が出ている。その一生懸命にギャップを感じ愛おしく思えた。

聞くと音楽をやっているそうだ。データが揃ってきた。クリーンにいるいかつ目の見た目の人は音楽をやっているかダンサーだ。

なんとなく色白でシュッとしてるのは役者だ。2.5次元俳優だ。なんかヘラヘラしていつも誰かとしゃべっているのは芸人だ。そして白髪の人は優しい。とりあえずこれらはもう確定だ。

2、今日の小さな出来事。

先日とても風が強かった日。洗濯物がベランダから飛んで行き2着服がなくなった。だけど飛んで行った服2着は2日後にマンションの下で発見。無事帰ってきてくれた。

そして今日Sさんから写真見せるの忘れてたけど向かいのマンションの柵に汚い青い服が引っ掛けられてるんやけどこれ守谷さんが着てた服に似てるような気がする。

そう言われハッとする。あの風の日飛んで行った2着に気を取られてたけど2着では補えないスペースがあった。もしかしたら違う服も飛んでいるのではないかという違和感。でも何を干したか思い出せずどれか分からなかったので考えるのをやめていた。

青い服というキーワードで思い出す。青い服そういえばない事に。絶対僕のだ。20歳の時に買ったパタゴニアのジャンパーだ。当時の僕からしたらとても高い買い物だった。それを24年間愛用している。もうここまで来たら手放したくはない1着。絶対それだ。

洗濯した時に裏っ返して干したので青い服は裏の黒い方で干していた。写真を見ると襟元から青い部分が見えているジャンパーが木の枝に引っ掛かっている写真。

確定。パタゴニアだ。僕のだ。24年間着ているやつだ。あのスペースはこれだ。見事に収まる。風で飛んでいった3着が全て戻ってきた。

しかもパタゴニアのは1週間以上空いている。すごくないか。これ。すぐに家を出て見に行った。パタゴニアだ。木の枝から取り僕はパタゴニアを抱き締めた。ごめんね、ごめんね。抱き締めた。

後ろでSさんはなくなってること気付いてなかったやん。と冷めた事を言っている。だが見つけてくれたのはSさんなのでお咎め無しだ。

確かに風で飛んで行った日、Sさんはこんなんは絶対見つかるからと慰めてくれていた。僕は見つかる訳ないと言い切っていたが全て見つかって手元に戻ってきた。

根拠のない前向きな発言と思ってたいたが、言い当てた。ほんまに言う通り見つかったな。と言うと自信に満ち溢れた表情で、ほらな。とだけ返してきた。

分かる。僕も逆の立場なら自分の言うてた事が全て当たったことで自信に満ち溢れるだろう。いや、僕の場合はただただイキると思う。カッコいいと思わせるチャンスと捉えるだろう。イキって、ほらな。とキリッとした顔で言っているだろう。さらに、俺の言う事当たんねん。これが年上の経験から導き出した勘や。生きてる時間が違うねん。と凄い人だと思わして、そこで瞬時に切り替えて渋く低い声で、でもほんま戻ってきて良かったな。これだ。これをするだろう。

多分これをしたらSさんはほんまやなー、ありがとう。と否定せず上手く僕を乗せて、それから探し物が得意な人として扱い、何か物がなくなった時に得意やんと乗せられひたすら探させられるだろう。

たぶん、この結末だ。楽しそうだな。

さあ、乗せられていつの間にか担当になった洗い物をしてから寝よう。

3、あれば今日の特別な事。

切れてたので味噌買ったらもう新しい味噌が冷蔵庫にあった。味噌2個は多いぞ。んで、僕が適当に買った方の味噌は口に合わないぞ。困ったものだ。買い物行く前に冷蔵庫を見る癖を付けないとと学んだ夜だった。

それではまた明日。





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