I feel Coke!~CM撮影部からスタートした私のキャリア
大学を出て、CM制作の最大手であった東北新社に就職いたしました。映画と同じフィルムの大きなカメラを使う「撮影部」への入社です。
映画映像志望だった私
前年、私は大学を1年自主留年し、ダブルスクールの形で本格的な「映像表現」の勉強をしてまいりました。少し上の先輩にはすでに商業映画で名を挙げておられた小中和哉さんや、今では日本を代表する世界に誇る映画監督となられた是枝裕和さんがいらっしゃいます。その他多くの映像人を輩出した知る人ぞ知る小さな私塾です。
(是枝さんのオフェシャルサイトを下に貼ります)
CMの映像表現へ憧れる
元々は監督志望でございまして、そうした勉強をしていたのですが、いつしか吸い寄せられるように「撮影」へと向かいます。自分で監督をして、自分で撮影をする。映像表現の方向へ、目標は変化していきました。
時はバブルが始まろうとしている最中、広告のクリエイティブが最高潮に盛り上がっている時代。TVから流れてくるCMの映像表現に度肝を抜かれ、またそうしてクリエーターたちが映画を撮る流れもできてきています。のちに仕事でたくさんご一緒することになる市川準監督などがすでに大活躍されておりました。
昭和が終わり、平成が始まる年。
私の本格的な「撮影」人生がスタートすることとなりました。
そしてI feel coke!
東北新社のCM撮影部に入社して初めての現場。のちにバブル期のキラキラした世界を象徴すると言われたコカコーラのCMです。確かにお金の掛け方やスケールが尋常でないですね。しかし、細部に見ますと、妥協を許さない当時のクリエイティブが光ります。
鋳物でできた大きく重い映画カメラ・アリフレックスをかついで、右往左往の日々。ひたすらフィルムを交換し、ピントを送り、怒られ走る。寝る間もなく現場は異常なほど辛かったですが、最初に体験する世界としてはこれ以上のものはないのかもしれないと最近思います。
コカコーラの缶や瓶を見ると今もあの時の思い出が鮮やかに蘇ってまいります!!