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デジタルで撮るモノクロ写真(その1)〜モノクロ専用デジカメの存在意義はあるのか〜




LeicaM10Monochrome Summilux21mmF1.4

本音を言えば、最初、不要だと思っていました


フィルム撮影を続ける身、従来型のシステムとの差別化も含めて、デジタルではカラーデータからのモノクロ化した方が良い感じておりました。
実際、作業上でもメリットは多く存在します。

特に。
色の濃淡を後から調整できるメリット」これは大きいと感じます。

色の濃淡を後から調整できるメリットは大きい



少し解説いたします。
私たちが目視で認識する色の濃度は、緑が明るく見えて青と赤は暗く見えます。
(光の波長で考えると非常にわかりやすく、詳しくはまたあらためて記事しますが、今回は下記のリンクを参照してください。)


一方で、フィルムの感色性能では、波長の短い青系から緑、オレンジくらいまで同じように感度を持ちます。(各フィルムでは「分光感度」という表をデータ表に掲載されてますのでご参照ください)

人間の見た印象と、少し違うのですね。
どの色調(波長)がどう描写されるか、それを知ることがモノクロ撮影ではとても大事な要素でございました。これはセンサーからカラーフィルターをなくしたモノクロ専用機でも同じとなります。

だから、カラーデータで撮って後作業で色の濃淡を調整する、デジタルではこの方法がメリットが多くむしろその方が良いと、当初の私はそう位置付けておりました。


LeicaM10Monochrom Summilux21mmf1.4

が、しかし、それだけではなかった
モノクロ専用機は何が違ったのか


現在私が使用しているモノクロ専用機はライカM10モノクロームです。
LeicM10Monochrome


以前は初代Mモノクローム(CCD搭載)を使っておりました。

もう、ファーストショットから違いが出ます。
画の力が強い。
先程述べた色の知識などモノクロの経験値は必要となりますが、その辺を熟知すれば(勉強すれば)、驚くほどの力を見せてくれる。
もう随分長く写真をやっておりますが、ゾワっとしました。

モノクロって、どこか視覚情報以外の別の感覚にダイレクトに訴えかけることがございます。
手に取れそうな質感、記憶を呼び起こすトーン、時に音が聞こえる気がしたり、場の湿度や温度を感じたり。
 
これは凄いぞ!

LeicaM10Monochrom fujinon50mm F1.2

デジタルでもモノムロを極めたいと感じています



2022年5月、1冊の書籍を上梓しました。
タイトルは「デジタルで極める完全なるモノクローム」
暗室の鬼と呼ばれるほどにフィルム・モノクロームにこだわりを持つ私、同時に聡明期よりデジタル写真にも関わってきた経験値が合わさって、新しい世界に出会えたと思っています。


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森谷修_photographer
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