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1年間オイルパステル画を描き続けてわかったこと

今年も残すところ僅かとなりました。
皆さんいかがお過ごしでしょうか?
また、今年はどんな1年になったでしょうか?

私の2024年は『水彩表現の迷走』からスタートしました。

これまでメインでやってきた水彩画が、なんだかしっくりこない。
上手くいかない。
楽しくない。

なぜ?
どうすればいい?

自問自答の末辿り着いた答えは、

『自分が楽しめること、達成感のあること、充実感のあることに全振りする』

でした。

自分自身が、今心から楽しめること。
それがオイルパステルでした。

この記事では1年間オイルパステル画を作成して、気がついたことの振り返りと、今後の課題を整理したいと思います。


2024に作成した作品

2024に描いた作品をざっとまとめてみました。

水彩画・オイルパステル 2024

水彩画17作、オイルパステル37作、合計54作品です。

オイルパステルに完全移行したのは大体7月頃なので、年始から半年過ぎているのにもかかわらず水彩画の倍以上の作品を描いていることには、私自身も驚きました(笑)

それだけオイルパステル夢中になり、試行錯誤していたんだなぁと、自分のことなのにちょっとしみじみです。
逆に、水彩画へのモチベが下がっているのも垣間見えます。

こうしてまとめてみると、自分の心の動向を客観的に見れていいですね。

オイルパステルを続けてよかったこと

■常に成長を感じることができた

オイルパステルはまだまだ私にとって未知の画材であったため、まともな作品になるまで時間がかかりました。

作成の途中で、これは失敗だなと思うことはオイルパステルに限ったことではありませんが、使いこなせていないぶん心が折れそうになることは多かったです。

しかし『どんなに途中で上手くいかなくても最後まで描く』という、自分のルールを設けていたので、投げ出すことは1度もありませんでした。

加えて、途中で失敗しそうだと思っても、最終的に失敗に終わったことも一度もありません。

根気よく描き続けることで、たくさんの発見があり、対処法や応用がわかってきます。

それが正解かどうかはわかりませんが、
そのたびに自分自身の成長を感じ、描き終わった後の充実感や達成感に繋がる感覚がとても気持ちよかったです。

上記の記事にも書きましたが、人間は何かを達成した時よりも、成長や前進感を得た時に幸福を感じるそうです。

私にとって、使い慣れないオイルパステルを使うことは、かえって幸福度を上げるきっかけになりました。

上手くいかないから成長を感じる機会が多くなる。
成長の大小に関わらず幸福を感じることができたのは、オイルパステルが私にとって『簡単ではない不慣れな画材』であったことがポイントだったように思います。

■柔軟性が身についた

オイルパステルを始めた頃は、「ぼかしのテクニックは使わない!」と頑なに決め込んでおりました。今思うとただの頑固野郎です。

ぼかしのテクニックを使わなかった理由は『油彩画みたいに、絵具のタッチがそのまま活かされた作品を描きたい』という単純な理由でした。


ぼかし無しで描いた夕景

『印象派の作品みたいでいいね!』と一部の人からは好印象でしたが、
あまりに「絶対にぼかさないぜ!」と意気込んだところで学びは何もないということは自分でも薄々感じておりました。

自分の意味不明なこだわりが成長の妨げになるのなら本末転倒。

割と早い段階で、変なこだわりには見切りをつけて、ぼかしにも挑戦しました。

頑固な頭を柔軟に切り替えることができたのは、成長で得られる幸福感を理解できていたからだと思います。

また、その幸福感ゆえの心の余裕からだったかもしれません。


昔なら考えられない作風

ぼかしによるグラデーションは、見る人に安らぎを与えることができることを、SNSでいただいたコメントで知りました。

それは自分にとって新しい発見だったし、
同時に、柔軟に切り替えてあらゆることに挑戦することの価値を認識することに繋がりました。

■苦手なジャンルに挑戦できた

柔軟に挑戦することの大切さを知ったことによって、苦手だった風景画にも挑戦することができました。

苦手なものに挑戦するということは、前述した『成長から得られる幸福感』にも通じます。

初動としては、風景画を描きたいというより「空に浮かぶ雲をダイナミックに描きたい」という気持ちが先で、そこから風景画に発展していった感じです。

空を描くことで、グラデーションの表現には前述したぼかしが必須テクニックであると実感しました。

中にはオイルパステルを塗り重ねることでグラデーションを表現する人もいるようですが、空のように広い面積にグラデーションを施す場合は、ぼかしが使えた方がいいし、敢えて言葉を選ばず言えば「手っ取り早い」です。

挑戦した空と雲

1年を通して、この「空と雲」に挑戦したことが1番自分を成長させてくれた出来事でした。

テクニック的にもそうだし、何より今まで苦手意識で手を出さなかったものに目を向けたことで、知見も広がったような気がします。

因みに、風景画入門として空を描くことを推奨されていることを知ったのは、風景画を描くようになって随分と後のことでした。

知らないうちに風景画の適正ルートを辿ってました(笑)

オイルパステル画で見えた課題

■作品が売れない

私が絵を描き続ける理由は『自分の人生を豊かにするため』であり、販売はメインではありません。

とはいえ、絵が販売に結びつくということは、自分の作品が認められたという意味で、一番わかりやすい結果だと思います。

「自分の人生を豊かに〜」なんて言いながら、認められたいなんて傲慢かもしれませんが、自分の作品にお金を払ってそばにおいておきたいと思われるのは作家冥利につきます。

話を戻すと、オンラインショップで購入に結びついたり、お気に入り登録されるのはオイルパステル画ではなく水彩画ばかりなんです。

水彩画とオイルパステル画、それぞれに良さがあり、優劣をつけるものではないとは思いながらも、現在夢中になって取り組んでいるオイルパステルが結果を出せないのは正直悔しい。

この要因は技術不足か、或いはオイルパステル自体があまり認知されていないのか、そこはよくわかりません。

作品を売って売って売りまくりたいわけではないですが、水彩画に比べてあまりにもレスポンスが少ないので、ここはリサーチしてみる価値があるかもしれません。

■オリジナリティーがない

オリジナリティーは自然と創出されるものだとは思いますが、基本的にはまだ「見たものをそのまま描く」という域を出ていないので、個人的にはオリジナリティーという点では今ひとつな気がしています。

まだオイルパステルに本腰を入れていない時期に、ダンボールにオイルパステル画を描いたことがあり、それは販売にも結びつきました。

素朴なダンボールという素材と、鮮やかなオイルパステルの組み合わせが絶妙なコントラストを生み出しました。

絵そのものはとくに上手くもなんともないですが、素材の組み合わせに変化を持たせることでオリジナリティーが生まれた気がします。

もしかしたら、前項の販売においてはこの辺りが重要なのかなと思ったり思わなかったり。

しかし、答えを早く求めすぎるといいことはないのでオリジナリティーに関してはゆっくり向き合い、じっくり見出していきたいなと思っています。

■まだまだ技術不足

最終的にはコレにつきますね。
まだまだ技術不足です。
手探りで描いていくのは発見があるので楽しいですが、同じクオリティーのものがダラダラ量産されていくようにならないようにしたいです。

形を捉える技術や、明度や彩度をコントロールする技術を、偶然ではなく意図的にできるようになれば、スピード感がつくんじゃないかと思います。

そして何より、基礎がしっかりすれば自然と応用力も身につきます。
その先にまだ見たことがない発見があると考えるとモチベーションも上がります。

2025の目標

2025年の目標は、ズバリ個展の開催です。
これは単純に「個展をやったことがないから」という理由なのですが、デジタルアートが主流の今の時代だからこそ素材の温かさを感じてもらいたいという気持ちもあります。

ただ、個展を開催した後にどうしたいとか、どうなりたいとか、その後の展望がイメージできないところが課題でもあります。

個展を開く意味や価値、それらはもしかしたら開催後に得られるものかもしれませんが、正直現時点ではフワフワしている感じです。

フワフワしてることを『目標』とよべるかどうかは微妙なところですが、今までやったことのないことに挑戦していきたいという気持ちが大きいです。

まとめ

オイルパステル画について課題もありますが、振り返ると全体的にポジティブに感じることしかありませんでした。

水彩画を離れ、オイルパステル画に完全移行したことは、少なくとも私の人生にとって、充実感をもたらしてくれました。

オイルパステルの魅力をもっと多くの人に知ってもらいたいという気持ちはずっとありますが、それを伝えていくのはもう少し後の話かもしれません。

そのためにも、今は私自身がオイルパステルを全力で楽しみ、スキルを磨いていく、今はそんな時間なんだと思います。

来年も自分なりに作成を続け、noteにも記録を残し続ければと思います。

長文お読みいただきありがとうございました。

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