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水彩とオイルパステルの相性

少し前に、水彩とペン画の相性について記事を書きました。

私の記事の中では割とよく読まれているようで、異なる画材を組合わせることに関心のある方が多いようです。

今回は同じような趣向で『水彩とオイルパステルの相性』について、持論を記してみようと思います。

水彩とオイルパステルは、まさに“水と油”。
言葉だけだとものすごく相性が悪そうですね。

しかし、1つの作品として共存することは決してネガティブではないようです。
私も最近は、水彩とオイルパステルを共存させて作品を作成しています。



相性の良し悪しは作品次第

今回の記事のテーマは、両画材の相性ですが、結論から言うと『相性は良いとも悪いとも言えない』です。

曖昧な結論ですが、水彩とペンのようにお互いの利点を引き立て合うこともなければ、殺し合うこともないといった感じです。

一緒に使った時に、視覚的に有意義な効果が得られれば“相性は良い”、と言えるし、
結果的に「なんだかごちゃ混ぜになっただけだな」となれば、“相性は悪い”、と言えます。

つまり、2つの相性に関して考える時『水彩とオイルパステル』という大枠ではなく、作品という枠の中で2つの画材が効果的に使われているか否かで、相性の良し悪しが決まります。

平たく言えば、相性の良し悪しは『作品次第』ということです。

もっと平たく言えば、結果論です。


作品を描いた人、見る人による違い

水彩とオイルパステルを本格的に共存させる前に、実験的に描いたイラストがあります。

線をオイルパステル、着色を水彩で、完璧に役割をすみ分けたものです。

前述した『2つの画材が効果的に使われているか否か』は描いた本人、作品を見た人によって違います。

描いた本人(私)はこのイラストについて、うまく共存できたと思っています。

作品の良し悪しはひとまず置いといて、
着色を水彩にしたことで、全体が重くなり過ぎず、オイルパステル独自の線が、温かさを演出してくれている…ような気がします。

したがって、
この作品においては、水彩とオイルパステルの相性は良かった
ということになります。(少なくとも私にとっては)

もちろん「いや、全然効果的に使えてないよ」という意見もあっていいと思います。

水彩とオイルパステルの相性は優劣ではなく、個々の感覚の“違い”の中に存在するような気がします。


水彩とオイルパステルを共存させる難しさと面白さ

次に紹介する作品は、↑で紹介した作品のように役割をすみ分けずに描いた作品です。


A3 マーメイド紙にミクストメディア(水彩/オイルパステル/色鉛筆)

モチーフ(ウミガメ)はほとんどオイルパステルで描きましたが、背景は水彩とオイルパステルが半々で共存しています。


水彩は下に塗った色を活かせるのが特徴。
水中の透明感が出せたかな?


透明水彩と不透明なオイルパステルのコントラストがポイント。


この作品は、結果的に満足できるものに仕上がりました。

しかし、作成途中には
「水彩とオイルパステルは相性悪いな…」
と思う瞬間は正直あります。

やっぱり水と油なので、調和することがない点がネックです。
お互いが独立して存在しているので、画面上で共存させるのは難しいと感じることは多々あります。(でもそこが面白い)

水と油が戦ってる・・・。


水彩とオイルパステル、作成を進めていくと最終的にどちらかがメインになるのですが、オイルパステルの方が性質上密度があるので、主張が強い傾向にある気がします。

上手くいかなかったところをオイルパステルで強引にねじ伏せてる感あるな(笑)

そんなこんなで、作品づくりはなにかといつも難産ですが、諦めず最後まで描くと、毎回何かしらの発見があって面白いです。

水彩とオイルパステルの相性云々、1つの画材だけでは得られない体験ができるのは、2つの画材を掛け合わせるメリットといえます。


水彩とオイルパステルを共存させる時の注意点

水彩とオイルパステルを共存させることにおいて、注意点が1つだけあります。

それは、オイルパステルの上には水彩は絶対に乗らないという点です。

油の上に水ということだから、当たり前といえば当たり前ですが、本っ当に乗りません。

びっくりするほど水彩をはじきまくるので、オイルパステルをメインで作成を進めすぎてしまうと、水彩が入る余地がなくなってしまいます。

ただ闇雲に扱って収拾がつかなくなっては本末転倒です。
画材の性質はしっかり理解しておきしょう。

それでも、オイルパステルを使用した後に、どうしても水彩感や筆感を加えたい場合は、濃い目のアクリルガッシュを使うという手もあります。

ただ、これはけっこう強引な手段なので、なるべく最初から水彩とオイルパステルのバランスを見ながら作成することをおすすめします。

まとめ

水彩とオイルパステルの相性について、最後にザックリまとめると以下の通りです。

・水彩とオイルパステルの相性は良くも悪くもない
・作品にとって効果的に使えているかがポイント
・画材の性質を理解してバランスを見ながら作成する

理屈を並べておいてなんですが、とにかく気になったらひとまずやってみることをおすすめします。

というか、小さい時にクレヨンと水彩絵具で「はじき絵」みたいなのをやったことありませんか?
私は保育園かなんかでやった覚えがうっすらとありますが・・・。

ここまで書いておいてなんですが、やっていることはあれとほとんど一緒です(笑)

気になる方は、童心に帰ったつもりで一度試してみてください(^^)


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