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働き方を変える理想と現実

「LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略」の本に影響されて、生き方を変えようと決心した人も多くなってきたのではないでしょうか。皆さんそれぞれの人生で異なる価値観を抱き、一概に正しい答えが存在する訳ではありません。

しかし、自分の充実した人生を過ごす為に、どういった選択をしていくのかは大切です。その中でも「働き方の選択」は本当に難しいですよね。
特に家庭を持ってしまうと、更に決断は難しくなります。
また、突然の転勤辞令のような状況により、選択を迫られる場面も少なくありません。

今回は私がこれまでに選択してきた生き方を紹介します。ぜひ私の話が皆さんにとって何かのご参考になれば嬉しいです。

私が経験してきた製造業

私は40歳を目前に、大きな決断をして働き方を変えました。それまでは製造業の業界を2社ほど経験し、国内と海外の部品生産工場に勤めておりました。顧客の要望に応える設計された製品を、どのような材料で、どのような生産ラインで作るのか、その組立の安定化をどうするか?
要は与えられた箱の中で、いかに効率よく生産活動をするのか?
様々な役割はあるものの、製造業ってこんなイメージだと思います。

そして製造業は、私にとってはまさに天職!でした。
「こうでなければならない」という先入観が嫌いだった私は、自由な発想を好み、設計から生産ラインまで、どこまでも提案をして改善活動を進めてきました。特に海外工場では、頭の硬い日本人を敵に、現地のスタッフと生産改善をしていたのが幸せでした。

しかし、製造業でのストレスと言えば、全ての製品に共通する「出荷責任」だと思います。一度でも問題が発生すれば、会社の信頼が損なわれ、社会に大損害を与えるリスクがあり、そのプレッシャーは計り知れません。更に何かあれば社内で犯人捜しが行われ、やったのは誰なのか?ものづくりの技術的な議論よりも、どう落とし前をつけるか?という世界・・。

その中でも私は運が良く、どこにでも必ず味方になってくれる仲間が居ましたので、「好きにしていいよ」と言ってくれた上司のおかげで、自分の才能が開花したと思います。私はどうやら「白紙で仕事をもらう事」に向いているのかも知れません。

天職を転職するきっかけ

製造業での17年間、自分のキャリアをずっと工場の生産技術で築いてきました。しかし、コロナ禍の影響もあり、自分の将来について真剣に向き合う機会が出来ました。
”このまま会社という箱の中で、与えられた仕事をこなし続けるのか?”
”40歳過ぎると転職先が半分以下になる現実に、このままで良いのか?”

今の時代は何でもスマホ一つに集約されるようになり、ディスク、時計、財布、身の回りの様々な製品が次々と消えていきます。「もの」に執着する考え方が変わり、今や「革新的なアイデアで面白い商品を作る!」という時代ではなくなっています。既存の技術を応用し、それを社会貢献に繋げる活動が増えている今、自分の心に何かを感じ始めました。

このまま会社で昇進し、社内で改革を起こしていくか?
それとも転職をしてやりたい事を見つけるか?
目的はぼんやりしているものの、会社に依存する働き方から脱却して、自分の力で稼げるようになりたいという気持ちが日に日に強くなります。

働き方を変えた今の状況

結果的に明確な将来像を決めないまま、会社を辞める決断をしました。
世の中の起業や独立をする人たちが共通して持つような「これがやりたい」「この事業で社会を変えたい」といった想いも具体化されず、ただ何となく自分の力で稼げるようになりたい!という想いだけでした。

きっと今も前職の人たちは私が辞めた理由など、理解が出来なかったと思います。辞めた会社では、特に人間関係で大きなトラブルがあった訳でもなく、給与や福利厚生も比較的良い会社でした。ましてや小さい息子も居て家族も居るところでの決断でした。ひと昔では考えられない退職理由です。

転職してから半年ほど経ちます。
今の働き方ですが、人材紹介会社に転職をしました。
在宅フルリモートワークで仕事ができ、副業も許される環境です。
まだ案件は少ないですが、スポットで製造業コンサルの依頼を受けたり
PRマーケティングのお仕事でプレスリリースを書いたりもしております。
まさに理想のパラレルワークを手に入れたのです。

結果的に今は幸せなのか

ここまで読んで頂きありがとうございます。
結果的には、パラレルワークの環境を手に入れて、これから自分の力で稼ぐ働き方が出来るようになりました。だから好きなようにチャレンジが出来て良かったねと、思われているかも知れません。

しかし、結果的に良かったのかどうか正直わかりません。
閉塞的な働き方では無くなった事は良かったのかも知れませんが、全くの異業界に飛び込んだことで、付いていくことに必死です。私がこれまで築き上げてきた経験やスキルが全く通用しない新たな世界で、日々新しいことに追いついていかなければなりません。それは実際には思っていた以上に大変で厳しいものでした。

何と言っても、自分の才能や強みが全く活かせない事に気が付きました。
自分の強みは「一線を超えるチャレンジ」だったものの、それは環境が変わると、どこが一線になるのかわからなくなります。
自分の力で稼げるようになりたいはずだったのに、どうやって自分の強みを活かして働けるのか?今となって逆に見失ってしまいました。

私の友人の話ですが
「デザイナーになったけど、受注通りのデザインをやっているだけで、自分の才能を活かせる場が無い」と言っていた事を思い出してしまいました。


以上、これが働き方を変えた結果です。
結局どんなキャリアを歩むのかで成功失敗は無いと学びました。間違いなく今は新しい視点を持ち、自分の価値を探し始めた事は成長しているとは思います。ぜひ皆さんにとって、この話が参考になれば嬉しいです。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました!

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