【そして思い出し笑い〜こんな子、育てましたけど】 #17 母と娘、ふたりだけの時間…
ひとつ前の記事で
おバカタレントさんたちの出現が
長女を変えた…と書きましたが
彼女がいい方向に変わってきたのには
もうひとつ理由があった、と
私は確信しています。
中学校3年の夏に、
私は、長女を
塾に行かせることにしました。
中3の夏………
はっきり言って、手遅れです(笑)
半年やそこら、
塾に行ったところで
いい高校に行けるはずもなく。
それでも塾に行かせてみようと思ったのは
「この子は、
世の中をナメてるんじゃないか」と、
そんな気がしてきたから。
友だちはみんな、
必死になって受験勉強してる時期なのに
周囲の出来事に関心が薄く、
自分に興味のないことは
ぜんぜんアタマに入ってこない長女には
その実感がありませんでした。
相変わらず宿題もせず、
提出物も出さず、
入っていたテニス部を引退したあとは
家でもゴロゴロするばかり。
この子は、このまま
受験戦争の厳しさも知らず、
のらりくらりと行きていくのか?
周囲のみんなが
どれだけ必死に勉強しているのか
見せるべきなんじゃないか?
そう考えた私は、
自宅から車で10分ほどの塾に
通わせることを決め、
週に2回、車で
塾の送り迎えをすることになりました。
実は、この時間が
ものすごく大きなものだったんじゃないかと、
いま振り返って、思うんですよね。
下の子たちにとっては
生まれた時からお姉ちゃんがいるのが
当たり前なんですけど
上の子にしてみれば
下の子たちの誕生というのは、
「お母さんとふたり」の時間が
突如、奪われてしまう体験です。
これは、上の子にとっては
たぶん、大きなストレスだと思うんです。
お母さんとふたり
のんびり過ごしていた昼間の時間が
赤ちゃんが増えるごとに
どんどん慌ただしく、
どんどん騒がしくなっていく。
長女が中3の時期だと、
次女が小6、長男が小4。
「みんな宿題できたんかー!」
「今日のお風呂洗い当番、だれやー!」
「ご飯食べるから、そこ片付けなさいー!」と
怒号が飛び交う楽しいわが家(?)ではありましたが、
まあ、戦場でしたよね(^ ^;;
それが、15歳になって、
突然、お母さんとふたりの
静かな時間が戻ってきた。
何をしゃべったわけでもありません。
むしろ、何もしゃべらずに済む時間が
彼女には必要だったのかもしれません。
半年間だけ続いた、
長女とふたりだけの、夜のドライブ。
今でも私は、
あの車内での
まったりとした空気感を
思い出すことができます。
受験勉強の厳しさを
思い知らせてやろう…と画策した
私でしたが、
ぜんぜん違う意味で
この塾通いは
効果を発揮してくれたのでした。