【そして思い出し笑い〜こんな子、育てましたけど】 #35 そして、独立へ。
ふと気がつくと、長女も
いつ結婚してもおかしくないような
お年頃になっていました。
しかしながら、
色恋の気配はナシ。
結婚にも、あんまり
興味がないもよう。
ん?
ひょっとして
ずーっとこのまま
家におる気か?
そんな疑問が
ふと湧いてくるような
年齢になってたんですね。
うーん…
娘がずっと家にいるって
どうなんでしょうねえ。
例えば、
回覧板をお隣に渡すとか
洗面台を掃除するとか
そういった
何気ない日常のあれこれも
家にいれば
「お母さんがしてくれる」
そんな状態が続くわけですよね。
そして、いつか
私たち夫婦が高齢になった時には
今度は
「長女がなんでもしてくれる」
そんなふうに
独身の長女に頼る生活になっていく。
(そんな友だちを
たくさん見てきました。
若い頃は「早よ結婚しなさい」と
親からやいのやいの言われていた友人たちも
40歳、50歳になると
「母をお医者さんに連れていかないと…」
「父に痴呆が出てきて困ってる…」
みたいな愚痴が増えるようになり、
ついには
「もう親を置いて出ていけない」と
言い始めるんです。)
それって、どうなんだろう。
私としては、
回覧板も、洗面台の掃除も、
ぜんぶ自分でやってみる、
そんな経験をさせておきたい。
そして、私たち夫婦も
ふたりで生きていく覚悟を
決めておきたい。
そんな気持ちもあって
「お母さんは26歳で結婚したし、
あんたも、そろそろ
結婚するなり、一人暮らしするなり、
自立すること考えなあかんのちゃうかな」
みたいなことを
チクチク言ってたら
あと数ヶ月で26歳という
秋のある日、
「まあ、次の誕生日までには
一人暮らし始めるわ。
どこに住むかは
もうだいたい決めてるねん」
と言い出した!
「住むところ、決めてる?
どーゆーこと?
どこに住むつもりしてんの?」
「花園」
は、はなぞの…
なんでやね〜ん!!!!!
花園といえば、
ラグビー場が有名な
大阪府東大阪市にある
あの、花園です。
ですが、
私たちにとっては
縁もゆかりもない土地で、
もちろん、
ラグビーファンでもなんでもなく。
おまけに
自宅からは車で1時間と
かなり遠いだけでなく
長女の職場からも、
決して近いとは言えない距離。
なんで花園なん…?
家族みんなの「???」が渦巻くなか
私には理解できない大胆さで、長女は
事態を急展開させていくのでありました。