みどりの食料システム戦略と林業
今年度から、農林水産省の補助金を使う事業については「環境負荷低減のクロスコンプライアンスチェックシート」を提出しなければいけなくなりました。(前回も記事を書いてましたが記憶になかった汗)
農林水産省のチラシに書かれている「環境負荷低減のクロスコンプライアンスのねらい」では、農林水産省の全ての補助事業等と書いてはありますが、同じ文章内で「農業」の確立と書いてあります。
なので、「みどりの食料システム」という名称も相まって、林業はあまり関係ないと思ってましたが、環境負荷低減の取組の実践は、農業と同様に義務となるようです。(わかりにくい)
上に引用したチラシによると、今年度はチェックシートの提出だけでよいですが、来年度以降は報告と確認を試行的に実施。令和9年度には本格実施を目標としています。つまり、来年度からは報告のための資料作成が新たに追加され、もちろん対策もやらねばなりません。
では、林業事業者は何をすればよいのか?
それが記載されているのが、下記リンクの解説書です。
「環境負荷低減のクロスコンプライアンスチェックシート解説書林業事業者編Ver.2.0」https://www.maff.go.jp/j/kanbo/kankyo/seisaku/midori/attach/pdf/kurokon-32.pdf
大項目は下記7つ。1と2は種苗生産を行う場合のみ該当します。
(1)適正な施肥
(2)適正な防除
(3)エネルギーの節減
(4)悪臭及び害⾍の発⽣防⽌
(5)廃棄物の発⽣抑制、適正な循環的な利⽤及び適正な処分
(6)⽣物多様性への悪影響の防⽌
(7)環境関係法令の遵守等
ざっと見た感じ、実際にやることとしては、現状から大きな変化を強いられるものではない印象です。
燃料代が上がる昨今エネルギー(燃料)はどの事業体もなるべく効率良く使い、機械はなるべく長持ちさせるためにメンテナンスするでしょうし、伐採届や保安林の届出などは法令に則って手続きし、労働関連法案も守っていれば概ねクリアできそうです。
アイドリングストップが本当に効率的なのか?とか、絶滅危惧種等の生育・生息情報の収集って誰ができるの?とか、いくつか疑問点はありますが、補助金もらいながら頑張ってきた事業体なら実践してきたことかなと。
ただ、燃料等を事細かに記録するとなると負担が増えそうです。レシートやら伝票の画像を読み取って自動で整理してくれるアプリとかシステムを、農林水産省(デジタル庁)で作ってくれないかな。その方が不正も防げると思うんだけどな。
最後のページには、KPIが記載されています。
林野の目標は・・
2030年にエリートツリー等の活用割合30%
2050年には90%
となっています。
・・・再造林の木をエリートツリーにするってこと?
生物多様性への悪影響の防止と矛盾しないのかな?
「等」とあるので、まあ、数種類だけではないのかな?
っていうか、他の指標のKPIは存在しないの・・?
この辺も令和9年度までに詰められていくのでしょうか。
とりあえずスギ・ヒノキは皆伐せずに長伐期にした方が、後々価値が上がるかも?製材できる川中が残らないと売れないリスクもありそうですが。。
環境負荷低減は時代の要請なので、実効性を伴うものにしていく必要があると思いますが、事業者の負荷は増えないように、できることなら低減されることを願います。
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