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C.O.R.E.ブランド誕生の秘密とは?

こんにちは 広報のナギです。
サステナブルへの私たちの取り組みC.O.R.E.について簡単にご紹介しましたが、今回は、この活動をスタートすることになった経緯や出会いについてお伝えしたいと思います。

C.O.R.E.コアの名付け親はアメリカの子会社

C.O.R.E.ロゴ

はじまりは、私たちのアメリカにあるグループ会社モリトスコーヴィルアメリカ(MORITO SCOVILL AMERICAS)からでした。彼らはアパレル業界で早くから関心が寄せられていたサステナブルな取り組みについて

「私たちが求められていることは何か?」
「私たちが為すべき役割とは何か?」

を考えるところからはじまり、2年超にわたる準備期間を経て2019年8月、モリトスコーヴィルアメリカのプロジェクトとして【C.O.R.E.】をスタートしました。

【C.O.R.E.】が生まれた瞬間ですが、この時はまだ、グループ会社の
プロジェクトのひとつでした。

アパレル業界へ提供している商品のホックや付属品パーツがサステナブルに配慮したものであるのかどうか?はこれまでは、明確な基準がなく、自らの努力目標と自己評価によるものだったそうです。

お客様 「これサステナブル対応?」
ナギ 「はい、環境に配慮しています」
お客様 「・・・(根拠はないの?)」
こんな感じ?でしょうか。

しかし!
より信頼性を高めるためにも、第三者機関によるしっかりとした検証と確かな根拠に基づく評価が求められることに配慮し、世界的にもよく知られた団体であるSAC(※)をパートナーに、環境配慮型商品の製造に取り組み始めました。

お客様 「これサステナブル対応?」
ナギ 「はい、従来品に比べて水の使用量を▲▲%の削減して…
   第三者認証もこのとおり・・・」
お客様 「excellent!(安心できるわ!)」
こうなる事を目指したんですね。

※SAC サステナブル・アパレル連合とは(Sustainable Apparel Coalition 略称:SAC)アパレル業界のサプライチェーンにおいて、個々の企業では解決できない環境面・社会面の課題に取り組むため2011年3月にアメリカで結成されたNGO団体。各国のアパレルブランド、小売業者、製造業者、学術機関、政府機関などが加盟している。SAC独自の指標「ヒグ・インデックス」を基に、生産から使用、廃棄までの環境負荷や労働環境を測定・評価し、改善を促す。

時を同じくして、日本でも・・・

アメリカの子会社がC.O.R.E.をスタートさせていたちょうど同じ頃、日本でも循環型社会を実現するために、私たちの資材で、「もっと環境に配慮した商品」はできないだろうか?とプロジェクトが立ち上がりました。

実は、これまでも「安心・安全・健康」をキーワードにした商品を開発し、取り扱っていた私たち。
例えば、メッキ加工によるニッケル(金属)アレルギーに対応したホックなどもあるんですよ。
長年にわたる開発技術のなかでも、「樹脂の開発技術」を使って再生樹脂で何かできないだろうか?と考えていた時、「面白そうな会社がある」と見つけてきた「とある企業」にコンタクトを取ってみました。その企業とは・・・。

リファインバース社との開発スタート

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リファインバース株式会社は、資源再生事業に取り組まれていて、使用済みカーペットの水平リサイクルなども手掛けておられる資源再生のプロフェッショナル!日本で初めて使用済み廃漁網を中心としたナイロンリサイクル事業を立ち上げられ、廃漁網をリサイクルしたナイロン樹脂「リアミド(REAMIDE)」という素材を開発されていました。この素材が開発されて間もない頃に、私たちは出会いました!

廃漁網

廃漁網をリサイクル

りあみど

ペレット(顆粒)状のナイロン樹脂
(写真提供:リファインバース株式会社)

循環型社会を実現するために「もっと環境に配慮した商品」を作りたいという思いと、私たちの開発技術によって、廃漁網から【アパレル向けの資材】というまったく違う業界への活用に未来を感じていただけたのではないか?この話を聞いた時に私はそう感じました。
だって、廃漁網からアパレル向けですよ?ワクワクしませんか?

さっそく、再生ナイロン樹脂リアミドを使用してアパレル向けの資材の開発が始まりました。まず初めに取り組んだのは、糸で取り付けるタイプのボタンやひも止めと呼ばれるパーツです。

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「溶かして型に入れて固めたらすぐできるんじゃないの?」
って思いますよね?これがけっこう大変なんです。

溶かした材料を金型と呼ばれる型に入れて作るのですが、金型はとても高価なもので、どんな企業でも大事にされています。いつもと違う材料を使うことで、この金型が使えなくなってしまったり、不具合が起こる可能性もあるので、試作を請け負ってくれる先を見つけるのも簡単ではありません。

そして、いざ試作できる段階になっても、ナイロン樹脂(非再生)とリアミド(再生ナイロン樹脂)では成型するための諸条件も違ってきます。テストを繰り返し、固さや厚み、強度などを確認してゆきます。こういった試行錯誤の過程で、「もしかしたら、できるかもしれない」と、次に取り組んだものが糸。そして、この糸を織ることで、テープや生地が生まれました。

さらっと書いていますが、この過程も・・・色々とありました。これを語り始めたら超大作になってしまいそうです(笑)

商品を試作して、形になって、ボタンやひも止めの「点」、糸からテープやひもの「線」、そして生地の「面」と実に多くのアイテムを開発することができました。

「ちがい」が分からない!?

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実際、お客様へ提案してみると評判もよく、採用いただけるケースが増えてきました。そんな時にお客様からこんなご相談を受けました。

「環境に配慮した商品と今までの商品の見分けがつかないから何か差別化して欲しい」

私たちの取り扱うアイテムは付属品やパーツといわれる小さなモノ、しかも私たちのお客様であるメーカーの方は、このパーツがどのようなものか分かっていても、実際に商品を手にされる消費者のみなさんには廃漁網から作られたものとは気がつかない。どうすれば違いを伝えられるのか?

そこで、これからも形を変え、場所を変え、身のまわりにあふれる商品のひとつになって、環境にやさしく循環してゆく、そんな意思をもったブランドとして立ち上げることにしました。

そして、私たちの思いを表す名称を考えている時にグループ会社モリトスコーヴィルアメリカのプロジェクト【C.O.R.E.】を知ったのです。

まったく別々にスタートしていましたが、その考え方や、思い、目指しているものは同じでした。

私たちの環境への思い

【C.O.R.E.】は私たちグループ全体で取り組む環境へのコミットとして、明確な基準を持ち、透明性と信頼のプロセスでモノづくりを進める。そして新しい価値を創り出すことでサステナブルという社会テーマを牽引するブランドとして生まれ変わりました。

そして、まずは海の環境に配慮するFOR THE OCEANの基準をクリアした再生ナイロン樹脂リアミドを使用したアパレル向けの資材、地球の資源や環境へのやさしさに配慮するFOR THE AIRの製造基準をクリアした金属ホックの提供を始めました。

なんと!
このC.O.R.E.アイテムを使用した商品が豊岡鞄🄬から販売されることに!
もうすぐみなさんの手に取ってもらえます。

今からとっても楽しみで、早くご紹介したいところですが、それはまた次の機会にしたいと思います。
今回はC.O.R.E.のはじまりについて書いてみました。また次をお楽しみに。


※後日追記

C.O.R.E.は2022年10月、これまでモリトグループが地球環境を守るためにできる取り組み からさらに発展させ、
これからは「新たな価値を創り上げたい」と考えておられる方や企業と業種や業界の垣根を超えて、美しい地球を、資源を、未来に繋げる新しい価値を創造する取り組み へとコンセプトを拡張し、『Rideeco』と改名いたしました。