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蜘蛛の働きから

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写真は季節外れになりました。

春頃の庭写真です。

我が家の庭は狭いので植物に高低差をつける事で変化と動きのある雰囲気を出しています。あとはこぼれ種で何となく増えていく植物や、風に乗って着地した種が芽吹く物もそのままの状態です。庭を綺麗にし過ぎると、鉢植えや花壇の花に虫が集中してしまうんです。

樹木からの落ち葉もわりとそのまま。これも団子虫が仕事をしてくれるから大丈夫。落ち葉を掃いてしまうと団子虫が植物の方へ行くという…。彼等は私のヘルパーさんですね(^.^)

庭造りを始めた頃は「園芸マニュアル」に則った、生真面目さんでした。掃除、水やり、肥料、虫の駆除などきちんとしてたなぁ。

けれども、ある時見てしまった。

蜘蛛の働きを!

家では数種類のオールドローズを地植え&鉢植えで育てています。

庭のオールドローズは殆どが一季咲きで、それらは一斉に開花するのではなく、開花には順番があります。

チャイナローズが一番に開花、それからアルバ系~ガリカ系~という様に少しずつ開花がずれています。そんな中、蜘蛛は次に咲くバラの近くに巣を張って行くのですよね。

鉢植えバラに関しては、陽当たりの関係で定期的に鉢を置いている場所を変えているので、いつでも同じ場所に決まったバラがあるわけではないのです。

けれども蜘蛛は、間違う事なく次に開花するバラの上、もしくはその近くに移動して巣を張る。まだまだ蕾は硬く香りも漂ってはいない時に。

感動しちゃったのですよね。

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その時から、自分に出来る事は案外少ないのではなかろうか?昆虫や野鳥の働きが大事なのであって、彼等にとって棲みやすい場所を作ればあとは自然の働きが庭を育てるのじゃないの?

と思うようになっていきました。

想定外があったとしたら、庭だけでなく自分も育てられたのかなと思います。

バラは肥料や消毒が必要と思っていたけれど、そうでもなかった。バラに付く青虫は敵ではなかったし、蜂は(オオスズメバチでさえも、生態を知れば難を逃れられた。) 思っていた程危険でもなく、むしろ有難い存在でもあった。蜂はその体の形と色の配色で、「私はこういう者です」と知らせている。親切なんですよね。お尻の先が尖っている蜂は刺してくる確率が高い種類。スズメバチの黄色と黒の縞模様は、(近寄るな)のサイン。

庭ではそれこそたくさんの昆虫の出入りがあるから、そんなサインに気づき彼等に優先権を渡してしまう。

(けれどもペットや小さい子どもさんがいらっしゃる方はお気をつけ下さいね。おちびちゃんたちは、好奇心から手を出してしまうかもしれませんから。しっかりと、守ってあげて下さいね。)

肥料を減らすと花数は確かに少なくなってしまうけれど、それが本来の、その植物が持っている普通。何となく、それ以上を求めるのが普通になってはいなかったか?

そんなことを想うようになりました。

その想いは庭を超えて生き方までも変えてしまった。

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適度な「ま、いいか」が人生を豊かに、自由を感じ易い体質へと、庭が成長させてくれた。と、感じる。

いや~、言っちゃいますけど絶対いますね。

妖精が。

植物には植物の精が、樹木には樹木の精が。

精霊も庭と共に成長してる。

このお歳になって、マジでそう想う。その切っ掛けをくれたのが蜘蛛。

なので私にとっては蜘蛛が導き手、師匠なんです。

雨粒のついた蜘蛛の巣の美しさなら誰もがきっと知っているはず。

精工に編み込まれた蜘蛛の巣の美しさ

ミケランジェロか、ガウディか。

そういえば、私はガウディの建築物が好きなのだった。

ガウディの師匠も自然だった。


こんな小さな庭でも生存競争があったと驚いた日。

バラは綺麗な花を咲かせる樹木だと考えを変えた日。

クマンバチの盗蜜は盗蜜ではなかったと気付いた日。

そんなこんなを自分なりの観察で理解していく中で、狭いと思っていた庭の深さを知った次第です。



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