「北澤美術館所蔵 ルネ・ラリック アール・デコのガラス モダン・エレガンスの美」@東京都庭園美術館
前回展覧会で写真が撮れないと嘆いてたら、今回の展覧会は館内撮影OK。しかし館内で撮りまくっても中々良い写真はできず、自分の撮影スキルに絶望。
だがそれも仕方ない。限られた状況でベストを尽くし結果が残せる者が勝利するのだ(何に?)。
今回のポイントは
①ガラスにエロスを感じる、ラリックの造形美を堪能
②想像以上に明るい100年前のアール・デコ全盛期を垣間見れる
まずラリックの作品、異様にヌードが多いです。ニンフや女神、ファム・ファタル達の柔らかな曲線美が硬質なガラスで表現されている。この時点でギャップ萌え(?)です。
オパールのような輝きを放つ「オパルセント・グラス」で作られた『バッカスの巫女たち』。青の中に光るオレンジの輝きが人肌を連想させ、妖しい魅力満載。
左が『シュザンヌ』、右が『タイス』。嗚呼、写り込んだ自分の影がいやらしい…
ガラスでこんな官能的な表情まで出来てしまうのです。
それでも彼女たちが決してイヤらしくならないところが、ラリックがラリックたるゆえん。食事の時でもスケッチ帳を手放さなかった、ラリックの確かなデッサン力とガラス技術によって彼女たちは今も輝きを放っています。
そして本展覧会の会場、庭園美術館(旧朝香宮邸)はアールデコの名建築。その空間にラリックのガラスがマッチしない訳がない。
こーんな置き時計や、
ラリック製のテーブルセットも見事にマッチ!アールデコの館でラリックのガラス作品の観賞は、今までありそうで無かったアート体験。写真撮影自由なのも嬉しいところ。
ラリックのガラスが展示されて、館内のインテリアもさらに際立ちます。まるで映画『華麗なるギャツビー』の世界観。
欧米で電灯が普及し、1925年のアール・デコ博覧会ではラリックのデザインしたガラスの噴水がライトアップされ煌びやかに会場を彩ったと伝えられます。私の想像以上に100年前の世界は明るかった。
そして、この博覧会からインスパイアされて生み出された朝香宮邸(庭園美術館)でラリックが展示されることは、もはや運命といっても過言では無いくらい。
観賞するなら、電球の灯りでより煌びやかにガラスたちが映える夜間がおすすめです。