第5回公認心理師試験 実況中継(その6)
なんかGルート批判ってのがあるらしいですね。制度に問題があるのはボクにもわかります。思うところはあるからね。でも実際にはどうやら制度に対する批判ばかりでも無いらしい。
どこの世界に『資格を取った時点でもう1人立ちして1人前として働ける国家資格』があるだろうか。
資格取ってからも研鑽を積むのなんか当たり前だし、1年目の研修医がいきなりECMO回しながらICUの患者を1人で受け持ってね。なんて言われたって無理っすよ。虫垂炎の手術もできないです。免許とった翌日、軽症のコロナ患者1人ちゃんと診れないです。薬剤師だってそうでしょうよ。看護師だって1年目は上の人にくっついて毎日指導受けながら必死に学んでるじゃ無いですか。
資格を取った時点で『現場で何もできない』からこそ教育と研修が必要なんだし、他のほとんどの資格はそうだと思うんです。
もし批判されるのだとしたら、その対象は、資格取得後の研修や教育をどうしてゆくかの道筋を立ててない厚労省と文科省じゃないんですか?
もちろん、どんな職業も聖人君子ばかりじゃないですから、個々でみれば批判されても仕方ない人もいるかもしれませんけれど、それと制度は関係なく無いですか?
ただまぁそれでもGルートのボクを批判したい人がいるなら、すればいいです。
たしかにボクは現任者ですけどWISCも田中ビネーもやったことない。医者になってから20年以上経ってもなお帝王切開もできないし虫垂炎の手術だって胃カメラだってできないもん。
なんならヨッメに頼まれた文鳥のための豆苗や小松菜のおつかいだって忘れるし!(そこは自慢しない方がいいと思うな)
結局何が言いたいかっていうと、GルートのGはガンダムのGです!!ちがいます
<前回までのあらすじ>
その5の後半5問くらい、突然難易度が下がってサクサクとけてしまったがゆえに、なんだかあっさりした感じでつながった今回。
この試験そんな甘くねーよ
って神様はおっしゃると思いますが、甘くていいのに。
問51
公認心理師としての実践において倫理的に問題とされる多重関係に該当するものを2つ選べ。
① 適度に自分の経験を開示する。
② クライエントから母親のイメージの投影を受ける。
③ 心理職の同僚間で相互にコンサルテーションを行う。
④ 終結を記念してクライエントとレストランで会食する。
⑤ 税理士であるクライエントに確定申告を手伝ってもらう。
多重関係に関する問題ですね。
これ、今まで基準もよくわからなくて困ってたので、メンタルヘルス領域の職業倫理7つの原則(現任者講習会テキストP14)を読んでスッと腑に落ちました。このテキストに載ってる表は金沢吉展先生の「臨床心理学の倫理を学ぶ」に書かれてるのでしょうか。
ちなそもそも公認心理師受験生じゃないんで、現任者講習テキスト持ってないっす。という読者のために「世界一わかりやすい心理学」というブログ記事のリンクを貼らせていただきますジョゾさんありがとうございます。
ところで医者(たぶん看護師にも)には多重関係禁止の規定はありませんので、知り合いの医師(先輩とかね)のお子さんとか、親戚の子とか
ちょっと先生、うちの子診てよ
って、たまに言われます。
風邪とか肺炎なら全然いいんですけど、不登校とかメンタルヘルスの領域だと、ちょっとだけやりにくいなって思うんです。
なので今の施設に来てからは多重関係になりうる子はお断りしています。
(親戚の子も診てないです)
また、別の多重関係の話になっちゃいますけど、ボクみたいなオッサンにも若い頃というのはありまして。
患者さんのお母さんからランチいきませんか?みたいなお誘いとか、LINEや電話番号もらったり(カルテに書いてあるから知ってるんだけど)、高校生くらいの子から「もしよかったら連絡ください」みたいな手紙をもらったりね、そういうのもらうと、すげえやりにくくなるんです(ちなお金とかお菓子とかいただくのもそもそもお断りしますし、受け取らなかったとしても、出された時点でその先冷静な判断できなくなる可能性があるのでやめてくださいね。でも退院後のお礼の手紙や子どもたちが絵を書いてきてくれたとかは大歓迎です。)
なのでメンタルヘルス領域は
「多重関係だから診ません」
って、こうバシッと断れるの、いいですね。
何の話だっけ
あ、そう。うん。いまボク試験中(という設定)だった
(注:ほぼ寝られなかった当直明けの夕方に書いてるのでリアルに寝ぼけてますごめんなさい)
① 適度に自分の経験を開示する。
これ、多重関係ではないし禁止でもないんですけど、あんまりやらないほうがいいです。クライエントの話を自分の話につなげて、結果的に自分の話にしちゃう人って結構いるんですけど。ひとはひと、じぶんはじぶん。ですものね。ばつ。
② クライエントから母親のイメージの投影を受ける。
投影や転移といった感情を受けることはよくあるわけですけど、がっつりと憎まれたり、逆に好かれたりね。ただこれは多重関係と関係ないです。ばつ。
③ 心理職の同僚間で相互にコンサルテーションを行う。
医者だと他職種はもちろん、同職種でもこまめに上司にコンサルトしますし他科の医者にもコンサルトします。が、心理職の同僚間でのコンサルテーションって、どんな感じなんでしょうか。経験豊富な人に相談する場合もコンサルテーションって呼ぶのでしょうか。
いずれにせよ、多重関係と関係ないですよね。同僚のカウンセリングをしちゃったらそれは多重関係ですけれど、そうでなくコンサルテーションですものね。
でも実生活してると、むちゃくちゃ相談されますよね。基本的には、専門のところに相談してね♡って返事するんですけど、みんなほんとどーしてんだろ。笑顔で断ってますか? 解答は、ばつ。
④ 終結を記念してクライエントとレストランで会食する。
なんですかこのうらやまけしからん状況は!
という感情論はおいといて、この選択肢、正直ちょっと迷いました。
『終結してるクライエントとは、ダメではないのでは?』
と思ったんです。
似たような感覚だと、中学や高校の担任と飲みに行くような感じですよね(よく行きます)。通ってたジムのインストラクターともよくごはん行くし、なんなら教え子の大学生と一緒に山いったりご飯食べたりしてたよ俺。
ただ「終結を記念して」は普通無い。
みんなとなのか2人きりなのかは記載が無いからわからないけど。
というわけで、これはアウトっぽいなぁ。アウトな匂いぷんぷんするよねもしかして罠かもしれないしあとで怖いお兄さんが出てくるかもしれないから俺ならやらない(理由違うだろおい)。
⑤ 税理士であるクライエントに確定申告を手伝ってもらう。
なんですかこのうらやまけしからん状況は!(その2)
アウトですよアウト!毎年どれだけ大変な思いをして確定申告してると思ってるんだ。うらやましいぞ。アウト。
(そういえば、うらやましいときに「ずるい」って表現する方をたまに見かけるんですけど、素直にうらやましいって表現する方が好感持てますよね)
解答 ④、⑤
難易度★
「投影」について
転移と投影どこが違うんだろう。って試験中に思ったんですけど、あとで現任者講習テキストを見てみても書いてないし、なんだろうと思って調べました。
どうやら精神力動論の中にでてくる防衛機制の話で。
だそうです。
うん。これだとよくわかんない。
自分自身の感情とか思いを、自分自身の中の問題なのだとすることができず、相手の問題だと他者にむけてしまう事
だそうです。んー。例をあげましょっか。
クラスに、ちょっと気になる人がいたとするじゃないですか。なんかその人とよく目が合う。あれ?もしかしてあの人、ワタシの事が好きなんじゃ?と、”勘違いする”こと。これが投影です。
自分が相手のこと(ほんとはちょっと気になってて)よくみてるから目が合うんです。相手からしたら「なんでアイツこっちばっか見てるん?キモっ」かもしれません。
逆のパターンだと
たとえばTwitterのちょっとした発言を見ただけで、癇に障るというかイラッとするような不快に感じる人がいるとします。それとか、職場でその人がちょっと別の人と喋ってるだけで、イラッと感じる人がいるとします。
あの人はワタシの事が嫌いだからあんなこと書く(いう)んだ。
みたいに感じたりすると思うんですけど、実はそうではなくて、自分自身が相手のことを嫌がっていたり嫌ってるからそんなふうに感じてるんです。その気持ちを自覚して、客観視できてなくて「あの人はワタシを嫌ってるんだ」って思い込む。自分の問題じゃなくて、相手の問題に置き換える。
こういうのを投影って言うようです。
あとはこれも東映ですかね。
そしてこれは照英
(だれかアイツのつまらないギャグを止めろ)
問52
多職種チームによる精神科デイケアにおいて、公認心理師が主に行う業務として、適切なものを2つ選べ。
① 心理教育を行う。
② 作業プログラムを企画する。
③ 利用者にピアカウンセリングを行う。
④ 利用者の公的補助導入について助言する。
⑤ ストレスに関して個別相談を希望する利用者に面接する。
精神科デイケア内での公認心理師の役割について。
デイケアだろうがなんだろうが、多職種チームを行う上で大切なことは
・それぞれの職種の役割を理解すること
・自分の役割を明確にすること
・お互いを尊重すること
だとボクは思っています。
それができないと感情的になりやすいです。
そんなわけで、公認心理師の役割を明確にする必要があります。
みなさん、公認心理師の業務、覚えてます?(さすがに忘れてないよね)
1)心理状態の評価(観察や検査、結果の分析)
2)支援を要する人に対する相談および助言、指導その他の援助
3)支援を要する者の関係者に対する相談および助言、指導その他の援助
4)心の健康に関する教育・情報提供
の4つです。実はこれ、シンプルな知識問題です。
① 心理教育。これ、対象書いて無いけど4)ですね。まる。
② 作業プログラムを企画する。
そうですそのとおりです。
公認心理師ですから、プログラムの企画が職務です。
もちろん、デイケアの作業のプログラムも公認心理師の職務として・・・もうねガッツリと作業プログラムを企画し・・・っておい!それはOTのしごと!! 略して、お・し・ご・と Death!!ばつ!
(いつもこのテンションを無言で受け止めてくれてるうちのヨッメ、もしかしたら相当無理してるんじゃないかな・・・って不安になってきた)
③ 利用者にピアカウンセリング
利用者に必要なカウンセリングを行うなら2)の業務です。でもピアカウンセリングは、障害をもつ利用者同士がお互いにカウンセリングすることですので、公認心理師の業務ではないですね。ばつ。
④ 利用者の公的補助導入について助言する。
こういうのはうちの施設だとMSWに聞くんですけど、本来の資格としては社会福祉士の役割ですかね。1)〜4)にはないっす。ばつ。
⑤ ストレスに関して個別相談を希望する利用者に面接する。
心理的な個別相談を希望する利用者との面接。これは2)ですね。まる。
解答 ①、⑤
難易度★(あっさり塩味スープみたいな問題)
問53
ナラテイブ・アプローチで用いられるナラテイブの概念の説明として、適切なものを2つ選べ。
① ABCシェマの形式をとる。
② 内容であると同時に行為も意味している。
③ 人間の認識形式の1つに位置付けられる。
④ 一般的な法則を探求するための手がかりとなる。
⑤ 語り手や環境とは切り離された客観的な現実を示すものである。
ナラティブって聞いて大仏とか鹿とか思い出す人もいると思うんですけど、ボクは違います。
斑鳩ですよ斑鳩
(ついてこなくていいです)
さて。話を戻しますが、医学の世界ではその治療法の選択アプローチを大きくわけて
・エビデンス・ベイスド・アプローチ
・ナラティブ・アプローチ
とわけることができます。
ナラティブとは、当事者自身が感じ・体験した事柄を通じて筋道をたててゆくアプローチのことです。
逆に、医学・統計学的に有効性が高いと科学で立証された、科学的で客観的なデータをもとに治療法を選択するようなアプローチがエビデンス・ベイスド・アプローチです。
社会が客観的事実だと認めていたとしても、そしてその事実と矛盾があったとしても、その人なりの人生の中に真実があり、それが主観的社会を作り上げている。という社会構成主義的な考え方をとっているのががナラティブアプローチです。
・・・わかりにくくてごめん。
批判覚悟で雑に分けると
客観的:エビデンス・ベイスド・アプローチ
主観的:ナラティブ・アプローチ
もうこれでいいや。
さて選択肢
① ABCシェマの形式をとる。
これEllisの論理療法ですよね。
ぼく人名ほんと覚えられなかったので、赤本第4章に誰が何回出てくるかチェックしたことあったんです。Ellisって、BeckやEysenckと並んで実は超スタメンだったんです。そりゃ調べますよね。たまたま知ってた。ばつ。
② 内容であると同時に行為も意味している。
なんだこの表現は。見たことない。ただ、なんとなく、内容が行為を意味しているというのはナラティブな感じがする。さんかく。
③ 人間の認識形式の1つに位置付けられる。
これはまるじゃないかなぁ。ナラティブって認識形式のひとつですよね。まるよりのさんかく。
④ 一般的な法則を探求するための手がかりとなる。
その人自身にしか当てはまらない法則であって、一般的な法則ってのはだれにでも当てはまるような客観的法則のことで、主観ではないですよね。これはエビデンスベイスドアプローチに近いからばつ。
⑤ 語り手や環境とは切り離された客観的な現実を示すものである。切り離しちゃダメです。客観的な現実を示すのはナラティブではないっす。ばつ。
解答 ②、③
難易度★★(積極的にコレ!と選べないけど消去法でいけるし、ぶっちゃけ「ナラティブ=主観」と「エビデンスベイスド=客観」だけで本当に解けたんじゃないかという気がする)
問54
コミュニテイ・アプローチの説明として、正しいものを2つ選べ。
① 意思決定プロセスは、専門家が管理する。
② サービスの方略は、心理療法が強調される。
③ 病因論的仮定は、環境的要因が重視される。
④ サービスのタイプは、治療的サービスが強調される。
⑤ マンパワーの資源は、非専門家との協力が重視される。
今度はコミュニティ・アプローチですか(知らない)
過去問でも模試でも見たことないなぁ。でもボクの記憶がないだけで、ほんとは出たことあるのかな。覚えてないや。あはは。
ただ感覚としては、引きこもりの子や高齢者の支援、地域の支援者みんなで協働して対応しないといけないような育児不全家庭の支援とか、そういう、地域のコミュニティを用いたアプローチですよねたぶん。
自分の知ってる知識を最大限活かせばきっと国語問題として解けるはず。山崎先生もそう言ってた。俺は、プロロゴスと、頑張ってきた自分を信じてる。
だから張り切って国語問題解くぞー!
(なんだよ結局国語問題じゃんかよ)
① 意思決定プロセスは、専門家が管理する。
うお、いきなり迷う!
「意思決定プロセス」ですよね
地域の担当者みんなで集まって関係者会議を開き
この患者さんいまこういう状況だし、今までは経過観察してたけど、○月○日をリミットにして、変化がなければアウトリーチやるか!
みたいな意思決定のプロセス。方針決めるやつのことですよね。
こういうのは非専門家に責任の所在があってはまずいです。専門家が管理してないで深刻な健康問題が起きた時、誰も責任取れないですし。だから有資格者(専門家)が責任を負うべきだと思うし、話ずれちゃうけど在宅医療とかでも主治医が責任を負って管理してる。
「管理」って言葉が少し強い気がするけど把握してなきゃいけないしそれを管理と呼ぶだろうからまる。
② サービスの方略は、心理療法が強調される。
心理療法を強調、しないっしょ。薬物療法だって理学療法だって作業療法だっていろんな方略があるしそれをそれぞれの専門家が話し合って方略を探るよね、ばつ。
③ 病因論的仮定は、環境的要因が重視される。
病因論的仮定?また初耳ですよ。
よし、おれ、心のアレクサに聞いてみる。
ねぇアレクサ。これって、Kraepelinの話?
「えーっと、質問してくれてありがとうございます。この質問には慎重に答えないといけないですね。うふふ。」
アレクサ。ふざけてないで。まじめに。
「私はいつもまじめですよ。」
アレクサ。いいから教えて。
「怒らないでください。」
アレクサ。ごめんね。だからおしえて。
「ちょっとそれにはお答えできません。」
・・・・・アレクサありがとう。
「どうしたしまして。またいつでもお声かけてください。」
(いつもアレクサと遊んでると、こんな感じで会話返されますよね)
まじでよくわかんないんだけど、クレッペリンだとしたら、外因・内因・心因だよね。”環境的要因”が出てくる病因論って知らないや。んー。ばつ?
④ サービスのタイプは、治療的サービスが強調される。
治療が強調されるのでなく、寄り添う、みたいな話ですよね。ばつじゃないの?きっと。ばつ。
⑤ マンパワーの資源は、非専門家との協力が重視される。
これは大事だな。地域全体に心理教育をして、非専門家と上手に協力体制を作ってゆくことは重要でしょう。まる。
解答 ①、⑤
難易度★★(①がよくわかんないけど、他に明らかにまるになりそうなの無いもんね)
って思ったんですが全然ちがいましたね。
「コミュニティ・アプローチ」
手元にある資料だと、現任者講習テキストには書いてない。
こっそり見せてもらった緑ペンギンには
・危機介入
・コンサルテーション
・地域全体への心理教育
と書いてあった(あとアウトリーチと自殺予防)
コンサルテーションについては、身近な家族や他職種に対し、クライエントに効果的な支援ができるよう助言すること。ってある。また地域支援では、他職種との連携が欠かせないため、専門家同士で適切な支援のためのコンサルテーションが求められるってある。助言をするだけで管理してるわけじゃ無いから①はバツってこと?
ちな。
どんだけ調べてもコミュニティアプローチと病因論の話が出てこない。
地域精神医療保健体制についての厚労省の資料を読んでもよくわからない。
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2010/06/dl/s0610-4a.pdf
困った時の「公認心理師・臨床心理士の勉強会」を開いてみると詳しく書いてあった。
Bloomが示した地域精神保健サービスと伝統的臨床サービスの対比
がポイントなのだそうです。
Bloom?日光過敏とかある染色体異常の疾患?(難病のひとつです)
期待理論のVroomとも違うんですよね?
ううむ。
Bloomと精神保健でググってみても、悠先生のこのページ以外は、ブルームって名前の就労支援事業所の紹介ページくらいしか出てこない・・・。
心理学部出るとBloomは常識なの?ねぇ。
これは無理だ。ワシには解けない。
正解 ③、⑤
(でもプロロゴスの解答入力フォームみると70%以上の人が③、⑤って入力してるからワシの頭がおかしいんだと思うみんなすごいなぁ)
問55
障害者の権利に関する条約〈障害者権利条約〉の内容として、適切なものを2つ選べ。
① 障害者の使用に特化した設計をユニバーサルデザインという。
② 障害者は、障害の程度に応じて居住する場所について制限される。
③ 障害者権利条約を実施するための法令制定に障害者は積極的に関与する。
④ 暴力等を経験した障害者の心理的回復のために適当な措置をとることが国に求められる。
⑤ 必要な支援を行うことを目的として、支援者は本人の了解なしに個人情報を取 り扱うことができる。
障害者の権利。割と好きな範囲です。
① ユニバーサルデザインは障害者の利用に特化したものではなく、国籍や人種、性別や障害の有無に関係なく、全ての人にとって使いやすいデザインって事。ばつ。
② 障害者は障害の程度に応じて居住する場所の制限をされたら、これ人権問題ですよね。ばつ。
③ 法令制定に障害者は積極的に関与する。常識的に考えるとこれまるですね。
④ 暴力等を経験した障害者の心理的回復のために適当な措置をとることが国に求められる。これもまぁ常識的に考えてまるですね。
⑤ 必要な支援を行うことを目的として、支援者は本人の了解なしに個人情報を取 り扱うことができる。なぜだーなぜそう思うーそんなのいいわけないじゃんばつ。
解答 あっさり③、④
難易度★
法律大好きっ子のみんな!条文はここだお!
問56
不登校児童生徒への支援の在り方について(令和元年、文部科学省) の内容として、適切なものを2つ選べ。
① 学校に登校するという結果を最終的な目標 として支援する。
② 学習内容の確実な定着のために、個別の教育支援計画を必ず作成する。
③ 組織的・計画的な支援に向けて、児童生徒理解・支援シートを活用する。
④ フリースクールなどの民間施設やNPO等との積極的な連携は、原則として控える。
⑤ 校長のリーダーシップの下、スクールカウンセラー等の専門スタッフも含めた組織的な支援体制を整える。
不登校児童生徒への支援。
これはボクの専門ですので間違えるわけにはいきません。
① 学校に登校するという結果を最終的な目標 として支援する。
これいちばんやっちゃいけないやつ。『登校を最終的な目標にしちゃいかんのです。児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて,社会的に自立することを目指そうぜ』って文科省が言っとる。ばつ。
② 学習内容の確実な定着のために、個別の教育支援計画を必ず作成する。
個別支援計画は不登校じゃなくて障害者への対応ですよね。特別支援教育のときの個別指導計画とか、放課後等デイでの個別支援計画とか。神経発達症の子はたしかに不登校のリスクではあるけれど、本来は不登校支援とは関係ないですばつ。
③ 組織的・計画的な支援に向けて、児童生徒理解・支援シートを活用する。
うん、なんていうか、これは国語的にまるだ。生徒理解シートとかあるんですね。
④ フリースクールなどの民間施設やNPO等との積極的な連携は、原則として控える。
こういうところと積極的に連携しながら支援しましょうね。ってのが大切な事ですよね。さっきの文科省の不登校児童生徒への支援のところにも書いてあった。ばつ。
⑤ 校長のリーダーシップの下、スクールカウンセラー等の専門スタッフも含めた組織的な支援体制を整える。
チーム学校ですね。校長がリーダーシップをとり、担任ひとりに負担をかけさせるのではなく、組織的に支援体制を整える、まる。
解答 ③、⑤
難易度★
やっぱ簡単だったね。不登校支援については、令和元年の文科省の通知がすごくよく書いてあるので、リンク先どぞ。
問57
学校におけるいじめへの対応として、適切なものを2つ選べ。
① 加害児童生徒に対して、成長支援の観点を持って対応する。
② 被害者、加害者、仲裁者及び傍観者といういじめの四層構造に基づいて事案を理解する。
③ 当事者の双方に心身の苦痛が確認された場合には、苦痛の程度がより重い側へのいじめとして対応する。
④ 保護者から重大な被害の訴えがあったが、その時点でいじめの結果ではない と考 えられる場合 は、重大事態とはみなさない。
⑤ いじめの情報が学校にもたらされた場合には、当該校に設置されている学校いじめ対策組織を中心に情報収集や対応に当たる。
不登校の次は、学校でのいじめの対応ですか。このあたり教育問題続きますね。
学校におけるいじめ問題に関する認識と取り組みのポイントも、文部科学省のページによくまとまっています。
なのでこれに沿って解答してゆきましょう。
① 加害児童生徒に対して、成長支援の観点を持って対応する。
そう。加害児童に対しては、その加害児童が成長してゆけるような支援の視点をもちながら対応する。まるですね。
上記リンクにも、
いじめの非人間性やいじめが他者の人権を侵す行為であることに気付かせ、他人の痛みを理解できるようにする指導を根気強く継続して行う
と書かれています。
② 被害者、加害者、仲裁者及び傍観者といういじめの四層構造に基づいて事案を理解する。
いじめの四層構造ってのは聞いた事が無いんだけれど、被害者・加害者・仲裁者・傍観者の問題はあるよね。たぶんそこに学校、家庭、地域社会って枠組みが追加される感じの。感覚的にはまるかな。
③ 当事者の双方に心身の苦痛が確認された場合には、苦痛の程度がより重い側へのいじめとして対応する。
苦痛の程度は他人が客観的に判断することはできないのだから、重い軽いじゃ無いしどちらにたいしてもいじめでしょ。ばつ。
④ 保護者から重大な被害の訴えがあったが、その時点でいじめの結果ではない と考えられる場合は、重大事態とはみなさない。
いじめの重大事態はスタメンのひとつですよね。自殺等重大事態と不登校重大事態の2種類があってそれぞれ以下のとおりです。
自殺等重大事態
「いじめにより当該学校に在籍する児童等の生命、心身又は財産に重 大な被害が生じた疑いがあると認める」事態
不登校重大事態
「いじめにより当該学校に在籍する児童等が相当の期間学校を欠席することを余儀な くされている疑いがあると認める」事態
どっちの事態であれ、因果関係が存在する事が疑われれば、因果関係の存在が明白でなくとも重大事態の要件は満たされる。なので、保護者から重大な被害の訴えがあったなら重大事態とみなします。ばつ。
資料:文部科学省「重大事態」の解説(案)
⑤ いじめの情報が学校にもたらされた場合には、当該校に設置されている学校いじめ対策組織を中心に情報収集や対応に当たる。
これは、学校いじめ対策組織だけでなく、家庭・教育委員会と連携をして情報収集や対応にあたりますよね。ばつ。
解答 ①、②
え。
正解、②じゃなくて⑤なの? ①、⑤
問58
触法少年について、正しいものを2つ選べ。
① 触法少年は、少年院に送致されることはない。
② 触法少年に対する審判結果は、被害者には通知されない。
③ 触法少年とは、14歳未満で刑罰法令に触れる行為をした少年をいう。
④ 触法少年は、警察官による事件の調査に関し、いつでも弁護士である付添人を選任することができる。
⑤ 児童相談所は、警察から送致を受けた触法少年の事件については、家庭裁判所に送致しなければならない
午前一般問題最後です。
やっとここまできました。
まだ先はながいですが。。。。
触法少年について。これも過去問に何度もでてきたスタメン問題ですね。サクッと解きましょう。触法少年とは、14歳未満で法に触れることをした少年のことですが、刑法では罰する事ができず刑事責任を問われないんですよね。
① 触法少年は、少年院に送致されることはない。
いやいやいや。12歳以上なら送致されることはあります。ばつ。
② 触法少年に対する審判結果は、被害者には通知されない。
そんなわけないですよね。審判結果等通知制度というものがあり、申し出があれば結果の通知はされます。
③ 触法少年とは、14歳未満で刑罰法令に触れる行為をした少年をいう。
これは定義そのものですね。まる。
④ 触法少年は、警察官による事件の調査に関し、いつでも弁護士である付添人を選任することができる。
これもそういう権利ありますよね。まるかな。
⑤ 児童相談所は、警察から送致を受けた触法少年の事件については、家庭裁判所に送致しなければならない
うお。触法少年も原則送致な気がする。例外的に児相から児童自立支援施設に入ったりするけど、それって家裁の審判で児相送致になったときだっけ。うおー、まるっぽい。
解答 ③、④、⑤
えらべないなぁ。んー。となると、④の「いつでも」がバツ?
よし!③、⑤にする!
と決めて間違えましたぴえん。
触法事件の弁護士については渋谷青山刑事法律事務所のホームページがわかりやすかったです
また少年事件の手続きは、しんりしTvの山崎先生の講義がわかりやすかったです。
くそー、ここもうろ覚えになってたーくやしー。
さて次からいよいよ事例問題
更新の頻度おちたらごめんコロナマジでやばい
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