アメリカでの黒人デモについてHBCU(歴史的黒人大学)元留学生として伝えたい事
みなさんこんにちは。
本日は、連日報道されているアメリカでの黒人差別から派生したデモについて、HBCUに留学していた身として感じることがあるので記事にしたいと思います。
私は、2018年8月から2019年5月まで、アメリカ ミシシッピ州のトゥーガルー大学で日本語講師をしていました。
トゥーガルー大学は歴史的黒人大学で、在学する99%が黒人です。
私は、大学内で唯一の日本人留学生、日本人講師として勤務・勉強していました。
HBCUで勉強する中で、
テレビでは中々報道されきれていない黒人コミュニティの現状を伝えたいと思います。
【黒人コミュニティでの勉強できる環境が圧倒的に足りていない】
トゥーガルー大学に進学してくる学生の多くは、ミシシッピ州内からきます。
公立小中高校では、いまだに暗黙の了解で、白人が多い学校、黒人が多い学校と公立でありながら分かれています。
裕福な白人の子供たちは私立に通い高額な授業料とともに先端の教育を受けられますが、
黒人の子供たちは幼いころから私立に行ける子が少ないです。
また、家庭環境も差があり、勉強をするという習慣を手に入れることが出来ない環境に多くの黒人の子供たちが晒されています。
【白人と黒人コミュニティの明らかな断絶】
上の写真は、マディソン市にあるショッピングセンター内の本屋さんの写真です。
小奇麗なアメリカのイメージらしい本屋さんでした。
このショッピングセンターはミシシッピ州にいながらもほとんどが白人の人しか歩いていませんでした。
こちらの写真はジャクソン市内のストリートの写真です。
車もほとんど通っていません。
ジャクソンは黒人の割合が多く、街を歩いていても圧倒的に黒人を見る割合が多いです。
【黒人コミュニティに約1年間過ごさせてもらって】
1年間、黒人のコミュニティで過ごさせて貰って、
彼らの生活状況、将来への不安、アメリカ社会での活き辛さを学ばせて頂きました。
また同時に、音楽を愛し、仲間を大切にして、陽気に過ごす楽しい雰囲気も共有させてもらいました。
トゥーガルー大学の卒業式です。
家族、親戚、トゥーガルーの卒業生がこの日一同に集まり、卒業生たちを祝福します。
トゥーガルーは今年で151周年を迎えました。
大学は彼らの希望でもあります。
メディアでは、暴動の内容がひどい、略奪が行われている、
デモが全米に広がっている
といった報道がメインですが、黒人のコミュニティ内での生活が非常に困窮しています。
差別を受けながら、生活をしていく事も困難な状況の中で起こった今回の事件。
大変悲しい出来事ではありますが、白人・黒人・ヒスパニック・アジア人等、
人種関係なく世界中の人々が幸せに暮らせる日になる事を願います。
da_shu