幹部合宿は準備が9割
仕事上、よくご相談いただくのが「幹部合宿のファシリテーションをお願いします」というやつです。
基本的に、単発のワークショップだけみたいなお仕事は受けないのですが、長いお付き合いの信頼関係のあるお客さんの場合は別です。
今回は、以前ミッションづくりをお手伝いした組織で、これから大きく経営方針を変えていくので、その理解・腹落ちと全員の目線合わせができるような幹部合宿をやりたいとのこと。(あくまで事例として紹介したいので、内容はちょいちょい変えています。)
日程、どれだけの時間を使えるのか、参加人数、会場の環境などをまずお聞きするのですが、大体日程はもう決まっていますw
そして参加者も決まっていますw
ぶっちゃけやりたい内容や目的によって、参加者とか必要な時間とか変わってくるのですが。。
今回のケースは合宿が2ヶ月前と早めに相談いただいたので、調整がきく範囲かなと。
たぶん、依頼する側のイメージとして、「なんか当日合宿来てもろて、ささっとファシリして、最後いい感じにまとめてもらえるんでっしゃろ」みたいな、大いなる誤解がある気がします。(何度も言いますが、今回のケースは違います!)
何なら、当日までの準備で成否の9割は決まってくるし、
知識入れるための研修じゃないんで、そんな受け身だとどうにもなりまへんw
ちなみに、ご要望は「経営方針は以前説明してあるので、それを前提として、個人個人の将来的にやりたいこととの接点を見出してもらいたいです」とのことでした。
ざっくり言うと、「組織のビジョンと個人のビジョンをリンクさせる」ということをやりたいということですね。
確かに、これができると各自にとって組織のビジョンが自分事になるので、エンゲージメントが上がります。
というか、これだけの解像度で目的設定されている方がレアかもしれません。
ただ、、参加するメンバーがいわゆる幹部もいれば、役職などについていない若手メンバーも含まれるので、いきなり個人のビジョンを考えといてくださいと言っても、たぶんムリ。
やるなら個々人のwant to(誰に何と言われてもやっちゃうこと)の把握と、組織のビジョンとのリンクをするのが先決だろうと。
しかもそれを合宿当日にどうこうするのではなく、トップのあなたが全員のwant toに対して「組織のビジョンをやることの意義・メリット」をプレゼンできるようになりましょう、という合宿前までのアクションを提案しました。
一方で、組織のビジョンについての議論が十分にできているかというと、まだ全然これからとのこと。
だったら、2〜3人のコアなメンバーに合宿の企画ミーティングに入ってもらい、そこで合宿を通じてやりたいことの意図・意味も汲んでもらいつつ、組織のビジョンについての議論も入れ込んでいきませんか、と提案し、事前の企画ミーティング×2回をその場でセッティング。
そうなると、もはや合宿前の企画ミーティングが本番で、合宿はオマケぐらいの位置づけになってきます。
でも、実際メンツと内容の濃さで言えば、明らかに企画ミーティングがメイン。
事前に合宿当日のイメージができていれば、意図を共有している人がファシリテーター以外に2〜3人潜入(?)している状態なので、グループで分かれて議論する場合でも、だいぶ進めやすくなります。
まさに、準備が9割。
あとは、ワークショップ設計をしているとたいていhowのコンテンツの議論に入り込んでしまうので、「合宿が終わった時にどうなっているといいんでしたっけ?」というゴールイメージを決めるのが超絶大事です。
例えばゴールイメージが「ビジョンを理解・腹落ちできている」なのに、「新しい事業アイディアを考えるワーク」を入れたい!とか、確実に事故りそうじゃないですか?
だから、ゴールイメージを握った上で、必要十分なコンテンツだけを入れていくのが、当たり前なようでなかなかできないので、めちゃくちゃ大事です。
ちなみに、今回の合宿のゴールイメージは最終的にこうなりました。
・メンバーそれぞれがwant toを言語化できていて、相互理解できている
・組織ビジョンを共有して、みんなが理解・腹落ちできている
・個々人の人生を長期目線で考えて、この組織との接点を見出せている
・(プラスα)もっと主体的に組織運営にコミットしたいと思う人が現れてくる
ということで、ワークショップ設計の打合せってこんな感じでやってますよ、というお話でした。
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