強みは「諦めてから」が始まり
ストレングス・ファインダーの資質は、『利き手』みたいなものだと考えると分かりやすいです。
生まれた瞬間に決まってるレベルの遺伝的性質とは違うけれど、子どもの頃に繰り返してきた習慣や、慣れ親しんだパターンによって早い段階で決まってくる特性、という感じです。
もし左利きなのに、右手で字を書くことを訓練しようとしても、もちろん全く上達しないわけではないけれど、上達スピードが左手ほどは上がりません。
時間やエネルギーをいくら費やしても、取れ高が少ない。
要はコスパが悪いわけですね。
それだったら利き手の左手で字を書いたり、絵を書いたり、もっと複雑な動きをできるように訓練していった方が、どう考えたってトクです。
訓練すればするほど、できることがどんどん広がっていくので。
そうなると、一番不幸なのは、自分が左利きだと分かっているのにも関わらず、「右利きに憧れるから、どうしても右手で字を書けるようになりたい」「みんな右利きだから、左利きのままなのは恥ずかしい・・」といった理由で頑張り続けてしまうことです。
例えば僕の強みTOP5は、原点思考/戦略性/個別化/共感性/運命思考という大変クセの強い並びになっていて、下位の方に着想や達成欲などが来ています。
そんな僕が「着想ほしいわー。憧れるわー」とあがいてみたところで、”本職”の着想持ちの人の足元にも及ばないわけです。
それだったら、アイディアは着想の人に出してもらって、こちらは原点思考を活かして「そもそもの企画趣旨に立ち返ると、Aというアイディアはマッチするけど、Bは見送った方がよくないですか?」という空気読まない発言をして、まとめ役に徹した方が役割分担としてはキレイです。
ないものねだりは人の常なので、持ってない人からすると、キラキラ系の強み(着想とか未来志向とか、かっこよくないですか?)は輝いて見えますが、「持ってないものは持ってない、という諦め」が肝心です。
なんで左利きなんだ・・と今さら嘆いても、はじまらない。
では、ないものはないと諦めて、それからどうするのか?
めちゃくちゃ当たり前の結論ですが、『利き手(上位の強み)が生かせる文脈(場面)を見つけて、磨く』。
これに尽きます。
ちなみに僕の強みの中でも、こちらの3つはわりとディスられがちで有名です。
・原点思考:経緯や歴史にこだわる→新しい変化やイノベーションに消極的
・共感性:空気に左右されやすい→大胆な決断が苦手
・運命思考:すべてはつながっていると急に言い出す→スピ系っぽいww
クセが強すぎて、一見詰んでいるようにも見えますが、この3つはワークショップなどでファシリテーションをやる時にはめちゃくちゃ役に立ちます。
・原点思考:議論が拡散して本筋から逸れても、もともとの企画趣旨に立ち返って進行できる
・共感性:懸念があるけど発言できていない人に気づいて話を振ったり、みんなが感じているモヤモヤを捉えて言語化して場に出せる
・運命思考:そこにいる参加者が居合わせている必然性(ご縁)に言及して、一体感を生み出せる
そうと分かれば、ファシリテーションという文脈で活きるようにそれぞれの強みを磨いていけばいいので、強みに振り回されるというより、「強みを飼い慣らす」方向にシフトできます。
これを「ファシリやるならコミュニケーションがあった方がいいよな」とか「社交性もほしいわー」とないものねだりしていても、残念ながら前には進めません。
そんで、「初対面でもすぐ仲良くなって、スムーズに話せるようになる講座」的なものに通ってしまうわけですが、その方向性だと僕の場合はコスパが悪すぎるんですね。
ということで、強みを活かすには「諦めたら試合終了」どころか、「諦めてから」が始まりですよーという話でした。
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