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お城跡を巡る旅のプロローグ事件in金砂山城跡

このシリーズで何故か空白になってしまってた栃木県を網羅すべく、お盆休みを利用して訪ねてまいりました。

しかし、今回はその序章で起きた事件の顛末記です。

実家が常陸国の北の方でして、黄門さんの隠居した町(村)です。

我が家の菩提寺がこちらにあり、久しぶりにお盆のお勤めをしてまいりました。

日蓮さん(久昌寺)

お塔婆を納め新たな物を書いて頂き、お墓にお供(で良いのかな?)して来ました。

平成の大合併で現在は常陸太田市となってますが、私の生まれは久慈郡金砂郷村です。

東京志向の強い子供でしたから、この出身村がイヤでイヤで仕方ありませんでした。

大学生時代に友達に聞かれると、水戸の方とごまかしておりました。せめて常陸太田市と答えてたのを良く覚えてます。

歳を重ね、色々な鎧を身にに纏い、もしくは全てが剥がれ落ちてなのか、故郷を誇りたい気持ちが増えてきたのを感じてました。

今年の大河ドラマで、金砂山の合戦が取り上げられて、かなり嬉しかったです。

初めて故郷がメインステージに立った様に思いました。

しかし、実は行った事がなかったのです。
オイラの村で起きた大事件の現場を訪ねて無いって、歴史好きとしてどう言う事?

墓参りを済ませたら、早速金砂山に向かいました。我が村は南北に非常に長く、我が家は南のギリギリで、金砂山は北の外れです。

今回走って知りましたが、20キロ以上離れてる様です。我が中学校は南中でしたが、北中は遥か北の別の国にあるのではないかと思うくらいに感じてた中坊の私がいました。

おりしも台風8号が関東地方に直撃かとの報道がひっきりなしにされて、緊迫の雰囲気が漂う中でした。実際千葉での初ロッキンジャパンが中止になったとのニュースを聞いて、ヤバイかなと少し不安になってました。

それでも曇りがちでも、少しの雨がパラつく程度でなんとか持ち堪えてる天気でした。

さて、金砂山は驚くほど険しい所でした。
良く言いますが、茨城県は基本平坦です。

我が実家くらいまではこれが当てはまります。

しかし、僅か20キロほど北上すると、阿武隈山脈のハシリに掛かるのだと思います。

車1台がギリギリ通れるかどうかくらいの山道です。倒木も道のあちらこちらにあり、かなりの不安を抱えて来ました。

更に登ると、道路の両サイドから草や枝が道を塞ぎ、上には垂れ下がった木々も出てきました。

そこで気付きました。この道は月に何台か位のレベルでしか通行がないのだろう。だから、倒木など除去されてないのだと思いました。

なんとか金砂山城跡、もしくは西金砂山神社に、たどり着きました。

城郭などなかったですが、一応お城跡?

雨も大分強くなってきます。

傘をさしながら西金砂神社を目指します。

20年程前でしょうか?テレビでも報道されましたので、ご記憶の方々もいるかな?

72年に1度の大祭令と言う神事があり、この地から日立の水木海岸まで、神様を運ぶイベントがあるのです。日本全土においてもかなり珍しく、貴重な神事だと思います。

今、そこにたどり着来ました。

西金砂神社
大祭礼(72年)と小祭礼(7年)




天気が大分怪しいので、早々に引き上げる事にして、栃木県に向おうと山を降りました。

ついでだから東金砂神社にも寄って来ましたが、これが事件の始まりです。

Googleで有名になった竜神峡の吊り橋のそばです。風鈴ナンチャラのイベントをやってるとの立て看板を見たので、立ち寄りながら下野国に向かおうと走り出します。

バンジーは中止でした。

ここへ向かう道で事件は起きたのです。

ふと、近道はこちらかな?

との悪魔の囁きに導かれて更に細い山道に入り込んでしまいました。

もう、右も左も上も下も、あらゆる方向から草や枝などの攻撃が我がロートルの車に仕掛けられて来ます。ヒィーヒィー、キィーキィー言ってます。

ぱっん!(擬態語難しい)

何か感じたのは確かです。

走り(下り)つづけます。

ギロギロ(擬態語は難しい)

明らかに異変が起きてる事を認識しました。

まさか、パンク?

実は3週間前にもパンクを経験してるので、もしやとの思いと、あれだけ倒木の上を走ってれば何かあるよな、との感覚を持ってたのだと思います。

急ぎ止めて確認したら、左前輪が見事に、ペシャンコです。

ヤバいな、こんな山の中で、しかもかなりの坂道の途中です。

スペアータイヤに交換するか!
ただ、この坂道はどうだろう?

そんな思いを抱えて、作業開始です。

感覚的に坂道での作業はまずいだろうと感じて、少しでも平坦になる様に、道路を遮る様に車の方向を変えました。たまたま、車止めの様な空間が右側にあり、そこに無理矢理バックで押し込みました。少しは平行を取れた様に感じました。

ジャッキで車体を上げようとするのですが、斜めってるので、上手く回りません。

汗だくになって来ました。少し寒かったので薄手のパーカーを着てましたが、蚊の来襲が凄いのでとても脱げません。

ギコギコ回してると少し浮き上がって来た様に感じたその瞬間、バキッとジャッキが外れて、車が前に動いてしまいました。

直ぐ理解しました。

そうか、この斜めでは車を持ち上げる事は出来ないな。

瞬間相当な事を考えイメージした自分に驚きます。

JAFを呼ぶ⁉️
も一度トライ!
このまま少しずつ走って行く!
最悪無理⁉️
走って行き助けを呼ぶ!(携帯繋がるんだけどね)

待てよ、前のめりになってるんだから持ち上げたら、前に進むよな。

なら、進まない様にしとけば良いじゃん!

この発想になるまでに、10秒も掛からなかったと思います。

狭く片側は壁の様な山肌が露出してる場所です。なら、押しつけてしまえば前に動かなくなるはず。

バンパーやナンバープレートが曲がるかもしれないけど、言ってる場合かと即実行です。

再びジャッキアップです。

それをしながら、気づきました。

おそらくこの土が邪魔になるな。

路肩的な場所の土盛がタイヤをはめる時に邪魔になるだろうと思いました。

相変わらずジャッキの回しは難しいのですが、なんとかパンクタイヤを取り外せました。

スペアータイヤをはめようとしても、その位置に届きません。

もう、手から脚から顔まで、泥まみれで汗ダラダラです。

時刻は15:30過ぎ。少し暗くなってきましたし、雨も強くなった様です。

焦りと筋肉の疲れで、身体がプルプルとしてます。お茶を飲み、ヒグラシの声を聞いて落ち着きます。

先程から土盛を掻き出す作業を続けて大分空間が出来たように感じます。

腰の痛みを思いながら、もう一度トライです。

カチッ

ハマりました。

山の中格闘する事、1時間くらいかな。
脱出出来ました。

今、冷静に面白可笑しく書いてますが、多分相当ビビッテたんだと思います。

何故なら、道路を塞いでる車止めやパンクしたタイヤの写真もありません。

唯一、必死で書き出した土盛の跡がピンぼけでありました。

手で掻き出しました。


こうしてなんとか脱出できましたが、汗と泥と雨で全身ボロボロです。

いつもの里山の温泉でサッパリして、下野国に向かいます。

毎度思いますが、出た所勝負でその対応力を楽しんでる自分の性格は、やはり1人旅がむいてますね。








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