長岡紀行(刺繍屋編)#1
越後の国に取引先でもある人がいます。仕事仲間として、既に20年近い付き合いでしょうか。
キャラクターとしては、逆方向の人ですが何故か気が合い、付かず離れずの関係性を保って来ました。
今回ホームページのリニューアルに向けて、色々な業者さんを選定してる段階でして、その打ち合わせに来ました。
刺繍屋さんを探しており、以前よりネーム刺繍で付き合いのある方の会社訪問が目的です。
彼には間に入ってもらってます。
ただ、事前に具体的な探りを入れてた段階で、少し難しいかなとは感じてました。
こちらの要望する世界観との違いや、そもそも土俵が合ってない様にも思ってました。
シルクプリント業界でも言える事なのですが、名入れ屋さん(ユニホーム業界)と我々は明らかに価値観が違います。
どちらが良いとか優れてるとかの話ではありません。しかし、名入れ業界は基本受身で、新たにクリエイティブな事をしないのが本流のような気がします。
訪ねた大将もそんな体質が染み付いた御仁のようでした。事前の話ではやりたいとの快諾を得ていたので、今回の打ち合わせになったのです。
B to B を目指したいので協力して欲しいとの思いを伝えてありました。
しかし、そのBが違っていたのです。
私のイメージしてるBはアパレルや音楽事務所、物販企画会社などです。
彼のBはユニホーム屋さんのみなのです。
普段関わってる世界が知らず知らずのうちに自分の世界になり、それ以外を認識しなくなっているようでした。
私はその辺も分かっているつもりですが、間に入ってる彼も含め当方の想いが伝わってなかったようです。
実はこの結果は想定内でした。事前の問い合わせに対する答えを見ていたので、人となりや仕事の状況を感じ取っていたのです。
では何故行ったなのか?
一つには少ない可能性を信じて説得してみようかとの思いです。
そして、翌日には長岡の歴史を巡る旅が出来ると考えたのです。つまり、半分遊びが目的になってました。
残念ながら予想は的中で、手を組んでの取り組みは無理となりました。
そうなりゃ美味しいお酒と地元のうまいもんで、愚痴りつつの飲み会に早変わりです。
栃尾のあつあげ
その中で新たな展開の可能性も見えてきたので、良しとしました。
刺繍の産地は桐生などにもあります。
この辺も新潟含めかつては大分盛んだった様ですが、ニット製品の衰退に引きずられて今は名入れが主流になってるとの事でした。
プリント屋も含め時代の流れに対応する難しさを感じて、刺繍屋さんの建物を後にする時に寂しさを強く感じました。
さて、明日からは悲劇(?)の長岡城跡などを巡る旅です。