ダン•ペン Living on Mercy
秋は月が綺麗ですね。昨夜のNHK大河「光る君へ」では、ついにあのシーンが!
「この世をば 我が世とぞ思ふ 望月の 欠けたることも 無しと思へば」
藤原道長が栄華を極めた名シーンです。
この、歌を詠む場面、道長(榎本佑)が藤原実資(ロバートの秋山)を呼び寄せ、これから歌を詠むから返歌してほしいと言います。秋山さんはドラマで株を上げたでしょうね。なかなかユニークな存在でした。実際の藤原実資も権力に媚びない気骨な人物です。
その藤原実資はなんと90歳まで生きたそうです。彼の書いた日記「小右記」は40年以上も続いて、このドラマでも貴重な資料だったに違いありません。それにしても、登場人物が若くして次々と病で死んでいく平安時代で90歳とは驚きです。そして今回紹介したいミュージシャンも、今83歳ですが79歳の時に作ったアルバムなのです。
藤原道長の別荘といえば十円玉の宇治平等院鳳凰堂が有名ですけど、私も何度か行きましたが、賑やかな京都から離れて、宇治駅から長閑な宇治川沿いを歩くのは癒されます。
お土産店通りではなく川沿いを山を見ながら平等院に向かって歩くのが良いのです。それから平等院に行ったら、中の阿弥陀如来像の見学コースはおすすめです。また池の周りはもみじが多く、意外と紅葉の名所だと思います。
宇治で思い出しましたけど、中学のプチ同窓会でのこと。修学旅行の話になり京都や奈良の事などを話していたのですが、ある人(ショウコさん)が伊勢神宮にも行ったと言いまして、他全員が「いや、伊勢は行ってないよ」「京都奈良からは遠いし日程的にもムリじゃない?」と記憶を遡るものの、曖昧な記憶しかなく証拠もないので、伊勢には行ってないことで話しは落ち着きました。
しかし、翌年のプチ同窓会の時に、ショウコさんが「ほら」と見せてくれたのが、伊勢でのクラスの集合写真!「行ってない」と言ってた皆が写ってるではないですか!
それ以来「ショウコさんの証拠」という名のネタ話しとなっております。笑
何が言いたいのかというと、私も周囲も昔の記憶が曖昧になる年齢になってきました。いろんな過去の記憶が、断片的になっております。
というわけで、断片…
ダン•ペン Living on Mercy 2020年
ダン•ペンは、60年代にソウルの名曲を作曲し提供してきた、知る人ぞ知るサザンソウルの名ソングライターです。歌手としては無名で、デビュー作は32歳、次作が54歳、その次作が本作で79歳、と寡作です。
それにしても、なんというハートウォームな声でしょう。彼の作曲で有名な曲は、アレサ・フランクリンの「ドゥ•ライト•ウーマン」やジェイムズ・カーやライ•クーダーの「ダーク•エンド•オブ•ザ•ストリート」等。それらソウルの名曲をセルフカヴァーしたのがこちら↓の前作で、隠れた名盤とされています。
ハートウォームなのは声や歌だけでなく、彼のスタイルや風貌も。アメリカ南部アラバマの何もない小さな田舎町に住み、よっぽど車が好きなのでしょう、アルバムの写真もこんなの↓ばかり。そして必ずジーンズのオーバーオールを着ています。
ライヴに出る時もこんな格好らしいのですが、その姿は、南部の農家のおっちゃんにしか見えません。笑
ソロでは寡作ですが、60年代にマッスルショールズのスタジオ仲間の盟友、スプーナー•オールダムとの共作名義の作品は何枚かあります。ジャニスジョップリンのパール収録の「ウーマン•レフト•ロンリー」は、この二人の共作です。
そして、その二人で2019年と2023年に、なんと来日しているんですよね。
行きたかったぁ〜。
さて、話は変わり、昨日(日曜)はサッカー60歳以上カテゴリーの東京都の区別対抗の大会があり、私もこの大会に向けて準備してきました。
しかし、私が所属した江東区合同チームは、初戦から三連敗、でも昨日の最終戦で、私も得点し勝って終わり、皆笑顔に。
負け惜しみではなく、終わったあと思ったのは、「終わりよければすべて良し」
この日は朝から「俺が点を決める」とずっと思ってた。とにかく得点しなきゃ状況は変えられん、と思ってた。
最終戦で勝った後は、チームはやっとひとつになれました。チームメイトとは半分冗談で「来年もここでまた会おう」「生きてればね笑」と。「俺たちこのままグランドで倒れて死んでもイイよ笑」とも。最近のシニアサッカー仲間との、お決まりのジョークです。
ダン•ペンも、79歳で本作を創るし、藤原実資も90歳まで生きて日記を書くし、人生も最終コーナー、ベストを尽くして突っ走ろう。