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「身体状態」に不安になったら「介護予防・日常生活支援」総合事業のサービスがある!「3-1」

Ⅰ:総合事業の概要は?

≪「介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)」は?≫

 2015年4月から段階的に導入が行われ、2017年4月からすべての市区町村で提供が始まった新しい介護政策です。

 従来の要介護認定で「要支援1~2」だけでなく、「非該当(自立)」と認定された人や、要介護認定自体を受けていない人でも、65歳以上で生活機能の低下が見られると認められた場合に利用することができ、市区町村の独自色が強い事業です。

 これに伴い、要支援1~2の人を対象に行われてきた「介護予防訪問介護」「介護予防通所介護」は、介護保険から切り離されて総合事業に移管されました。

 総合事業として行われる1)「訪問介護サービス」2)「通所介護サービス」の内容や料金については、市町村の裁量に任されています。

1)訪問介護サービス:2017年3月まで提供されていた「介護予防訪問介護」に相当するサービスで、ホームヘルパーが家庭を訪問して、家事や調理、身体介護などを行います。

2)通所介護サービス:2017年3月まで提供されていた「介護予防通所介護」に相当するサービスで、車での送迎によって施設などに行き、食事や入浴、機能訓練などが受けられます。

Ⅱ:介護に関する総合事業が始まった背景は…

≪(出典:厚労省)介護予防・日常生活支援総合事業構成表≫

介護予防(総合事業) (2)


◆なぜ総合事業が始まり、「訪問介護と通所介護」だけが介護保険から移管されることになったのでしょうか?

「厚労省の説明では」

◆厚生労働省では、次のように書かれています。

■要支援者の予防給付の見直しを行うのはなぜか?
■訪問介護と通所介護に限って地域支援事業に移行するのはなぜか?


・要支援者については、配食、見守り等の多様な生活支援サービスが必要であり、生活支援の多様なニーズにこたえるためには、介護事業所以外にも、NPO、民間企業、ボランティアなど、多様な事業主体による多様なサービスを充実していくことが、効果的で効率的。

・また、高齢者の介護予防のためには、地域に多様な通いの場を作り、社会参加を促進していくことが重要。

 そのためには、介護事業所以外にも、地域の中で多様な主体による多様な場を確保していくことが効果的で効率的。高齢者の社会参加の促進を通じて、元気な高齢者が生活支援の担い手として活躍すれば、生きがいや介護予防にもつながる。

・なお、予防給付のうち訪問看護等のサービスについては、多様な形態でのサービス提供の余地が少ないことから、市町村の事務負担も考慮して、引き続き予防給付によるサービスを継続。

                          (出典:厚労省)

◆総合事業の内容ですが?
 年々、社会保障費が増え続けるなかで、
現状の介護保険制度をそのまま維持し続けるのは困難になります。

 それならば、一般の介護事業所だけではなく、民間企業やボランティアなどにもサービスを提供してもらうようにすれば、費用を抑えつつ、バラエティに富んだサービスが提供できることが必要になります。

 これまで要介護認定を受けなかった高齢者や、要介護認定で「非該当(自立)」と判定された高齢者にもサービスを提供できるようになることで、それ以上の介護が必要となるのを予防できるのであれば…効果的・効率的になります。

 ただし、訪問看護などの専門職が行うサービスは
、看護師などの専門家でないと無理なので、介護保険のなかに残すことになりました。

Ⅲ:総合事業のメリットは?

≪総合事業を利用することで、介護予防に取り組めます≫

 要介護認定を受けてから介護保険のサービスが利用できるようになるまで、1カ月近い時間がかかることも珍しくありません。総合事業の基本チェックリストを使った判断はすぐに結果が出るため、素早くサービスを利用することが可能になります。

 また、要介護認定で「非該当(自立)」と判定された人でも、「基本チェックリスト」で生活機能の低下が見られると判断された場合は、訪問型サービスや通所型サービスを利用することが可能となりました。

Ⅳ:総合事業のデメリットは?

≪総合事業のデメリットにはどういうものがあるでしょうか?≫

 全国均一のサービスが定められていた介護保険事業と異なり、総合事業については市区町村が裁量が任されている範囲が大きくなっています。

 サービス内容や料金は自治体ごとに異なったものとなるため、「自分が住んでいる町より、隣町のほうがサービスの種類が豊富で、内容も良く、しかも料金が安い」といったことが起きています。

 また、ボランティアなどが訪問介護、通所介護を担う場合、どこまで質と安全が担保されるかという部分にも不安が残ります。

 介護の資格を取得していない人でもサービスが提供できるので、万一、事故などが起きた場合、誰がどのような形で責任を取ることになるのか、サービスを利用する側としては心配な内容もあります。

伍:次回は、「介護予防・日常生活支援」総合事業の手続き方法は?


≪「3-2」を紹介します。≫


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