生産性向上ができないと日本の「介護」は終わる?
Ⅰ:介護サービス事業を継続するためには?
≪今後は、生産性向上が求められる介護事業者の方向は重要です≫
◆生産性向上が求められる背景はなんでしょうか?
現状から考えてみると生産年齢人口の減少は大きな問題で、日本の人口はここ数年間で減り続けており、2014 年の総人口は約1億2,708 万人で、前年と比べると約21万5千人減少しています。
特に、生産年齢人口は減少が続いており、2040年にかけてその傾向がさらに大きくなることが予測されています。人口が少なくなることは、経済が縮小することにもなります。
近い将来、下記の資料にあるように、高齢化社会のピークを迎え、介護ニーズの急増と多様化に対応する必要がある一方、人口減少社会の到来で生産年齢の介護人材の確保が困難になります。
このような状況の中においても、介護の質を確保し、向上させていくことが、介護現場が直面する大きな問題になっています。
◆超高齢化社会への多くの懸念事項もあります!
社会保障費の増加による財政の圧迫懸念。
生産年齢人口の減少による労働力の低下懸念。
介護離職による労働力の更なる低下懸念。
が考えられます。
◆(出典:総務省)
<このような課題に対応するために求められることは?>
「特に何が求められるでるのでしょうか?」
「次の点が重要になると思います。」
介護スタッフが自然に集まる、辞める人が少ない体制整備ができていることが介護事業者にとって、事業継続の為に重要になると思います。
◆まず、介護職員の処遇改善が必要ではないでしょうか?
多様な人材の確保・育成が必要になります。
・では、具体的になにをしますか?離職防止・定着促進が必要になります。
・では、具体的になにをしますか?介護職の魅力向上など様々な方向から対策することが必要になります。
・では、具体的になにをしますか?
◆これらを整備する取組として生産性向上を進めていくことが重要であり、 生産性向上によって介護の質を向上しつつ、急増・多様化する介護ニーズに的確に対応することが必要ですが、では、どのようにしたらよいのしょうか?
<生産性向上が介護の将来を決める理由は?>
「何なのか」
◆人口減少社会の到来と生産年齢人口の減少と増える介護需要の対応が将来できるのでしょうか?
介護サービス事業の生産性向上ができないと、今後継続して維持することができなくなります。どこの事業者でも、できるのでしょうか?
◆一般的に生産性向上は介護の世界では厳しい状況です!
従業員及び労働時間数あたりの付加価値額を設備投資や労働の効率化等によって向上できるとされてます。サービス業(人に接する仕事)は、介護に関わらず、生産性は低い業種ですが、特に介護はそのなかでも特に低い業種です。
◆生産性が低いということは?
労働にあった、対価が難しい業種が介護の世界ですので、希望が持てる業種にするためにも、介護業界は、人的資源以外もあらゆることを活用して、生産性を上げる必要があります。難しいと分かっていてもです。工夫を続ける必要があります。
◆生産性向上の内容もいろいろ言われています!
Output(成果)/Input(単位投入量)の分数で表しますが、実際の生産性を向上させるためには、「Input」と「Output」の間にある過程「Process」に着目して取り組む重要性が重要と指摘されています。
介護サービスの仕事で、この内容が適応できるのでしょうか?
Ⅱ:介護の価値を効率的高める為には?
≪一人でも多くの利用者に質の高いケアを効率的に提供する?≫
◆介護現場の価値を高めるとは… 何か?
介護サービスの生産性向上を介護の価値を高めることと定義されています。本事業における介護の仕事の価値を高める取組は、人材育成とチームケアの質の向上、そして情報共有の効率化は最低限必要と考えます。
◆生産性向上に取り組む意義としては?
まずは、介護サービスの質の向上と人材定着・確保を目指します。
・生産性向上の目的のとらえ方は様々あり、例えば整理整頓により物を探す時間を短縮し、利用者とのコミュニケーションの充実やどう質を高めるか考える時間をもつことが挙げられます。
そのようなとらえ方は、利用者について新しい発見をしたり、仕事の意義を再認識するなど、自らの仕事へのやりがいや楽しさを実感し、モチベーションを向上させることにつながっていきます。
また、評価の観点は量的な効率化と質の向上に加え、職員間での負担の偏りを是正しつつ、チームケアを通じてサービスを提供するという意識も重要になります。
<業務改善の視点から考えてみると?>
「整理した生産性向上への取組です」
◆介護サービス事業所における生産性向上に取り組む意義ですが?
くどいようですが、人材育成とチームケアの質の向上、そして情報共有の効率化が必要です。また、介護サービスにおける生産性を高める方法として、ガイドラインでは業務改善の視点から取りまとめています。
具体的には、日常業務の中にあるムリ・ムダ・ムラを見つけ解消していく一連の取組が大切になります。今でもしていますが、個人での「ムリ・ムダ・ムラ」ではなく、チームとして考える必要があると思います。個人では限界がありますが、チームではできることがあります。
Ⅲ:介護サービスにおける生産性向上のイメージは?
≪取組のイメージを考えるならば?≫
◆介護サービスにおける生産性向上の取組には、参考ですが、業務改善の視点から次の7つに分類が指摘されています!
職場環境の整備をする。
業務の明確化と役割分担をする。
手順書の作成をする。
記録・報告様式の工夫をする。
情報共有の工夫をする。
OJT の仕組みづくりをする。
理念・行動指針の徹底が促進する。
◆新しい技術を導入することも有効です!
例えば、人に直接か関わらない業務での、情報共有の工夫ではICTの活用が考えられ、加えて、記録・報告様式の工夫と組み合わせることによって、文書量削減の効果も大いに期待できる内容です。
規制の緩和とIT・ロボット等の活用も加えて、生産性を向上させねばなりません。初期投資は掛かりますので、資金力が必要ですが?
Ⅳ:ロボット等も含めて、システム化(IT化も含めて)が促進ができるか?
「どうかですか」
≪規模のメリット・資金力等がないと、体制整備ができません!≫
◆結果的にこのままでは、中小では生産性向上ができません。
今後の介護サービス事業者は、規模のメリットと資金力が必要になると思います。多くの人材を集め、集中的に教育が継続的にできないと人材の安定確保ができません。
また、働きやすい環境整備も重要で、賃金も含めた充実した福利厚生内容も大切になってきます。その為、小規模事業者では事業の効率的な運用ができなくなり、自然に合併や統合が進んでくると思います。
現在の政策では、介護サービスの生産性の向上は小規模事業者にとって事業が難しい業態になると思います。
おそらく、効率的な運営ができる大規模事業者と非効率な家族的な事業者しか残れないように思います。中小では難しいのではないでしょうか?
私は、個人(家族的な経営)をしている事業者とある程度の規模がある事業者しか残れないように思います。労働時間削減、ITも含めた効率化への資金投資、効率的な人材採用、育成等、余裕がないとできないのです。
◆最後に国(経済産業省・厚生労働省)が推奨しているIT・ロボット事業を紹介します!
国が、何を重視し、今後支援をしていくのか、この資料から分かります。特に、下記の5つが重要です。今後は生産性向上支援が充実すると思います。世の流れがそうなってきています。
トイレ誘導
装着
動作支援
生活支援
介護業務支援
感謝