身体の中の映像の話
テレビ番組で、たまに身体の中の映像を見ることがある。自分の身体もこうなっているのかと、いつも興味深く見ていた。
しばらく前になるが、自分の身体の中を見る機会があった。胃カメラと大腸カメラとX線CTである。
胃カメラと大腸カメラは撮影するのに随分しんどい思いをしたし、X線CTは造影剤を注射しながら撮影するというので不安の塊になっていたがここでは割愛するとして、胃カメラと大腸カメラの時は寝転がりながらカメラの映像を見ることができた。
遠目でかつ身動きできないので、必死に横目で見た。自分の身体の中を見る機会なんて滅多にないし、そもそもこんなしんどい思いはもうしたくないので、これが最後と言うことで頑張って見ました。
それはテレビで見たのと同じでしたが、今ここで自分の身体の中を見ているのだと思うと、なんでカメラなんか入れられないといけない状況になったかという理由や不安を忘れ、もう好奇心の塊で画面を見ていたのです。
やはり人体の造形美は美しく、またその精緻さは生命の神秘を感じました。今更ながら、自分は生きているんだと感動しました。有り難いことです。
と言いつつも、画面は遠くて見づらいしカメラはしんどいので早く終わってほしいと思っていたのも事実です。
さて、無事撮影も終わりホッとしていると診察室に呼ばれ、先生から検査結果の説明がありました。その時、さっき撮影した画像を見ながらの説明だったので、今度は落ち着いてゆっくりそしていろいろ質問しながら見ることができました。こうして落ち着いて見ると、本当に身体の中は面白いですね。
診察後、自分の身体の中の映像なんて今後もう二度とお目にかかることは無い貴重なものだと思い、この画像をくれと先生にお願いしたのですが、あげても良いけど再生するソフトがないから見れないですよと言われた。
何のソフトを使っているんですかと聞いたら、撮影装置に付随の専用ソフトだから判らんと。少なくとも、汎用の画像ソフトでは見れないとのこと。
一瞬のうちにUSBメモリを用意しようと意気込んでいたのですが、残念ながら泣く泣く諦めて帰途についたのでした。