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イラ通メソッド・基本講義02 あなたをプロ・イラストレーターに導く、トレーニング方法

※ この記事は、『イラ通・スクール』の講義《イラ通メソッド・基本講義02 あなたをプロ・イラストレーターに導く、トレーニング方法(基本講義の課題02)》を、修正の上、転載したものです。


■ スケッチブックを用意しよう!

まずはスケッチブックを用意してください。
サイズや種類は、自分が描きやすいもので構いません。

これからこの基本講義では、このスケッチブックを「お気に入り帳」と呼び、ずっと活用していきます。
「お気に入り帳」には、あなたの好きなものを集め、貼っていきます。 そして特に気に入ったものを模写します。

そっくりにかけなくても構いません。
あなたが目指しているのは贋作家ではなく、オリジナリティの高い、オンリーワンのイラストレーターです。
自分なりのタッチでかければ大丈夫です。

この好きな物を集め、模写をする活動を日々続けてください。
育児やお仕事のある方は、毎日は厳しいかもしれません。
でも、できる限り毎日に近い感じで続けてください。

■ 「お気に入り帳」の使い方

具体的な使い方を、詳しく説明します。

これから毎日、あなたが生きていく中で、好きなもの、心動かされるものを常に探し続けてください。
いつも通るスーパーへの道でも、コンビニの店内でも、テレビを見ている時も、いつも素敵なものを探してください。
一日中アンテナを張り続けるのです。

そして、何かを見つけたら、すかさずスマートフォン等で写真を撮ります。 雑誌や書籍なら、切り抜くか、カラーコピーを取ってもいいでしょう。

そして「お気に入り帳」に貼るのです。
このスケッチブックには、あなたが好きなもの、惹かれるものがどんどん溜まっていきます。
それは他の誰のものでもなく、あなただけの好きなものです。
あなたならではのセンスの原型となるものがあります。
そこにあなたの世界観の源泉があります。
あなたが真似をしたくなるような表現もあるはずです。
あなたのオリジナリティは、ここから育っていくはずです。
毎日、いいものを模写するので、技術力も上がります。

今はまだ未熟でも、数年も続けると大変な力がつくと思います。

あなたの魂が共鳴する素敵なものはーー
画集に載っている絵画かもしれません。
インターネット上のイラストレーションかもしれません。
何かの印刷物にあったロゴかもしれないし。
落ちていた切符の切れ端かもしれません。
テレビコマーシャルかもしれません。
街に貼られたポスターかもしれません。
コンビニに並んだお菓子のパッケージかもしれません。
あるいは、道端に咲いている花かもしれないし、街の景観かもしれません。
建築物かもしれないし。
映画のワンシーンかもしれません。
雑誌や画集ならカラーコピーしてもいいでしょう。

ある日は、技術力に注目して集めるのもいいですね。
とにかく上手い絵を集めます。
そして模写して、その技術を盗むのです。

そしてある日は、センスのいい絵。
その作品のどこがセンスがいいのか、考えながら集め、センスの良さを盗みましょう。

あるいは世界観のすごい絵を集めるのもいいです。
その世界観のどこがすごいのか、言葉で説明を書いてみましょう。

あらゆるアーティストのオリジナリティは真似から始まっています。
例えば岡本太郎は、縄文美術に衝撃を受けてあの独特の作品世界を構築しました。
印象派の画家たちは、浮世絵を真似るところから、あの新しい絵画を創造しました。
ピカソは、アフリカ美術の影響で、キュピズムを生みました。
これほどの天才たちも、先達の偉大な作品を真似るところから、自分らしい作風を作っていったのです。
ならば、私たちもそれに倣いましょう。

でも、なんでもいいから真似ていては本当に自分らしい作風にはなりません。
あなたの魂が共鳴し、心惹かれるものを真似しましょう。
そこに、あなたの世界観やオリジナリティの原型があります。

でもーー
「確かにすごいけれど、私には描けない」という絵もあります。
私にとっては、ヨーロッパのルネサンス以降の伝統絵画がそうです。
確かに魂が打たれるのですが、どうしてもあんなふうには描けません。

人には向き不向きがあります。
「好きだけども自分には無理な方向」というものも確かにあります。

それも、このお気に入り帳を続ける中でわかってくると思います。

■ 基本講義の課題02の内容と提出方法

この「お気に入り帳」をしばらく続けてください。 20点以上溜まったら提出してください。 できれば30点以上、集めて欲しいですね。

取り上げた作品などは、イラストレーターや画家の名前を書いてくださいね。

作者名が誰かわからない時は、「どこで見つけた何々です。」という感じで紹介して下さい。

模写した場合は、「色鉛筆」「透明水彩」「アクリルガッシュ」という感じで画材名も書いてください。 提出期限はないので、納得のいくまで集めてから提出いただいて構いません。

目安は、2週間ですが、2週間以上かかっても大丈夫です。

1ヶ月以上かかっても全く問題ありません。


■ この課題の目的

この課題の目的は次の三つです。

1)自分の好きなものを集めることで、あなたの世界観を深め、オリジナリティを育て、自分だけの画風を見つける。

あなたが目指すべき画風は、あなたの魂が惹かれるものにこそあるはずです。
「自分の魂が選んだ優れたもの・美しいもの」を心の奥深くにためていきましょう。
いずれそれが発酵し、あなただけの世界観・オリジナリティ・画風に熟成していきます。
時間はかかりますが、近道を選べばつまらない絵しか描けないままになります。

将来のために遠回りをしましょう。

2)日頃からアンテナを張って生活する訓練をする。

朝起きてから寝るまで、日常の中で常にアンテナを張って、心を動かされるものを探し続ける訓練です。
ルノアールが好きなら、ルノアールの画集を見ていいものを探すこともあっていいです。

でもそれだけでは吸収するものが偏ってしまい、新しいものが入ってきません。

大事なことはーー
「日常の中で朝から晩までずっと、出会うもの、見かけるものすれ違うものの中に、心動かされるものを探し続けること」です。
それは街で見かけた服かもしれません。
何気なく立ち寄った雑貨屋さんで見かけた商品かもしれません。
あるいはケーキ屋さんのパッケージにも素敵なものはあるでしょう。
散歩中、何気なく見上げた雲に感動することもあるはずです。
道端の草や花にも惹かれることがあります。
テレビCMにも素敵なものは多いです。
雑誌や書籍にも何かを見つけることがあるでしょう。
すごいイラストレーターはみな、日常の中に素敵なものを見つける天才です。
いつだってアンテナを張っていて、いいものを見つけては感動しているのです。
そうするのが楽しくて仕方がないのです。
皆さんも、そこを真似してほしいと思います。
それが楽しくて仕方がないことに気づけたら、あなたも天才に一歩近づけます。


3)画力の向上。

あなたの好きなもの、惹かれるものを模写することで、技術力が上がります。
選んだものがデジタルイラストレーションであったときも、今はアナログ画材で模写をしましょう。
デジタルだと比較的簡単にきれいで上手な絵がかけます。
アナログ画材で描くのはかなり難しいことも多いでしょう。
苦労ばかりでうまくかけないことも多いと思います。
そっくりに描くこともできないかもしれません。
でも、それでいいのです。

今は上手に仕上げることが目的なのではありませせん。
画力を磨くことが目的です。
苦労した分、技術は向上します。
今は安易な道を選ばず、苦労の多い道を選んでください。

4)自信を育てる

アナログのスケッチブックを使うことには、もう一つ意味があります。
自分のやったことが目に見える形で、溜まっていくことです。
何冊ものスケッチブックが目に見える形で貯まって行くと、「自分はこれだけやったのだ」という自信を育てる効果があります。
これが、デジタルにはない、心理学的効果です。
講師の森流一郎から特に指示がない限りは、アナログのスケッチブックで進めてくださいね。

■ デジタルで行う場合。

森流一郎から「あなたはデジタルで進めてもいいですよ」と言われた場合は、iPad で進めても構いません。
iPad スケッチブック代わりにして、課題を進めてください。

絵を描くアプリは、自分に合ったものを自由に使って構いません。

スケッチブックのように、制作した課題を貯めていくには「ノートアプリ」「メモアプリ」を使いましょう。
おすすめのノートアプリは、GoodNotes です。

NotionEvernote でも、いいかもしれません。
いくつか試してみて、相性の良いものを使ってくださいね。

■ お気に入り帳は、これからもずっと使います。

この「お気に入り帳」は、基本講義の中でずっと使って行きます。

今回の課題は、「上手で、良くて、しかも仕事につながりやすいイラストレーション」が描けるようになるための予行演習に過ぎません。

これから本格的なトレーニングが始まります。

そして、この基本講義が終わってもずっとこのトレーニングを続けていけば、あなたはずっと成長し続けることができます。

幾つになっても第一線で活躍し続けるイラストレーターになれるでしょう。
ぜひ、楽しんでくださいね!

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イラストレーターズ通信
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