明治安田J2リーグ 第36節 栃木SC VS清水エスパルス
勝てばJ1復帰となる清水と後がない栃木との一戦。栃木は、序盤にネットを揺らすがオフサイドで得点ならず。その後はハイプレスからボールを奪い、チャンスを作った。対して清水は栃木のハイプレスに苦戦をするが、ロングボールや右サイドの背後を使い攻撃をする。前半は0-0で折り返す。50分、清水はCKから住吉が得点を決め、欲しかった先制点を奪う。その後、北川が退場になるが、体を張った守備で栃木に得点を許さず、0-1で勝利を挙げた。この結果、清水のJ1復帰と栃木のJ3降格が同時に決まった。
感想
栃木SC
ボールが走らないため、ハイプレスが効果的であった。また、序盤にオフサイドとなったがネットを揺らしたため、良い形で試合に入ることができたが、敗戦となった。
ハイプレスからの速攻は得点の匂いがしたが、その他の攻撃は怖さがなかった。ハイプレス以外は、何を目的として攻撃と守備をしているのかがわからなかった。
自陣でのプレーが少なった前半はピンチが少なく、チャンスが多かった。しかし、後半になると清水がアグレッシブにきたこともあり、自陣でのプレーが多く、攻撃に繋げることができなかった。
清水エスパルス
前半は、ロングボールや右サイドからの攻撃でチャンスを作ったが、シュートが少なかった。右サイドでプレーすることが得意な選手が多いため、右サイドに流れる選手が多く、人数をかけ、背後を取ることができた。しかし、左サイドでの攻撃は少なく、極端となった。
後半は、背後への動きが多くなり、全体的に動きがついた。また、得点後は後ろの選手が追い越す動きをし、攻撃の厚みを増すことができた。選手交代後も、同じような攻撃が続いた。
沖がリーグ戦では2年ぶり+清水では初のリーグ戦出場となった。住吉と重なったシーンは反省すべきだが、その他のシーンは安定しており、これからも期待ができる。
この試合では、戦術的なポイントがあまりなかったため、気になったシーンを2つ紹介する。
解説
中村を下げてのビルドアップ
ピッチコンディションによりボールが走らず、いつものようなビルドアップができなかった。また、栃木のハイプレスにより、ビルドアップが安定しなかった。
しかし、栃木のハイプレスは、序盤は後ろの選手も連動してプレスをかけることができていたが、時間が経つにつれて前線だけがプレスするようになった。また、清水のWBが高い位置を取るため、栃木のWBが前に出ることができなくなった。
そのため、清水のCBとWGの間にスペース(上図で書いた場所)が空いてきた。
始めはこのスペースをうまく使うことができず、プレス回避がうまくいかなかった。
しかし、中村が住吉の隣に降りたことにより、このスペースを使うことができた。
中村が降りたことで蓮川が高い位置を取ることができた。そのため、蓮川にボールが渡ることでプレス回避をすることができ、そこから攻撃をすることができた。
このプレス回避ができた後から安定した攻撃をすることができた。
動きがついた攻撃
もう一つは、人もボールも動いた後半の戦いについて解説する。
ロングボールなどから速攻をすることができれば、チャンスを作ることができたが、後ろからボールを繋ぐような攻撃(遅攻)をすると栃木がブロックを作り、シュートをすることができなかった。
ブロックを作られてしまうとポケットを取ることはできるが、守備陣形を崩すことができず、クロスを防がれてしまい、シュートができなかった。
後半に入ると、背後を狙う動きが増えた。そのため、相手がブロックを作る前に攻撃をすることができ、少しずつ攻撃の糸口が見えてきた。
得点後は人もボールも動くようになった。特に、後ろの選手が前線の選手を追い越すような動きや、上図のようにパスをした選手が3人目の動きで背後を狙うことが増えた。そのため、敵陣でプレーする時間が増え、チャンスやシュート本数を増やすことができた。
得点してから動きが増えたため、得点する前から出来るようにしたい。
ピッチコンディションの影響でボールが走らず、ビルドアップがうまくいかなかったり、キャプテンの北川が退場など苦しんだが、前節できなかった勝利を挙げることができた。これで1つ目の目標はクリアした。また、横浜FCが連敗したため、首位に再浮上した。残り2試合はホームである。前節、久しぶりにホームで敗れたが、残り2試合は攻撃的なスタイルで勝利することを信じている。
※カテゴリーが上がるため、一般的には昇格という言葉を使う。しかし、清水エスパルスはJリーグ創設からあるクラブであり、オリジナル10の1つである。そのため、私は、J1に昇格するのではなくいるべき場所に戻るということも含めてJ1復帰としている。
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