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その93〜無法地帯ではない「在宅ワークできる職場」を作る&選ぶためには〜

※忙しい人向け、この記事の要約です。

リモートワークを見直す企業が増える中、ハイブリッド勤務の有効性が調査で明らかになりました。オンライン旅行会社トリップドットコムのA/Bテストでは、週5日出社とハイブリッド勤務を比較。
結果、両グループ間で生産性に差はなく、ハイブリッド勤務で離職率が35%減少、特に女性や長時間通勤者で顕著でした。この離職率低下により、企業は年間数百万ドルのコストを節約。

成功の背景には、厳密な業績管理、明確な出社スケジュール、経営陣の支持があります。また、データドリブンなアプローチとA/Bテストの活用が効果的な判断に寄与しました。企業がハイブリッド勤務を導入する際には、適切な仕組みと検証が欠かせません。

家庭に置き換えると、転職時に「在宅ワーク可」の職場を選ぶ際、支援体制が整っているか確認することが重要です。
また、家庭内で新しい施策を試す場合にも、いきなり全面採用せず、小規模な試行や比較を行うことがミスを減らす鍵になります。

重要な意思決定には慎重さと検証が必要であり、家庭や職場でも同様のアプローチが役立つといえます。


「在宅ワークができます!」

そんなメッセージを発信している職場は、
転職活動中のワーママ、ワーパパにとってそれだけで候補になり得ますよね。

その働きやすさは、働く人たちから選ばれる秘訣になりますが、
その一方で、業績への悪影響を疑う経営者も少なくはないでしょう。

本当のところはどうなのか?
それを検証した上で施策を選んでいる組織はどのくらいあるのでしょうか?

そんな疑問を投げかける、今日の論文をご紹介します!

タイトルは、
A/Bテストで判明した週2日在宅勤務のメリット 

緻密に設計されたハイブリッドワークは生産性を下げない

です!
それでは早速見てみましょう!



論文の要約

多くの企業がリモートワーク方針を見直す中、アマゾンやグーグルなどの大企業は対面勤務を重視しています。
一方、調査結果はハイブリッド勤務が離職率低下や利益向上に寄与することを示しています。


ハイブリッド勤務成功の要因
・厳密な業績管理:
評価システムで詳細なパフォーマンスデータを収集。
フィードバックや評価に基づく昇進・報酬の決定がモチベーションを維持。
・明確なスケジュール:
出社日を固定化し、従業員間の調整を円滑化。
・経営陣の支持:
トップの支持がハイブリッド勤務の成功を後押し。
CEOは従業員の成長と柔軟性の重要性を強調。


結論:
ハイブリッド勤務は離職率低下、生産性維持、コスト削減を実現する優れたモデルです。
組織はA/Bテストやデータドリブンなアプローチを活用し、革新を続けることで競争力を維持できます。

https://dhbr.diamond.jp/articles/-/11138より抜粋して改編


実験の結果はこのようになっています。

実験概要:
オンライン旅行会社「トリップドットコム」にて、従業員1600人を対象にA/Bテストを実施。

グループ1: 週5日出社(対照群)
グループ2: 月・火・木のみ出社(処理群、ハイブリッド勤務)

結果:
生産性: 両グループ間に差なし。
離職率: ハイブリッド勤務者は35%減少。特に女性や長時間通勤者で顕著。
コスト削減: 離職率低下により年間数百万ドルを節約。

https://dhbr.diamond.jp/articles/-/11138より抜粋して改編

A/Bテストってそもそも何?という人のために。

狭義ではABテストは仮説検定を指す俗称であるが、広義のABテストはインターネットマーケティングにおける施策の良否を判断するために、2つの施策同士を比較検討する行為全般を指す。
ただし、無基準にAとBをとりあえず作成して比較し判断する、という意味ではない。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/A/B%E3%83%86%E3%82%B9%E3%83%88より引用


要は、
フルで出社すること」と
在宅と出社のハイブリッド
のどちらが業績に影響するかをデータで比較した。
ということですね。

「出社の方がコミュニケーションが取れて、離職率も減るし業績も上がる!」
という思い込みをしっかり検証して、
どちらが自分の職場に合うかを見極めることが大事です。

この論文を見て、
ハイブリッドの方がいいらしいよ!」
というのは違う
、と。

まずそもそも、その企業にハイブリッドワークを管理する仕組みが整っているかどうかを確認しないといけないですね。

その仕組みが適切に機能するかどうかを、A/Bテストで検証することが必要です。

安易に「ハイブリッドにしよう!」は、
「全員週5で出社!」と何も検証せずに決めるのと同じです。

その点に注意しましょう!


家庭に置き換えて考えると…

今回の論点は2つです。

1つは、
転職時に在宅ワークありの職場を選ぶ時には、それを支援する仕組みが整っているかを確認する

2つ目は、
自宅で何か新しい施策を始める時には、いきなり取り入れるのではなく、比較検証を行う

いずれにしても、短絡的に、印象で決定しないということを念頭に置いておく必要がありますね。

慎重になりすぎるわけではありませんが、
適切に判断するためにはこういった基準や検証を行っていきましょう!


まとめ

本日は「ハイブリッドワークの有効性と検証の上で必要なA/Bテスト」をテーマにした論文をご紹介しました。

在宅ワークは魅力的ですが、
それが適切に運用されている職場を選ぶこと、
これは一人一人が意識していないと見えてきません。

転職は生活を左右するイベントです。

勢いは大事ですが、冷静に、慎重に考えることも大事です。

それではまた次回。

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