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“人型ロボットが吊るされている映像”を見て思ったこと

先程、X(旧Twitter)で流れてきた「筋肉を再現した人型ロボットが吊るされて動いている映像」を見たとき、正直、ぞっとしたんです。https://x.com/clonerobotics/status/1892250639360561234?s=46

いや、技術そのものはすごい。皮膚や筋肉を模した構造が動く様子には「ロボット工学もここまで来たか!」と感心しました。でも同時に、吊り下げられている“人間そっくりな形”がうごめく姿には、どこかホラー的な不気味さを感じてしまった。

なぜ不気味に感じるのか、考えてみると「本物の身体に見えるのに、実は無機物だ」とわかるギャップが原因なんじゃないかと思います。いわゆる“アンキャニー・バレー”現象。人間の形や動きに近ければ近いほど、ちょっとした違和感や非人間的な要素が際立って、むしろ生理的な嫌悪感や恐怖につながってしまう。さらにそれが「吊るされた状態」だと、「痛そう」「人が実験されてるんじゃ……」って、勝手に想像が暴走する。

映像を見た瞬間、まるで人体実験を目の当たりにしているかのような錯覚に陥りました。ロボットに痛覚や感情がないとわかっていても、「これ、大丈夫?」「誰かが苦しんでいる?」と、変に感情移入してしまう自分がいたんです。


人間とロボットの境界が曖昧になっていく未来

SF映画ではよく描かれる「ロボットが限りなく人間に近づいたとき、私たちはどう接するのか?」という問い。まさにその入り口を、今の技術が見せてくれた気がします。
生々しい皮膚や筋肉の動きを再現する技術がさらに発展したら、将来はほんとうに「見た目も動きも人間とまったく区別がつかないロボット」ができるかもしれない。

そうなったとき、私たちは“単なるモノ”としてロボットを扱えるんでしょうか。もしロボットが“意志”や“感覚”を持っているように見えるのなら、どうしても“人権”とか“倫理”の問題が浮上してきそうですよね。
「人工知能が痛みを感じるようになったら?」「ロボットを吊るして実験するのは人権侵害と何が違うの?」――極端かもしれないけど、技術の発達が進めば進むほど、SFのような話が現実の論争になっていくんじゃないかと考えさせられました。

一方で、“人型”だからこそ得られるメリットもあるはず。介護や医療の現場で、人と自然にコミュニケーションを取れるロボットは役立つでしょうし、危険作業や災害現場で人間の代わりに動いてくれるかもしれない。そう考えると、人間そっくりな外見を持つロボットの“不気味さ”を超えた先には、大きな可能性も広がっているように思えます。


それでも“人間らしさ”をどう扱うかが鍵

ただ、「人間らしさ」と言っても本質は何なのか、という問題は切り離せません。見た目や動きのリアルさをいくら追求しても、意識や感情をどう捉えるかはまだまだ難しい。
いまは“吊るされたロボット”を見てビックリしている段階。でも今後は、そこにさらに“自我を持つように振る舞うAI”が搭載されて、本当に意思疎通ができるような存在が当たり前になるかもしれません。

そこまで来ると、私たちが「これはロボット」「こっちは人間」とぱっと区別できなくなるかもしれません。リアルに想像すると、ワクワクする反面、どこかモヤモヤや不安も感じるからこそ、あの映像への反応がこれほど強かったのかな、と思ったりもします。


じゃあどう付き合うか?

いまの技術はすでに、人間らしい動きとAIの高度な知能を少しずつ融合し始めています。これからはそんなロボットやAIとどう暮らしていくのか、社会全体で議論が必要になるでしょう。
「ロボットに感情を持たせるべきか?」「人間の仕事や役割はどう変わっていくのか?」「人型にするメリット・デメリットは?」などなど、課題は山積み。でも、その先にある“豊かで便利な未来”に思いを馳せると、やはり胸が高鳴るのも事実。

個人的には「もしも将来、ほとんど人と変わらないロボットが日常に溶け込むなら、どうつき合うのか?」を、今から考えておきたいなと思います。


Anystar株式会社での取り組み

ちなみに私が代表を務めるAnystar株式会社では、「Anyone, Anytime, Anywhere, be a star!」を合言葉に、“誰でも、いつでも、どこでも、輝ける”ためのAIサービスを開発しています。
私たちの主力はあえて可愛いアニメ風のアバター。リアルすぎる人型ではなく、“AIだとわかる安心感”と“親しみやすさ”を両立するためです。五感を通じて自然に使えるインターフェースを追求し、個人・組織の力を引き出すことをミッションに掲げています。
こうした不思議なロボットを見かけたとき、“ただの技術”ではなく、自分たちの未来や社会のあり方を想像してみる。そこから広がる世界こそ、私たちが創りたい「人とAIの共生する未来」なのだと思います。

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