しばらく時が経つと恋しくなる「味」がある。
丁度、知人から連絡があり、ご飯を誘った。彼は、初めての「Liberta(リベルタ)」。
席につくとメニューに挟まれたチラシに目が止まった。
「ラ・オステリア」の頃から数えて15周年。
「復刻祭」として、人気 のあったパスタを月替わりで復刻するという。
「ポルポ・ディ・アフォガッティ クレソン添えのピリ辛トマトソース」。
その日は迷わずに決めた。
「ポルポ・ディ・アフォガッティ クレソン添えのピリ辛トマトソース」。 その日は迷わずに決めた。
タコをミンチにして、トマトソース、白ワイン、アサリの汁で、柔らかくなるまで煮込んだタコのミートソース。溺れタコの意味でナポリのサンタ・ルチアの郷土料理。ラ・オステリアの開業2年目の頃に人気があり、さらに改良したと書いてある。
説明を読み、テーブルの上に置かれ、見るだけでワクワクしてくる。いい香りだ。
トマトソースベースのタコのミートソース。
始めはちょっとソースだけ口に入れた。臭みもなく深い味わい。
タコの旨味、いいとこどりだ。このソースがモチモチの生パスタによく
絡む。いい脇役をこなすクレソン。個性を出しつつも、よくまとまって、
まるでJAZZ。
アクリル板越しの人を忘れ、夢中になった。
とても美味しい。
気がつくとソースまで完食。何もない皿を眺めていた。
「大盛りにすればよかった・・・」
アクリル板を叩く音。向かいの人が、ニコニコして親指を立て、「この パスタ、美味しい!」
<海老とフレッシュトマトのバジルクリーム>
バジルの細かい緑とトマトの紅。それを優しく包み込むクリームソース。見た目も綺麗だ。その味を知ってるので、「それも好きです」と答えた。
リベルタの全てのメニューが、もちもちのパスタとコクのある味わい深いソース。全メニューを制覇しつつあるが、ここで月替わりの復刻祭。まだまだ、来る楽しみが増えた。
デザートのついたセットにしていた。「クレ―マ・カタラーナ」。リベルタは、スイーツも充実。初めて食べてから、やみつきになったスイーツ。
スペインのスイーツで、カスタードクリームを凍らせている。表面はカリカリで、中が冷たくてしっとり。ほど良い甘さで、パクパク。
リベルタは、私にとって、しばらく時が経つと恋しくなる「味」。
初めて来た人は「また、来ると思います」とニコニコ顔で帰って行った。美味しさを分かち合った余韻の残る嬉しい帰り道。
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