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「霧の彫刻」自然への畏怖

ふとTVをつけると中谷芙二子さんの「霧の彫刻」のドキュメンタリーがやっていました。
「霧の彫刻」とは中谷芙二子さん自身が考案された霧を発生する装置を用いて、設営する場所に合わせて霧を作り上げるインスタレーション作品です。
私自身も2019年に経験した事がありますが霧を通してその場と繋がる不思議な感覚を体験できました。

「霧の彫刻」の中に入る人々


 
この作品の素晴らしいのは、多くの人が直観で楽しめるという事。
特に子供はきゃっきゃと言いながら楽しみます。

はしゃぐ子供たち

海外での評価も高く、田中民さん、坂本龍一さんなどともコラボレーションされております。
 
この作品を通して、私自身が感じた事としては
霧というメディアを通して、我々は皮膚感覚を拡張される、感受性を増す事が出来るのでは。
という事。
山では、霧は怖い存在ですが、同時に美しくもあります。
 
 
 
さて、そんな芙二子さんのお父様は、雪の結晶研究の大家として知られる、中⾕宇吉郎先生です。
『雪は天から手紙』という言葉で有名で、物理学者でありながらも、多くの執筆活動もされ芸術に長けた方でした。
 
その著書の中で自然の対しての向き合い方について書かれている。
 
『自然を見る眼が親愛の情を失えば、相手も決して本性を明かさないものである』
“樹氷の世界”より
 
この事が、芙二子さんにも受け継がれ
都市の中においても、その空気、場を感じられる作品を作り上げる事になったのだと思います。
 
そんな「霧の彫刻」を雪の中で鑑賞できるチャンスがあります。
石川県にある 中⾕宇吉郎 雪の科学館です。


中⾕宇吉郎先生が研究に打ち込まれたグリーンランドの石と共に「霧の彫刻」が常設されています。
『グリーンランド氷河の原』 おすすめです。


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